東急田園都市線の鷺沼駅が、大きく変わりそうです。東急は、駅前の再開発と連携し、駅の改良工事に着手することを発表しました。
再開発ビルと直結する地下改札口を新設し、ホームへの連絡通路も整備します。これにより、鷺沼駅の「名物」ともいえる、改札階とホーム階との高低差が緩和されそうです。
大規模な再開発
東急田園都市線鷺沼駅では、大規模な再開発事業が計画されています。商業施設、住宅、公共施設、交通広場を含む複合的な開発で、中核となる駅前街区には図書館や大ホールなどを含めた32階建てのビルが建設される予定です。

駅前街区から道路を挟んだ北街区には、区役所などが入る19階建てのビルが計画されています。竣工予定は駅前街区が2031年度、北街区が2035年度です。
地下1階に新改札口
東急電鉄では、この再開発計画と連携し、鷺沼駅改良工事に2025年冬頃から着手することを発表しました。
まず、再開発ビルの地下1階に直結する改札口を新設します。地下改札口は、再開発ビルの地下1階につながり、バスターミナルや北街区にアクセスできます。
これにより、駅と交通広場とをつなぐ動線が整備され、鉄道とバス・タクシーなどの乗り換えがスムーズになります。

高低差も緩和
地下1階改札口から駅構内へは、連絡通路を整備し、エスカレータ―やエレベーターでホームと接続します。
鷺沼駅ホームは堀割形状の底にあり、現改札口とホームとの間には2階分の高低差があります。そのため、ホームからは、長いエスカレーターなどで跨線橋に上る必要がありました。
地下1階の新改札口は、現改札階とホーム階の中間の高さになりますので、連絡通路の整備により、ホームから1階分を上がるだけで改札階に到達できるようになります。鷺沼駅の「名物」ともいえる、改札階とホーム階の高低差が緩和されることになるわけです。
地下改札口からは、地下通路で再開発ビルやバスターミナルに行けますので、旅客の利便性は大きく高まるでしょう。
南北自由通路も新設
地上部分には、駅を南北につなぐ自由通路を新設します。自由通路は現在の改札階の跨線橋と並行に作られるようで、改札口に隣接します。
自由通路には商業施設を整備します。このほか、旅客トイレの増設やリニューアルをおこないます。
駅改良工事の完成予定は、駅前街区の開業と同時期の2031年度です。
存在感が高まりそう
鷺沼駅は東急田園都市線の急行停車駅で、緩急接続が可能な2面4線の設備を擁します。ただ、隣にたまプラーザという中核駅があるため、ややカゲが薄い印象もありました。
しかし、駅前に大きな再開発ビルが建ち、交通結節点機能が強化されることで、今後も田園都市線の基幹駅として、存在感を高めていきそうです。(鎌倉淳)