宮崎県五ヶ瀬町は、日本最南端のスキー場として知られる「五ヶ瀬ハイランドスキー場」の営業を終了し、廃止する方針を正式に決定しました。スキー人口の減少や温暖化による雪不足で利用が低迷し、町が営業継続を断念。これにより、九州のスキー場はくじゅうスキー場のみとなります。
町長が正式表明
五ヶ瀬町では2026年7月7日に臨時議会を開き、五ヶ瀬ハイランドスキー場の今後について議論しました。
町はこれまで「営業継続」「休止」「廃止」の3案を比較検討してきましたが、小迫幸弘町長は議会で「将来にわたり、多額の投資と財政負担を継続しながらスキー場営業を続けることは極めて困難」と述べ、2026~27年シーズン以降の営業を行わず、廃止する方針を表明しました。
また、議会側からもスキー場を廃止する決議案が提出され、全会一致で可決しました。
これにより、五ヶ瀬ハイランドスキー場は廃止となり、今冬の営業も行わないことが決まりました。

バブル期に開業、最盛期は10万人超
五ヶ瀬ハイランドスキー場は1990年、日本最南端のスキー場として開業しました。
当時の全国的なスキーブームの追い風を受け、1993年度には年間10万人を超える来場者を記録。九州では数少ない本格的なスキー場として、多くの家族連れや若者でにぎわいました。
しかし、バブル崩壊後は利用者が減少。1996年には大分県内にくじゅうスキー場が開業したこともあり、経営環境は悪化しました。
当初は町直営でしたが、1994年に民間出資を得て、第三セクターの株式会社五ヶ瀬ハイランドが運営してきました。ただ、2004年には町のみの出資となり、事実上の町営スキー場となっていました。
災害や温暖化で経営悪化
近年は台風などの災害にも見舞われ、営業休止を余儀なくされたシーズンもありました。
2024年には災害から復旧し、3シーズンぶりに営業を再開。経営改善に向け、来場者3万人を目標に掲げましたが、暖冬や雪不足の影響で営業期間を短縮せざるを得ず、実際の来場者は約1万5,000人にとどまりました。
全国的なスキー人口の減少に加え、温暖化による積雪不足が重なり、経営改善の見通しは立たない状況となっていました。
町は今後、土地所有者である国と協議を進め、スキー場跡地については森林公園として、登山やトレッキングなどアウトドア利用を軸とした新たな活用方法を検討していく方針です。
五ヶ瀬ハイランドスキー場の廃止により、九州のスキー場はくじゅうスキー場のみとなります。「日本最南端のスキー場」の称号も、くじゅうに移ることになります。



















