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ICOCAは「エリアまたがり利用」の時代に。Suicaはどうなる? 

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JR西日本は、同社の交通系ICカード「ICOCA」の利用エリアを大幅に拡大すると発表しました。これまでできなかった、各エリア相互間の「またがり利用」もできるようになります。

一方、JR東日本「Suica」では、エリアをまたがる利用はできないものの、首都圏エリアは広大です。

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大阪~岡山もICOCAで

JR西日本では、2018年夏に、ICOCAエリアを拡大します。山陽本線の相生~和気間4駅と赤穂線の播州赤穂~長船間9駅、北陸本線大聖寺~近江塩津間19駅が、新たにICOCAエリアになります。

これにより、ICOCAの近畿圏エリアと石川・富山エリア、岡山・広島・山陰・香川エリアがつながります。

エリア拡大に先立ち、JR西日本では、ICOCA各エリアをまたがって交通系ICカードを利用できるようにします。大阪~岡山間や京都~福井間なども、1枚のICカードで一度に乗車できるようになります。

ただし、ICOCAで手続き無しに乗車できるのは在来線に限られ、新幹線を利用する場合は「スマートEX」でのチケット購入が必要になります。

ICOCAエリア拡大

第三セクター線には制限

エリア拡大により、ICOCAエリアは東の越中宮崎駅(あいの風とやま鉄道線、富山県朝日町)から西の南岩国駅(山陽本線、山口県岩国市)まで連続することになります。

「またがり利用」が可能になることで、この広大なエリアでおおむね自由にICOCAで乗り降りできるようになります。

ただし、利用区間に第三セクター鉄道のIRいしかわ鉄道線とあいの風とやま鉄道線が含まれる場合、利用できる範囲は現在と同じ越中宮崎~大聖寺間と高岡~新高岡間だけになります。

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距離制限もあり

「またがり利用」には、距離制限が実施されます。原則として営業距離200km以内の区間でしか利用できません。

例外として、大阪近郊区間内の各駅相互間は、これまでどおり200kmを超えても利用できます。米原~相生間の営業距離は219.1kmありますが、米原駅も相生駅も大阪近郊区間内に含まれるため、ICカード利用が可能です。

「サンダーバード」も乗車可能に

「北陸方面(金沢以西)」「白浜・新宮方面」「米子・出雲市方面」のそれぞれの在来線特急列車の停車駅相互間の場合も、200kmを超えて利用できます。「サンダーバード」や「くろしお」「やくも」には、距離にかかわらずICカードで乗車できることになります。

大阪近郊区間内の駅と在来線特急列車停車駅相互間の利用時にもICカードが使えます。例として、尼崎~新宮間などがこれに当てはまります。

一方、新宮~金沢間など、他方面の在来線特急列車停車駅の相互間となる場合で、距離200kmを超える場合、ICカードを利用することはできません。

上記以外の特急列車でも、ICOCAエリア内の距離200km未満では、ICカード乗車できます。

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Suicaは「またがり不可」

一方、JR東日本のSuicaでは、こうした「またがり利用」はできません。

Suicaの利用エリアは、首都圏、仙台、新潟の3つに分かれています。首都圏エリアは広大で、いわき、黒磯、水上、横川、松本、伊東までがエリアに含まれます。

いわき~松本間は446.8kmもあります。Suicaに距離制限はなく、400kmあってもSuicaが使えます。東京都区内からの特急自社運行区間のほぼ全てを、Suicaエリアで網羅していいます。

仙台エリアは、矢吹、原ノ町、愛子、小牛田、古川、石巻の範囲内。新潟エリアは、長岡、吉田、五泉、新発田の範囲内です。

これらのエリアはそれぞれ隔絶しており、エリアをまたがってSuicaを使うことはできません。

Suicaエリア
Suica首都圏エリア。画像:JR東日本ウェブサイト

エリア内前途無効

黒磯~矢吹間といわき~原ノ町間、あるいは水上~長岡間をSuicaエリアに追加すれば、各エリアは一体化します。JR西日本のようなエリア一体化も、やろうと思えばできるでしょう。

ただ、JR東日本の場合、Suicaエリアを大都市近郊区間内に収めています。首都圏エリアは東京近郊区間の範囲内、仙台エリアは仙台近郊区間の範囲内です。ご存じの通り、大都市近郊区間内はきっぷの有効期間1日で、途中下車前途無効です。

仮に首都圏エリアと仙台エリアを統合し、東京・仙台の大都市近郊区間を一体化させたら、東京から仙台までの乗車券が途中下車前途無効になり、有効期間が1日になってしまいそうです。

それは利用者にとって利益ではないでしょう。ならば、これ以上のSuicaエリア拡大はしなくてもいのでは、と思わなくもありません。(鎌倉淳)


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