東急バス最長路線の旅。東京駅から等々力操車所行き「東98」に乗ってみた

乗りバス日記

東急バスの最長路線と言えば、「東98」の東京駅~等々力操車所線。都内でも屈指の長距離バス路線に乗ってみました。

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唯一の都心直通路線

初夏の晴れ渡った東京駅丸の内南口。午後の静かなバスターミナルに入ってきた東急バス「都98」等々力操車所きに乗車します。

東急バス東京駅~等々力操車所

東急バスは東京都と神奈川県に広いネットワークを持つバス会社ですが、山手線内に深く入り込むのはこの一路線のみ。唯一の都心直通路線です。

かつては東京都交通局(都バス)との共同運行でしたが、2013年に都バスが撤退しました。以来、東急バスが単独運行を続けていて、平日の日中はおおむね毎時3~4本が運転されています。

データ

路線名:東急バス「東98」
区間:東京駅丸の内南口~等々力操車所
距離:15.2km
停留所数:41
所要時間:約1時間10分
運転本数:平日下り48本、上り54本。土休日下り42本、上り45本(区間運転除く)
運賃:220円
使用車両:三菱ふそうエアロスター(乗車時)

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東京タワーを仰ぎ見て

車両は2015年式のエアロスター。東京駅から乗車したのは筆者含めて4名です。2人は観光客らしく地図を持っていて、もう一人は仕事帰り風情のご婦人。東京駅周辺で仕事を終えて帰るところかな、と想像してしまいます。

東急バス東京駅~等々力操車所

バスは東京国際フォーラムの横を抜けて、霞ヶ関へ。経済産業省前からお役人らしき二人組の男性が乗り、二つ先の停留所で降りていきました。歩ける距離だとは思いますが、汗ばむ陽気のなか、上手にバスを使いこなしています。

右手に東京タワーを仰ぎ見て、港区の上品なエリアを走っているうちに、少しずつ車内の席が埋まっていきます。白金高輪のタワーマンションを望み、清正公前交差点を右折すると、目黒通りが始まります。「東98」は、この先、目黒通りをひたすら走ります。

東急バス東京駅~等々力操車所

座席がだいたい埋まったと思ったら、目黒駅で大半が降りてしまいました。仕事帰り風情のご婦人も降車。東京駅から目黒駅なら、大手町から地下鉄に乗ったほうが便利だろうに、とは思いますが、空いているバスのほうがラクなのかもしれません。東京駅から目黒駅まで、バスなら約30分、地下鉄なら15分くらいです。

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目黒通りを進む

目黒駅を出ると目黒区に入ります。沿道の建物の背が低くなり、脇道の奥に小洒落た住宅街が広がります。大鳥神社から碑文谷付近は、鉄道駅からやや離れていて、バスの利便性が高い区間です。そのためか、バスは頻繁に停留所に停まり、数人の乗り降りがあります。長い距離を乗る人は少なく、身近な交通機関として活用している様子が感じられます。

乗り降りが大きかったのは、都立大学駅北口。目黒駅前~等々力間で、鉄道駅と連絡するのはここだけです。目黒通り沿いのどっしりした停留所で、都立大学駅はこのエリアの路線バス網の要衝になっています。

東急バス東京駅~等々力操車所

等々力操車所

自由が丘を過ぎると世田谷区。玉川神社前の先、目黒通りは高架になって環八に向かいますが、「東98」は側道に逸れます。東急大井町線の手前で右に折れ、等々力の市街地に。等々力で筆者以外の乗客を全員降ろして、終点の等々力操車所に到着しました。東京駅を出発してから、約1時間20分かかりました。

予定より7~8分遅れましたが、道路が混雑する都内を1時間以上走るバスですので、こんなものでしょう。

等々力操車所は、住宅街のなかにある小規模な折り返し施設です。バスが4台並べばいっぱいというサイズで、そこに4路線が折り返してきますので、ひっきりなしに出庫と入庫を繰り返します。乗ってきた「東98」のバスも、10分もしないうちに東京駅南口行きとなって出立していきました。

東急バス東京駅~等々力操車所

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乗りごたえ十分

それにしても、東京のど真ん中のターミナルで乗ったら、郊外の住宅街の小さなバス折り返し所まで運んでくれるというのは、不思議な感覚です。今回は訪れませんでしたが、近くには等々力緑地があり、渓谷を散策できます。都心と郊外をダイレクトに結ぶ、東京では貴重なバス路線です。

走行路は等々力周辺を除けば片側2車線以上で、隘路を走るおもしろみはありません。しかし、都心のビル街から住宅街に移っていく車窓の変化は、まずまず楽しめます。1時間という距離は十分で、乗りごたえのあるバス路線でした。(鎌倉淳)

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