「カムイ」「ライラック」をはじめとする函館線特急の利用低迷が続いています。JR北海道が公表した利用状況によると、6月の札幌~岩見沢間の特急利用実績は前年より約2割減少しました。2026年3月ダイヤ改正で実施した自由席廃止の影響が、閑散期の6月も続いています。
3ヶ月連続減少
JR北海道は、2026年6月の特急列車の利用状況を発表し、札幌~岩見沢間について、前年比79.2%にとどまったことを明らかにしました。
同区間の利用状況は4月が83.7%、5月が79.9%、6月が79.2%でした。3か月連続で前年を約2割下回っています。
同区間の特急列車は、札幌~旭川間を結ぶ「カムイ」「ライラック」が主力です。2026年3月ダイヤ改正で全車指定席化し、自由席を廃止しました。その影響による客離れが続いているようです。

菓子博の反動減も
旭川市では、2025年5月30日から6月15日にかけて、「あさひかわ菓子博」が開かれました。今年はその反動減もあり、とくに6月上旬の利用状況は、前年比75.1%と低調でした。
いっぽう、反動減の影響が小さい中旬は79.1%、影響のない下旬は82.9%と、やや持ち直しています。それでも、月全体では約2割の減少となりました。
道内他路線の状況は?
道内の他路線をみると、東室蘭~苫小牧間が101.9%、南千歳~トマム間が95.8%で、道内都市間3線区の平均は90.5%でした。
つまり、函館方面と帯広方面はほぼ前年並みで推移し、旭川方面だけが大きく落ち込んでいる構図です。
4月には春休み、5月には大型連休がありますが、6月には大きな休みがなく、地元客の利用が中心となる閑散期です。その時期でも利用が伸び悩んでいることから、地元利用者の「函館線特急離れ」が進んでいる可能性があります。
割引きっぷ廃止の影響
旭川方面の特急については、自由席の廃止にあわせて割引きっぷも整理しました。割引率の高かった「自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)」や「指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)」などの発売を終了しています。
JR北海道は、これらの紙の割引きっぷを廃止すると同時に、インターネットで販売する割引きっぷを拡充し、イールドマネジメントを導入しました。
利用者からみると、以前より割高になったうえ、事前にネット予約をする手間も生じました。「手頃な価格で自由席にふらりと乗る」ことが難しくなり、利用者離れに拍車をかけた可能性があります。
全体としては増収
ただし、その結果として、道内都市間3線区の収入状況は対前年比101.4%となりました。つまり、特急列車全体としては増収になったわけです。
函館方面と帯広方面の運賃・料金制度は前年と大きくは変わっておらず、利用者数はおおむね前年並みで推移しています。
いっぽう、旭川方面では自由席廃止と割引制度の見直しが行われましたので、収入増は旭川方面の制度変更の影響が大きいとみられます。旭川方面の利用者は減少しましたが、客単価は上昇したと考えられます。
つまり、JR北海道は自由席廃止と割引縮小で利用者の2割を失いましたが、単価改善により、それを補う程度の増収を達成しているということです。(鎌倉淳)























