JTB「ユーラシア大陸横断バスの旅」が終幕へ。シルクロードたどる伝説の陸路ツアー

西安からローマ15,000km

JTBが催行してきた「ユーラシア大陸横断バスの旅」が、終幕を迎えそうです。西安~ローマ間のシルクロード15,000kmを走破する伝説の陸路ツアーとして、知る人ぞ知る存在でしたが、最新ツアーの発売とともに、今回が「最終走」になることが発表されました。

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55日間で15,000kmを横断

JTB首都圏の高品質旅行専門店「JTBロイヤルロード銀座」は、2018年3月出発のツアー「春のユーラシア大陸横断15,000km 55日間バスの旅」の発売を開始しました。

このツアーは、西安からローマまでのシルクロード15,000㎞を、すべて陸路で移動するものです。シルクロード沿いの15カ国を、55日間かけて走破します。

このシリーズは、1995年に西安~イスタンブールのツアーとしてスタートしました。2006年に、一部地域の政情不安などにより中断したものの、2012年に西安~ローマまでルートを延伸し再開。これまで、のべ370名が全線陸路によるシルクロードの旅を体験したそうです。

JTBユーラシア横断バスの旅
画像:JTBプレスリリース

鉄道乗車区間も設定

今回の日程は、2018年3月30日(金)から5月23日(水)の53泊55日間。価格は258万円(2名1室利用)です。1人参加の場合は追加料金46万円がかかり、合計304万円となります。

これだけの日程でこれだけのお金を支払える人となると参加者は限られていて、シニア層がメイン。過去のツアー参加者の平均年齢は68歳くらいで、70代はもちろん、80代の参加者もいたそうです。

今回の旅では、基本はバス旅としながらも、経路に鉄道を取り入れたのが特徴。中国の柳園~敦煌間、ウルムチ~イーニン間、ウズベキスタンのサマルカンド~ブハラ間、イランのマシャッド~テヘラン間、トルコのコンヤ~イスタンブール間で鉄道を利用します。

中央アジアでの鉄道網の発達は、最近目を見張るものがあります。そうした時勢をツアーに取り入れた、ということなのでしょう。

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高級ホテルに宿泊

コース概要は、3月30日に羽田を出て西安着。西安観光の後、4月1日にシルクロードへ出発します。

途中宿泊地は、蘭州、敦煌、トルファン、ウルムチ、イーニン、アルマトイ、ビシュケク、タシケント、サマルカンド、ブハラ、アシガバード、シラーズ、イスファハーン、タブリーズ、エルズルム、アマスヤ、コンヤ、イスタンブール、テッサロニキ、ドブロブニク、プリトビチェ、ラヴェンナなど。合計37都市に、1泊または2泊しつつ、5月20日にローマに到着します。

自力で行ったら、速い人でも半年はかかりそうな行程です。バックパッカーなら1年がかりで楽しむコースでしょう。これだけのコースを55日(実質50日)で組んでしまうところは、さすがツアーです。

ツアーなので、旅行者はバックパックを背負う必要はありません。23kgのスーツケースの所持が認められます。ただし、国境を越える際や一部ホテルでは、ポーターがいないため、旅行者自身で荷物を運搬する必要があるとのこと。

利用ホテルは4つ星と5つ星クラスが大半で、3星クラスが3箇所程度。現地の高級ホテルに宿泊します。バスの座席は、原則として1人につき2席を確保します。日程はハードですが、アコモデーションにはある程度の快適性が保障されています。

JTBユーラシア横断バスの旅
画像:JTBプレスリリース

トルクメニスタンのビザは現地取得

通過国は、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン、トルコ、ギリシャ、マケドニア、アルバニア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、スロベニアの15カ国です。

観光ビザ取得のハードルが高いトルクメニスタンビザに関しては「現地取得」となっています。JTBなら現地からの招待状を得られるでしょうから観光ビザの取得が可能かと思いますが、あるいはトランジットビザで抜けるのかもしれません。

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「いったん、最終走」

シルクロードを西安からローマまで横断する旅は、想像するだけでワクワクしますし、参加してみたいと考える方も多いでしょう。しかし、JTBによりますと、このツアーは、今回で「いったん、最終走」になるそうです。

理由として「旅行しづらい場所であった国々のインフラが改善されつつあり、一定の役割を果たしたこと」を挙げています。自力で行ける時代になったから、ツアーの希少価値が下がった、ということなのでしょうか。

同様のユーラシア大陸横断ツアーは、これまで他の旅行社でもときどき企画されてきました。したがって、JTBのツアーが終わっても、他社で企画されることはあるかもしれません。ただ、23年間続いた伝説のツアーにピリオドが打たれることには、時代の流れを感じさせます。

1人参加が多い

JTBのツアー紹介ページによると、1人参加が多く、夫婦での参加は毎回1~2組程度とのこと。1997年以降、途中で帰国した参加者は一人もいません。参加にあたり、「自分で歩けるだけの体力と、全員に足並みを揃えられる程度の歩行力は必要」とのことです。

最少催行人員は10名、ツアー定員は16名限定です。お金と時間に余裕があって、シルクロードを陸路で抜けたいけれど、自力で行くのは面倒だな、と思っている方。いらっしゃいましたら、最後のツアーに参加を検討されてみてはいかがでしょうか。(鎌倉淳)
JTBの海外ツアー

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