年末年始の帰省時に、赤ちゃんを連れて行く人は多いでしょう。でも、赤ちゃんと一緒に飛行機に乗るのは、ちょっと気が重いもの。とくに、小さな赤ちゃんを乗せる場合は、泣いたりしないか不安なものです。
また、飛行機は列車と違って気圧変化もあり、赤ちゃんの身体に負担がかかるのも事実です。「泣く」「うるさい」などの周囲の目線も気になります。
ここでは、飛行機で赤ちゃんと一緒に旅するための基礎知識をまとめてご紹介しましょう。
赤ちゃんを飛行機に乗せるときの料金ルール
まずは、赤ちゃんと飛行機で旅するための、料金ルールをご紹介。飛行機に乗るとき、赤ちゃんは、抱っこしていれば無料です。具体的には、満2歳までの幼児(3歳未満)については、大人1人につき幼児1人が膝の上に座ることができます。この場合は、幼児は無料です。親が2人いれば、幼児は2人が無料になります。
大人1人につき、同伴できる幼児は2人までです。うち1人は膝の上に座れますが、もう1人は座席の確保が必要で、小児運賃などがかかります。
とはいえ、だっこで済むのは1歳児くらいまででしょう。それもせいぜい国内線の2時間くらいまでのフライトです。3時間以上になるなら、1歳児でも座席を確保した方がいいでしょう。国際線の場合は、できるだけ座席を確保しましょう。
最前列でバシネットを使う
赤ちゃんを飛行機に乗せる場合、どの席に乗せるかは意見が別れます。いちばん支持が多いのは最前列。最前列なら、バシネットと呼ばれる赤ちゃん用のゆりかごが使えることがあるからです。
バシネットの利用は事前予約が必要です。JALの場合で、体重10.5kgまでの、2才未満の赤ちゃんが対象です。バシネットのサイズは、長さ77cm、幅32.5cm、深さ15cmです。
バシネットを使わない場合でも、最前列なら、子どもが前の座席を蹴ったりする心配がありません。そのため、最前列がいいという人が多いようです。
ただ、最前列だと自分の前の座席の足元に荷物を置くことができません。そのため、荷物は棚の上に上げなければならないので、赤ちゃん用のグッズを使うには不便です。そのため、最前列を嫌う親もいます。
1列を丸々使えると理想的
最前列以外の座席では、どこがいいのでしょうか。理想はシートの1列を丸々使うことができる場所です。親が2人いて赤ちゃん一人の場合、2人掛け席を狙います。親が2人で子供に一つシートを使わせるなら3人掛けです。これなら、隣席の客に気を遣う必要がなくなります。
親が一人で赤ちゃんを抱えて乗る場合は、後部座席の内側の通路側も狙い目です。なぜなら、隣が空席の可能性が高いからです。その場合、チェックイン時にカウンターで事情を話せば、隣席をブロックしてくれることもあります。ただし、帰省ラッシュのような満席時には、ブロックなどはできません。
上級席を使うのは?
お金に余裕があれば、上級席を狙うのも一つの方法です。JALのクラスJなら、赤ちゃんを膝の上に乗せてもラクです。もっとお金があれば、ファーストクラスやANAのプレミアムクラスなどもいいでしょう。上級席はゆったりしていますので、赤ちゃんを抱えて飛行機に乗っても余裕があります。
「赤ちゃんを上級席に乗せると、周囲に迷惑にならない?」という不安を抱く人もいます。たしかに、泣かれると迷惑になりますが、それはエコノミーも同じです。また、上級席の客は年齢層が高く、子育ての大変さを理解している人が多いので、赤ちゃんの泣き声に寛容な人もいます。
時間帯のいい便を使う
赤ちゃん連れの旅で飛行機の便を選ぶときは、時間帯のいい便を選ぶことも大事です。時間帯がいい、というのは、日常生活と同じくらいの時間に起きて準備をして空港に行き、無理をせず乗れる時間帯です。深夜・早朝便はなるべく避けましょう。赤ちゃんに余計なストレスをかけないことが大事です。
時間帯のいい便は、チケットがお高めです。安いチケットを確保するには、早めに予約しなければなりません。そのため、旅の予定も早めに立てましょう。
おすすめ機材はボーイング787
赤ちゃん連れの旅でおすすめの機材は、ボーイング787です。なぜなら、ボーイング787は、他の航空機よりも機内の気圧が高めに設定されているからです。
小さい子供にとって、飛行機の機内の気圧変化は大きな負担になります。耳が痛くなって泣くことが多いのですが、ボーイング787なら、それが少し和らぎます。また、機内湿度も高いので、お肌や喉にも優しいです。
乗る前には寝かせない
飛行機のなかでは、赤ちゃんはぐっすり眠ってもらうと一番ラクです。そのためには、多少ぐずっても、乗る前はなるべく寝かせないようにします。そうすると、機内で疲れて寝てくれます。
また、離陸時にミルクを飲ませるといい、という意見もあります。満腹になると寝てくれますし、気圧変化のあるときに耳抜き代わりになる、ということのようです。
意外と忘れられがちですが、気圧変化は着陸時にも起こります。そのため、着陸時にも授乳させるといいでしょう。ただ、機体降下のタイミングは客にはわかりにくいので、客室乗務員に教えてもらえるよう頼んでおくといいかもしれません。
機内での授乳のために、消毒不要の使い捨て哺乳瓶を用意しておくと便利です。お湯は機内にありますので、粉ミルクと哺乳瓶を渡せば、客室乗務員が作ってくれます。国際線の場合は、粉ミルクも用意されています。
赤ちゃんを飛行機に乗せることは悪いことなの?
赤ちゃんを飛行機に乗せることは、できるだけ避けた方がいいのは言うまでもありません。小さな子供には飛行機の環境は負担になりますし、ごくまれにですが、気圧変化で鼓膜が破れることもあるそうです。また、狭い機内では、感染症などにかかりやすくなるという意見もあります。
ただ、いろんな事情で飛行機に乗せなければならない場合もあるでしょう。そうした際には、親が不安がらないことです。親が不安がると、子供に不安が移るそうです。「赤ちゃんを飛行機に乗せるのは悪いこと」なんてことは考えず、親が堂々としていることも大事なのではないでしょうか。
同時に、泣き声などを我慢してくださる、周囲への方への感謝と配慮も忘れずに。