昭文社が『レールウェイ マップル 全国鉄道地図帳』の改訂版を発売します。森林鉄道をはじめとした廃線跡の情報などを増強しています。
鉄道情報を網羅した本格地図
『レールウェイマップル 鉄道地図帳』は、昭文社が「実用系鉄道地図」として2010年にはじめて発売しました。地方別に7冊のラインナップ(北海道、東北、関東、中部、関西、中国・四国、九州)で構成し、正縮尺地図に鉄道情報を網羅した本格的な地図として好評を博しました。
その後、2020年11月に、7冊を集約した全国版『レールウェイ マップル 全国鉄道地図帳』を刊行。その改訂版が、2023年12月8日に発売されます。タイトルは『レールウェイ マップル 全国鉄道地図帳』と同じです。
『レールウェイマップル 鉄道地図帳』
体裁・頁数:B5判、本体444頁
発売日 : 2023年12月8日
全国の主要書店で販売
定価 : 3,600円+税
営業中の全路線を紹介
『レールウェイ マップル 全国鉄道地図帳』の縮尺は25万分の1(北海道地域は30万分の1、離島地域は35万分の1)で、旧版と同じです。
現在営業中のすべての鉄道路線を掲載、駅はルビつきで表示しています。信号所や車両基地、鉄道博物館などの鉄道関連施設や、ロケ地や景観などの情報をアイコンでプロット。また、地理的視点による考察なども解説コメントとして掲載しています。
戦前の廃止路線も掲載
改訂版の最大のポイントは、戦前(1945年以前)に走っていた路線や森林鉄道、軽便鉄道などの情報を大幅に加えたこと。旧版は原則として戦後の廃線のみ掲載していましたが、改訂版では明治以降の鉄道の廃止路線も図示しています。
国鉄をはじめ、私鉄、路面電車、森林鉄道など、かつての日本の鉄道路線網を地図上に再現。開業には至らなかった主な未成線も表示しています。
廃線は地形図や資料から拾い上げ、地図上に再現したものです。新旧の誌面を見れば、情報量の違いが歴然としているそうです。
鉄道年表も
巻頭特集として「鉄道年表」を8ページにわたって収録。明治から令和まで150年にわたる鉄道の歴史を、鉄道界のできごとや、社会のできごと、鉄道趣味的なトピックスの3つの視点で変遷をたどります。
そのほか、鉄道遺産のグラビアヒストリーとして、日本全国から抜粋した64施設を建設年・登録選定名とあわせて年代順で紹介しています。
地図については、詳細拡大図を増やしています。巻頭特集の鉄道年表とあわせ、旧版の428ページから444ページへと16ページ増やしています。
過去を深掘り
前回の刊行から3年。その間に開通した鉄道路線はそれほどありませんので、改訂版において、現役鉄道路線の新情報は多くなさそうです。
一方で、あまり知られていない戦前の廃止路線や森林鉄道に力点をおいて調査した一冊です。つまり「改定版」といっても、最新情報を更新するよりも、過去の探索に力点が置かれているようで、オビには「増強版」と記されています。
現役鉄道と廃線・未成線の位置関係がわかりやすそう。過去に思いを巡らしながら、鉄道旅行をするのに、もってこいの一冊となりそうです。(鎌倉淳)
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