阪急神戸線の武庫之荘~西宮北口間に計画されている「武庫川新駅」の建設が本決まりとなりました。阪急、尼崎市、西宮市の三者が基本合意書に署名しました。
阪急、尼崎市、西宮市が合意
阪急神戸線の武庫之荘~西宮北口間には、武庫川に架かる橋があり、そこに新駅を作る計画があります。これが「武庫川新駅」(仮称)です。
阪急電鉄、兵庫県、尼崎市、西宮市の4者で構成する「武庫川周辺阪急新駅に関する検討会」が、2013年度から検討を進め、2021年9月に事業化に向けた取り組みで合意。2022年11月1日に阪急、尼崎市、西宮市の3者が、新駅設置にかかる基本合意書に署名しました。これにより、新駅設置が正式に決まったことになります。
新駅は武庫之荘駅から約1.6km、西宮北口駅から約1.7kmの位置にあります。上下線の橋梁間に2面2線のホームを備え、改札口は両岸に計2箇所設置します。可動式ホーム柵やエレベーター、エスカレーターなどのバリフリー設備も整備します。
上下線の空間を利用
阪急神戸線の武庫川橋梁は2004年に架け替えられました。このとき、複線の旧橋梁の両側に単線橋梁を配置したため、上下線の間に広い空間があります。新駅はこの空間を活用します。
駅施設を橋梁上に設置することになりますが、橋脚などの基礎構造物を新たに設置するわけではありません。既存の鉄道橋梁の橋脚を活用した構造とします。新駅を想定して、上下線の橋脚には、ホームを架けるスペースがあらかじめ設けられています。
2032年までの開業目指す
新駅の事業費は、駅舎などが50億円、駐輪場整備が5億円、周辺道路整備が5億円です。総額の3分の1を国庫補助金でまかない、残りを両市と阪急で均等に負担する方針です。基本合意書では、三者は一致協力して「国庫補助事業の採択を目指す」と記されました。
開業時期は未定ですが、阪急電鉄の嶋田泰夫社長は「遅くとも10年以内に開業したい」と述べました。順調にいけば、2025年に国に補助金利用を申請し、2032年までに開業することになります。(鎌倉淳)