北海道&東日本パスの2024-25年冬の発売期間・利用期間が発表されました。リニューアルした青春18きっぷと比較しながら、内容を再確認していきましょう。
JR北海道とJR東日本が乗り放題
北海道&東日本パスは、通常、春・夏・冬の年3回発売され、JR北海道・JR東日本の路線(新幹線除く)と、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道・北越急行の快速・普通列車が乗り放題のきっぷです。
有効期間は連続7日間で、フリーエリア内は快速・普通列車の普通車自由席とBRTが乗降り自由です。新幹線や特急列車は原則として利用できません。
ただし、北海道新幹線「新函館北斗~新青森」間内の相互発着の場合に限り特例があり、別途特定特急券を購入すれば、立席(空席)での利用が可能です。
2024年冬の北海道&東日本パスの概要
2024年冬の北海道&東日本パスの発売期間、利用期間、価格などは以下の通りです。
■2024年冬の北海道&東日本パスの概要
・発売期間:11月26日~1月4日
・利用期間:12月10日~1月10日
・価格:大人 11,330円、小児 5,660円
・有効期間:連続する7日間
・発売箇所:JR北海道・JR東日本の主な駅、指定席券売機、主な旅行会社
・効力:JR北海道・JR東日本・青い森鉄道・いわて銀河鉄道・北越急行の普通・快速列車の普通車自由席、JR東日本のBRTが乗降自由
期間、価格とも例年通りで、変更はありません。
なお、「北海道&東日本パス北海道線特急オプション券」の発売はありません。
青春18きっぷとの比較
青春18きっぷが2024-25年冬シーズンからルールを変更し、連続利用を条件としました。あわせて3日間用を登場させています。
連続利用という点では、青春18きっぷも北海道&東日本パスも同じルールになったわけです。違うのは有効期間、利用期間とフリーエリアです。比較してみましょう。
きっぷ名 | 北海道&東日本パス | 青春18きっぷ | ||
---|---|---|---|---|
5日間用 | 3日間用 | |||
価格 | 大人 11,330円 | 12,050円 | 10,000円 | |
小児 5,660円 | ||||
有効期間 | 7日間 | 5日間 | 3日間 | |
利用期間 | 3/1-4/22 7/1-9/30 12/10-1/10 |
3/1-4/10 7/20-9/10 12/10-1/10 |
||
JR線フリーエリア | JR 北海道・東日本全線 | JR全線 | ||
三セク線フリーエリア | 青い森鉄道 いわて銀河鉄道 北越急行 通過特例区間 |
通過特例区間のみ | ||
津軽海峡区間 | 特定特急券(4,000円)で利用可 | オプション券(4,500円)で利用可 |
青春18きっぷとの比較
北海道&東日本パスと青春18きっぷの最大の相違点はフリーエリア。北海道&東日本パスはJR北海道、JR東日本と一部の第三セクター鉄道ですが、青春18きっぷはJR全線です。
価格は、青春18きっぷ3日間用(10,000円)、北海道&東日本パス(7日間、11,330円)、青春18きっぷ5日間用(12,050円)の順に高くなります。北海道&東日本パスには小児の価格設定があります。
利用期間は、冬季はどちらも同じです。春季と夏季は北海道&東日本パスがやや長いです。
どちらを買うか
どちらを買うかは難しい比較でなく、東日本・北海道エリアを旅行するだけなら、北海道&東日本パスが11,330円で7日間ですので、青春18きっぷの5日間用(12,050円)を買う理由はなくなります。3日以内の利用なら、青春18きっぷの3日間用(10,000円)のほうが安いです。
ただ、北海道&東日本パスには、青い森鉄道、いわて銀河鉄道、北越急行を利用できるというメリットがあります。とくに東北地方を旅行する際に、盛岡~八戸間を利用できるのは大きなメリットです。
また、津軽海峡区間では、北海道&東日本パスの場合、特定特急券4,000円を購入すれば、新青森~新函館北斗間で北海道新幹線を利用できます。青春18きっぷの場合、北海道新幹線オプション券(4,500円)を買えば、新青森~木古内間で新幹線、木古内~五稜郭間で道南いさりび鉄道を利用できますが、利便性では北海道&東日本パスに劣ります。
北東北・津軽海峡なら北東パス
こうしてみると、たとえ3日間以下の利用でも、北東北地方や津軽海峡区間を旅行するなら、青春18きっぷよりも北海道&東日本パスの優位性が高いといえます。
全体的に、旅行の予定エリアがJR北海道・東日本管内に限られるなら、まずは北海道&東日本パスを検討しましょう。その旅行が3日間以内で、北東北・津軽海峡を通らないのであれば、青春18きっぷ3日間用の使用を検討する、という考え方でよさそうです。
いっぽう、青春18きっぷの優位性は、なんといってもJR全線に乗れることです。JR東日本エリアは、東海道線なら熱海、中央線なら塩尻までですので、これより西を旅する場合は青春18きっぷ一択になります。(鎌倉淳)