京王バス052系統の可能性。乗っているのは「ファン」ばかりだけれど

都心の快速運転は快適

京王バスが開設した新路線・052系統(渋谷駅~新宿駅西口~新橋駅)に乗ってみました。他に乗っていたのはバスファンばかりと見受けられましたが、異色の新路線の可能性を探ります。

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代車の日もある

京王バスが2021年10月1日に開設した新路線052系統は、渋谷駅から新宿駅を経て新橋駅に至る路線です。京王バスが水素燃料電池バスを用いて都心に再進出、ただし1日3往復のみという、異色の新路線です。

開業ブームが一段落したと思われる11月上旬の平日、午後便で渋谷と新橋を往復してみました。

発車5分ほど前に渋谷駅2番乗り場に行くと、停車していたのは普通のバス車両。日産ディーゼル製のノンステップバスです。水素バスはどうしたのかしら、と尋ねると、車両の不具合で、本日は代車。ちょっと残念でしたが、これはこれでレアと割り切って乗車します。

京王バス052系統

観光気分が盛り上がり

渋谷駅からの乗客は4人。既存の051系統と同じ路線をたどり、新宿駅西口へ向かいます。新宿駅まで途中1人の乗車があり、新宿駅で3人が降りました。残ったのは2人だけ。最後列に座っている筆者と、最前列に座っているファンとおぼしきリタイア世代の男性で、「一般客」はいません。

京王バス052系統

乗客2人だけで、バスは都心区間へ。バスタ新宿の前を通り、新宿御苑をかすめて、新宿通りを東へ向かいます。新宿御苑、四谷一丁目のバス停は通過。JR四ッ谷駅前を通りますが、バス停はありません。

半蔵門の交差点から皇居のお堀に出て、代官町通りに入ります。代官町通りは都バスの経路からも外れているので、路線バスとしては貴重な区間です。このあたりは車窓もよく、観光気分が盛り上がります。

京王バス052系統

大手町グランキューブでは敷地内のバス停に立ち寄ります。路上のバス停にはあまり停まらない052系統ですが、建物内の停留所にしっかり立ち寄るのは興味深いところ。

空港バスと、ウィラーの高速バスの標示柱に挟まれて、京王バス052系統の真新しい標示柱がありました。

京王バス052系統

日比谷交差点から晴海通りに入ります。数寄屋橋、銀座四丁目の交差点と華やかなエリアを抜け、昭和通りから旧新橋停車場の前を通り、終点・新橋駅バス停に。駅のロータリーには入らず、国道15号にぽつりとある停留所でした。

新宿~新橋間は、筆者と男性の2人が乗り通しただけ。最後まで「一般客」は誰もいませんでした。

京王バス渋谷~新橋線
画像:京王バスプレスリリース
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途中乗車が

新橋駅で1時間ほど待って、渋谷行きに乗ります。今度は筆者のほか、9名もの若者男女を乗せて出発です。全員このバスが目的のようで、やはり「一般客」はいないようです。

京王バス052系統

虎ノ門ヒルズをかすめ、外堀通りで赤坂見附を抜けていきます。迎賓館を車窓に見ながら四ッ谷駅前を左折。最初のバス停の四谷一丁目では、一般客とおぼしき初老の女性が一人乗車。その方は新宿駅まで乗車しました。

靖国通りに出て、歌舞伎町をかすめて大ガード下を抜け、新宿駅西口へ。ここで乗客の半分が降りました。そこから先は、通常の051系統と同じとなり、一般客の乗り降りもあります。新橋駅から1時間10分をかけて、終点渋谷駅に到着です。

日が暮れた渋谷駅では、7~8人のファンが出迎えて、「代車」の052系統にカメラを向けていました。

京王バス052系統

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意外と速い

乗り通した感想としては、「意外と速い」ということです。定刻では新宿駅西口→新橋駅が50分、新橋駅→新宿駅西口が35分となっていますが、実際は途中の停留所で時間調整しながらでしたし、それでも到着は定刻より少し早かったです。

新宿→新橋の50分となると、実用的には時間がかかりすぎと感じますが、35分なら、便数が多ければ普段使いで乗ってもいいかも、と思わせます。

新橋→新宿の所要時間が短いのは、環状2号から外堀通りへかけて、虎ノ門付近をトンネルで一気に抜けることや、溜池山王から四谷にかけて道路の流れがいいこと、などが挙げられそう。もちろん、途中に2つしか停留所がない点も、所要時間短縮に大きな効果をあげています。

京王バス052系統

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「都心の快速バス」

東京都心には都バスが緻密な路線網を築いていますが、快速(急行)運行はごく一部だけです。鉄道が発達している都心部では、急ぐ人は電車に乗ればいいのであって、バスを速く走らせる必要はないのでしょう。

ただ、京王052系統のような「快速バス」に乗ってみると、これはこれで便利で快適、と思ってしまいます。地下鉄やJR駅構内の移動は人や階段が多くて疲れますが、路上から直接乗れるバスは手軽。着席できるのであれば、時間に余裕のあるときは使いたいと感じるかもしれません。

実際に、快速バスを営業運行して採算が取れるかというと難しそうで、京王052系統のような路線は都内にそうそうできないでしょう。052系統自体、実験的あるいは戦略的な意味でつくられた路線のようですし、いずれ形を変えるか、姿を消すのは想像に難くありません。

とはいえ、新路線には、「都心の快速バス」という新たな可能性も感じます。それが発展していくかは何ともいえませんが。(鎌倉淳)

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