札幌市の中心部に誕生する都市型水族館「AOAO SAPPORO」が2023年7月20日にオープンします。展示内容の詳細を見てみましょう。
サンデパート跡地の再開発ビルに
札幌の都市型水族館「AOAO SAPPORO」が誕生するのは、狸小路3丁目の複合商業施設「moyuk SAPPORO」の4~6階です。かつて「サンデパート」などがあった跡地に建つ再開発ビルで、札幌駅前通と狸小路が交わる好立地です。
水族館の延床面積は5,100平米です。新札幌のサンピアザ水族館が約10,500平米ですので、それと比べると半分程度。ややこじんまりした水族館です。
名古屋の不動産会社ユニホーが開設し、株式会社青々が運営を手がけます。飼育管理で、おたる水族館が協力します。
4階はバックヤード
展示概要を見ていきましょう。まず4階は、「人と水の世界をつなぐ」がコンセプト。
水族館のバックヤードに入り込んで、飼育用の人工海水の製造過程や、展示生物の健康管理の様子が見られます。
いきなりバックヤードというのも斬新ですが、展示への導入として、水族館施設の仕組みや役割を提示するということです。ニホンザリガニやエゾトミヨ、キタサンショウウオなどが見られます。
5階は生態系を再現
5Fは「見えなかった世界を見つめる」がコンセプト。
生物の営みを観察することを目的とした展示ゾーンです。生態系を再現した「ネイチャーアクアリウム」や、図書館のように分類された水槽と本がある「ライブラリーアクアリウム」などがあります。
「ネイチャーアクアリウム」は、水草が繁茂する水中景観で、小さな生物を自然の姿で観察できます。
「ライブラリーアクアリウム」は、大小43本の水槽に観察ポイントが書かれています。本を1ページずつ読みすすめていくように、それぞれの生物と生息環境に関する知識を得ることができる、というコンセプトです。
チンアナゴ、ヘコアユ、ミナミトビハゼ、ウミシダ、オオサンショウウオなどを展示します。
6階にペンギン
6Fは、「ひとつの世界を分け合う」がコンセプト。 ペンギンなどの生物と同じ空間で過ごせる展示です。展示水槽に加えて、デジタルアートの「海」や、木が生い茂る「植物園」などもあります。
メインとなるペンギンの展示はキタイワトビペンギン。六角形の展示ブロックを用い、陸場の形状が変化する展示システムで、世界初だそうです。
「プランクトンルーム」では、ミズクラゲなどがゆっくりと漂う幻想的な空間を楽しめます。
デジタルアートに植物園も
海の世界をデジタルアートで再現した展示が、「ブルールーム」です。幅約20メートルの大型スクリーンと、約120平方メートルの床に生き物が展示され、海の中にいるかのような没入感を味わえるそうです。
「グリーンルーム」という展示もあります。こちらは、熱帯地方原産の植物が繁茂する、植物園のような展示です。2メートルを超えるフィカス類の樹木など、20種以上の植物が生い茂り、天井近くまで緑で覆います。
シロクマベーカリーが出店
6階には飲食施設として、パンとお酒を販売する「シロクマベーカリー」がオープンします。
道産小麦を使用したクロワッサンや、地元の素材を利用したバルメニューがあります。館内は全フロア飲食可能で、水槽を眺めながらパンを楽しめます。
入館料は2,000円~
「AOAO SAPPORO」の営業時間は10:00〜22:00(最終入館21:00)で、年中無休です。
入場料金は時期により異なり、大人(高校生以上)2,000円~2,200円、子ども(小中学生)1,000円~1,100円、幼児(3歳以上)100円~200円です。
アクセスは札幌市営地下鉄「大通」駅徒歩3分、札幌市電「狸小路」駅徒歩1分。ビルと地下街は直結しています。(鎌倉淳)