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小田急「ロマンスカー大増強」まとめ。70000系投入、EXEリニューアル、朝ラッシュ・深夜に増便へ

小田急電鉄は、特急ロマンスカーの増強を発表しました。新型車70000系を導入する一方、30000系EXEをリニューアル。複々線化により増便も行います。小田急の発表内容をベースに、各社報道に出ていた内容も含めて、情報をまとめてみました。

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新しいフラッグシップモデル

小田急の特急ロマンスカーには、現在、「LSE/7000形」、「EXE/30000形」、「VSE/50000形」、「MSE/60000形」があります。このうち、とくに人気が高いのが展望車両のあるLSEとVSEです。

今回小田急が導入する新型特急ロマンスカー70000形はLSE7000形の置き換えという位置づけ。展望車両が付いており、ロマンスカーの新しいフラッグシップモデルとなります。車体の塗装にはLSEなどで用いられている赤「バーミリオン」を採用し、小田急の伝統色を守ります。

VSE50000形で復活した連接台車は採用せず、20mボギー車の7両編成。定員は400人と、VSEに比べて42人増やしており、ボギー車による定員確保を重視したようです。

小田急ロマンスカー70000形

高さ1mの連続窓

展望車両は先頭の1・7号車となり、展望席をそれぞれ16席ずつ配置。1・7号車には荷棚を設置せず、客室内も広々とした空間にすることで、眺望をより感じられるようにするそうです。

展望席以外の中間車両からも沿線風景を眺めやすいように工夫。窓の高さを従来の70cmから1mに拡大した連続窓となり、広い眺望を楽しめるようになります。

小田急ロマンスカー70000形

荷物置き場の改善

荷物置き場の改善も、70000形の特徴です。各車両(4号車は除く)の出入口デッキ付近に荷物置き場を設置するほか、座席の下に国内線機内持込みサイズ(55cm×40cm×25cm以内)の荷物を収納できるスペースを作ります。

70000系では、荷棚よりも座席下を荷物の主収納スペースとして考えているようで、こうした車両は、寝台車を除けば日本ではあまり見たことがありません。70000系のもっとも画期的なポイントかもしれません。

日本の鉄道では、スーツケースのような大きな荷物を持ち込むと置き場所に困るのが難点ですが、70000形ではその問題を解消し、外国人観光客にも使いやすくする工夫がみられます。

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Wi-Fiで展望ライブ映像を配信

車内サービスでは、Wi-Fiシステムを導入し、インターネット接続が可能になります。車内コンテンツとして、展望ライブ映像も配信。展望席にいなくても、先頭車両の景観をスマホなどで楽しめる、という趣向です。テーブルも拡大され、電源コンセントも設置されるようです。

洋式トイレは全てウォシュレット。身障者などが利用できるゆったりトイレも設置するほか、授乳などに使える多目的室も設置します。一方で、定員確保のため、カフェラウンジなどは設置されないようです。

小田急ロマンスカー70000形

2018年3月運転開始

安全面の配慮としては、防犯カメラを出入口デッキ部と客室内に置き、乗務員室で客室内の映像をリアルタイムで確認できるようになります。

快適性へ向上策としては、左右の振動を減らす「電動油圧式フルアクティブサスペンション」を編成の全車両に搭載しています。

製造数は7両固定編成が2編成。車両完成は2017年11月、営業運転開始が2018年3月の予定です。主に観光客輸送に使われ、「スーパーはこね」での運用がメインになるようです。

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30000形は「EXEα」に

小田急は、70000形発表と同時に、EXE30000形のリニューアル改造も発表しました。30000形は通勤客輸送も担っている特急車両で、1996年に投入されました。ボギー車10両編成で、4両+6両に分割しての運行が可能なことが特徴です。ロマンスカーの象徴ともいえる展望車両はありません。

30000形は投入から20年を経ており、老朽化が進んできたことにくわえ、高齢化や外国人客の増加など、利用者の変化に対応するためにリニューアルを実施するそうです。7編成ありますが、リニューアルは2017年春から順次実施。完成後の愛称は「EXEα」(エクセ アルファ)に変更されます。

小田急EXEα

ビジネスユースに対応

リニューアルにより、外観は、グレーをメインにした車体に小田急伝統の赤ラインを配色した形に変わります。車内は木目調の内装になり、テーブルと肘掛けを一新。座席のテーブルはノートパソコンを置きやすいように大きめにし、ビジネスユースに対応します。発表はありませんが、コンセントも設置されるとみられます。

小田急EXEα

70000系と同様、外国人対応で、スーツケースの置ける大型収納スペースを設置します。車内のトイレは和式トイレを廃止し、洋式に統一。ウォシュレットを設置します。ゆったりトイレと多目的室、防犯カメラの設置なども、70000系と同様です。最初のリニューアル編成の営業運転開始は2017年3月です。

日常的にロマンスカーを使用している小田急沿線の方には、EXE30000形のリニューアルのほうが大きなニュースかもしれません。

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平日朝の運転本数を増強

気になるのは、これらの車両を投入したダイヤでしょう。小田急電鉄は2018年3月に東北沢~和泉多摩川間の複々線化が完成する予定で、大幅なダイヤ改正を行う予定です。

このダイヤ改正で、小田急では、ロマンスカーの増発と新宿~箱根湯本間の所要時間の短縮などを予定しています。

平日朝には、11本の特急ロマンスカーの運転を予定しており、そのうち7時~8時台に新宿・大手町に到着する特急ロマンスカーを、現行3本から4本増やし、合計7本とします。

平日18時以降では、特急ロマンスカー「ホームウェイ号」を、現行23本から深夜時間帯に1本増加し、合計24本とします。増発される列車は0時台に走るようです。

最近の私鉄各社では、通勤客の「着席ニーズ」に応える施策を次々と打ち出しています。小田急はもともと通勤客向けのロマンスカーを運転しており、こうしたニーズには以前から対応してきましたが、複々線化を機会に、さらに有料指定席の供給を拡大するようです。

最速70分台で箱根湯本へ

観光客の多い土休日は、新宿駅~箱根湯本駅間の特急ロマンスカー「スーパーはこね」の所要時間を、現行の最速80分台から70分台へと短縮します。これも複々線完成による恩恵でしょう。

展望車両があるVSE50000形と70000形は、9時から11時の毎時00分に新宿駅を発車する「スーパーはこね」に集中的に充当するとのことです。

「私鉄特急の雄」はどう変わるか

いうまでもありませんが、ロマンスカーといえば、私鉄特急の雄です。最近、大手私鉄各社で有料座席指定車両の新規導入が相次いでいますが、今回の小田急の発表を見ると先進的で、さすが有料特急運行に一日の長があるな、と感じさせます。

少子高齢化による通勤・通学輸送客の減少を目の前にして、大手私鉄各社がどう変わっていくのか。小田急が一つの形を見せてくれそうです。(鎌倉淳)

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