奥伊吹スキー場が「高速クワッドリフト」を導入へ

入場者増に対応

滋賀県米原市の奥伊吹スキー場で「高速クワッドリフト」が導入されます。現行の第3クワッドリフトを自動循環式にして高速化。関西エリアでは21年ぶりとなる自動循環式リフトの新規導入となります。

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過去最高の入場者数

奥伊吹スキー場は関西エリア屈指の大規模スキー場で、近年はとくに人気が高まっています。

2018年シーズンは、開業48年目で過去最多となる17万人以上の入場者を記録。運営する奥伊吹観光では、最終的に20万人に迫るとの強気の見込みを示しています。実際、過去10年間で入場者は2倍以上となっていて、近年は施設の混雑が目立つようになってきました。

そのため、来シーズン(2019年シーズン)に、メインゲレンデである杉の木ゲレンデに設置されている第3クワッド(4人乗りリフト)のリニューアルを決定。総工費5億5000万円を掛け、高速化を行います。

現行の第3クワッドリフトはワイヤーに固定された機器(椅子)が低速で循環する「固定循環式」ですが、リニューアル後は、索道を高速で運行し、乗降時は搬器をゆっくりと回送する「自動循環式」(デタッチャブルチェアリフト)となります。いわゆる「高速クワッド」と呼ばれるものです。

奥伊吹スキー場
画像:奥伊吹スキー場ブレスリリース

乗車時間は半分以下に

自動循環式のスキーリフトは、導入コストもさることながら、機構が複雑なため、固定循環式に比べてメンテナンスに手がかかります。そのため、大規模スキー場以外ではあまり導入されていません。

関西エリアでは、現在、びわ湖バレイ、ハチ北高原、ハチ高原、アップかんなべで計6基が稼働しているだけです。関西エリアでの新たな自動循環式導入は21年ぶりとなるそうです。

奥伊吹スキー場の第3クワッドリフトの速度は、現行の秒速2mから、日本最速の秒速5mへと2.5倍になり、乗車時間は6分から約2分半に短縮されます。乗降時の速度は秒速1mとなり、いまよりゆっくりとなります。最大輸送量は毎時2,400人です。

ワンランク上のスキー場に

スキー場を図る指標はさまざまですが、「ゴンドラ」か「高速クワッド」が導入されているスキー場はワンランク上、と見ているスキーヤー・スノーボーダーは少なくありません。つまり、高速クワッドには、スキー場の「格」を上げるという効果があるわけです。

奥伊吹スキー場では、第3クワッドリフトが唯一のクワッドで、同スキー場の主力リフトという位置づけです。高速化で利用者にとって使いやすくなりますし、スキー場のイメージ向上にも役立ちそうです。(鎌倉淳)

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