さようならサロベツ線。沿岸バス「豊富~稚咲内」が廃止へ

最果てのバス路線

北海道の豊富駅と稚咲内とを結ぶ、沿岸バスのサロベツ線が廃止になります。道北の原野を走る、最果て感漂う名路線が、61年の歴史に幕を閉じます。

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豊富~稚咲内14.2km

沿岸バスのサロベツ線は、豊富駅~稚咲内第二間の14.2kmを結ぶ路線バスで、所要時間は19分です。サロベツ原野を横断し、利尻富士を望める港町までをつなぐ路線です。

同路線について、沿岸バスは、2021年3月31日を以て運行系統を廃止すると発表しました。廃止日は4月1日です。

廃止にともない、豊富西5条5丁目、西豊富、サロベツ湿原センター前、サロベツ原生花園、豊徳、稚咲内第1、稚咲内第2の各バス停が廃止となります。

サロベツ線路線図
画像:沿岸バスプレスリリース

1960年運行開始

サロベツ線は、1960年に運行を開始しました。途中、サロベツ原生花園に立ち寄ることから、道北の観光路線としての機能があり、1980年代には沿岸バスが夏季6往復、冬季4往復を運行。このほか、宗谷バスが稚内~豊富駅~稚咲内の路線を2往復させていて、稚咲内には1日8往復のバスが発着していました。

しかし、近年は利用者が減少。宗谷バスは撤退し、沿岸バスが地元自治体の補助金を受けながら、夏季3往復、冬季2往復を運行するのみとなっていました。そしてついに、3月31日を以て、全便が廃止となり、61年の歴史に幕を閉じます。

代替交通については、いまのところ発表がありません。

稚咲内第2

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札幌から日帰り可能

北海道の最果て感の漂う景色が楽しめる、バスファンにはおなじみの名路線でした。お別れ乗車に行きたい方も多いと思いますが、何しろ1日2便しかないので、遠方からの旅行者の乗車方法は限られます。

豊富駅発は09時15分と13時50分で、札幌から日帰りできるのは午後便のみ。往復鉄道利用の場合は、以下のようになります。

札幌07:30→(特急宗谷)→12:00豊富13:50→14:09稚咲内第2 14:20→14:39豊富18:25→(特急宗谷)→22:57札幌

東京~稚内の航空便が運休中のため、首都圏からサロベツ線にお別れ乗車に行くには、少なくとも道内2泊が必要になりそうです。

なお、沿岸バスの公式ツイッターによりますと、3月6日より、サロベツ線の乗車証明書を配布する予定とのことです。

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