伊豆縦貫自動車道の全線開通が視野に入ってきました。未着手区間である月ヶ瀬~河津間の都市計画がまもなく決定し、ルートが正式に決まります。
沼津~下田間約60km
伊豆縦貫自動車道は東名高速道路の沼津ICに接続する沼津岡宮ICから下田IC(仮称)までを結ぶ、全長約60kmの一般国道自動車専用道路です。途中に伊豆中央道を挟み、沼津から月ケ瀬ICまでが部分開通しています。
伊豆半島南部では、河津七滝IC~下田IC間を「河津下田道路」として建設中です。このうち河津七滝IC~河津逆川ICは、2023年3月18日に開通します。
残る未着手区間が月ヶ瀬IC~河津七滝IC間。「天城峠道路」と呼ばれる区間です。
この区間について、静岡県都市計画審議会は2022年12月に都市計画案を了承しました。これを受け静岡県では、2023年1月中にも正式に都市計画を決定する見通しです。
浄蓮の滝付近にIC
公表された都市計画案によりますと、伊豆縦貫自動車道「天城峠道路」の月ヶ瀬IC~河津七滝IC間は約20kmです。
途中、浄蓮の滝付近に中間ICを設置します。湯ヶ島市街地から少し離れた場所にICが設置されることになります。
天城峠区間は七滝温泉や大滝温泉の源泉地帯を避け、大きく西へ迂回するルートになっています。トンネルの連続となり、分水嶺を抜ける最大のトンネルは延長4.1kmです。
道路は片側2車線で、一部4車線。設計最高速道は80km/hです。事業費は1,300~1,500億円と見積もられています。
東京~下田2時間半
現時点で事業着手は正式決定していませんが、都市計画決定を受けて、近い将来に事業化されるのは、ほぼ確実でしょう。開通見込みはもちろん未発表ですが、事業期間を約10年とみれば、2030年代前半に開通する可能性があります。
天城峠区間が開通すれば、伊豆縦貫道の沼津~下田間60kmが全通し、東京から下田が高速道路でつながります。南伊豆への道路アクセスが飛躍的に改善されることでしょう。
渋滞がなければ、東京~下田間は2時間半程度でドライブすることが可能になります。これは、JR・伊豆急行の特急「踊り子」の所要時間とほぼ同じです。となると、「踊り子」の利用者数は減少する可能性が高く、車両更新計画などに影響が出るかもしれません。(鎌倉淳)