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新千歳空港の民営化が動き出す。函館、釧路、稚内の国管理空港との一体運営へ。旭川、帯広、女満別が加わる可能性も

新千歳空港が、民営化に向けて本格的に動き出しそうです。北海道の高橋はるみ知事は、2016年3月3日の北海道議会本会議で、新千歳空港を中核とした道内空港の民営化を目指す考えを正式に表明しました。

今後、新千歳、函館、釧路、稚内の4つの国管理空港の一括民営化を軸に、国土交通省と本格的な協議に入ります。早ければ東京五輪開催の2020年までの民営化を目指します。

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北海道が国方針を容認

新千歳空港の民営化は、2015年末頃から、国土交通省が方針を固めていることが相次いで報じられてきました。今回、道議会という公の場で知事が表明したことで、北海道がこれを容認し、正式に動き出すことが明らかになったわけです。

北海道には全部で13の空港がありますが、航空路線は新千歳空港へ集中しています。北海道が新千歳空港民営化を容認した背景として、この一極集中を是正したいという思いがあるようです。新千歳空港と道内他空港を組み合わせ、北海道全体の航空ネットワークをより充実させる狙いです。

国土交通省は、新千歳空港とあわせ、国管理の函館、釧路、稚内の4空港を一括民営化する方針で、旭川、帯広の市管理2空港を含めることも検討しているようです。これに対し、地元経済界からは、道管理の女満別空港も対象に加えることを求める動きもあります。さらに、札幌市は丘珠空港も対象に含めるよう、道に要請しているそうですが、丘珠は防衛省所管のため、民営化の枠組みに含めるのは難しいようです。

新千歳空港

新千歳の黒字で他空港を穴埋め?

これら7空港のうち、どの空港までを一体運営するのかが、今後の焦点です。7空港のうち、黒字を計上できているのは新千歳空港だけです。新千歳空港は、2014年度に、着陸料や空港ビルの物販収入をあわせ86億円の黒字を計上しています。全国27の国管理空港では、羽田、那覇に次ぐ3番目に位置する高収益空港です。

国管理の稚内は7億円、釧路は8億円、函館は6億円の赤字を計上しています。この数字を見る限り、民営化の枠組みに入れる空港を増やせば増やすほど、新千歳の黒字が他空港の赤字穴埋めに使われるという構図になりかねません。

一体運営空港を増やすほど、全体の収益力は下がりますので、運営権の売却価格が低くなります。新千歳だけなら運営権売却価格は1000億円を超えるという予測もあるなか、売却額を下げる施策は国民全体の利益と反するかもしれません。

一方、一体運営の空港を増やすことで、新千歳空港以外への航空路線を増やす効果は期待できそうです。新千歳空港の発着枠はすでに満杯に近いので、一体運営で発着便を道内他空港に誘導できれば、北海道全体の利益になるでしょう。

そもそも、現在も、新千歳空港の黒字がそのまま新千歳に全て還元されているわけではないようです。であるなら、道内他空港に還元させるほうがいい、という考え方もあり得るでしょう。

観光客をいかに道央以外に振り向けるか

周辺人口が5万人程度の稚内空港や20万人程度の釧路空港を、地元の需要だけで維持していくのは、今後難しくなります。北海道を訪れる観光客を、いかに道央以外に振り向けるかは、北海道観光の今後の課題とみられます。

高橋知事は道内空港の民営化について「空港の機能強化や道内航空ネットワークの充実といった面で大きく貢献する可能性がある」と指摘したそうです。建設的な形での民営化を期待したいところです。(鎌倉淳)

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