2022年以降に開業する鉄道新線まとめ。あの大型新線にもうすぐ乗れる!

まずは西九州新幹線

2022年からは、西九州新幹線をはじめとして鉄道新線の開業が相次ぎます。新春企画として、これから開業しそうな鉄道新線計画をまとめてみました。駅名は一部仮称です。

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西九州新幹線

2022年に開業が予定されている鉄道新線は西九州新幹線です。武雄温泉~長崎間66.0kmが建設中で、2022年秋の開業を予定しています。途中、嬉野温泉、新大村、諫早の3駅を設置します。

西九州新幹線は新鳥栖~武雄温泉間をフリーゲージトレインで結ぶ計画で着工しましたが、車両開発に失敗し暗礁に乗り上げました。そのため、開業時は、武雄温泉駅で在来線特急と乗り継ぐリレー方式になります。

新鳥栖~武雄温泉間は、与党がフル規格での整備を求めていますが、佐賀県は応じておらず、開業は見通せません。

西九州新幹線かもめ
画像:JR九州

長崎新幹線
画像:長崎県

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相鉄・東急新横浜線

2022年度には、相鉄・東急新横浜線(相鉄・東急直通線)の開業も予定されています。相模鉄道の羽沢横浜国大から新横浜を経て日吉に至る路線で、羽沢横浜国大~新横浜間が「相鉄新横浜線」、新横浜~日吉間が「東急新横浜線」となります。

2019年11月に開業した相鉄・JR直通線と同じく、神奈川東部方面線の一部です。開業予定時期は2022年度下期とされていて、2023年3月が有力です。

公表されている運行計画では、相鉄方面からの東急線への直通列車を1日102~138本運行します。

ピーク時は相鉄線から毎時10本程度、さらに毎時4本程度の新横浜駅始発の列車を運転。合計14本の列車うち、東横線直通が4本程度、目黒線直通が10本程度となるようです。日中時間帯は、相鉄から東急への直通が毎時4本程度、新横浜発が毎時2本程度運転されます。

二俣川~目黒間の所要時間は約38分。新横浜~渋谷は約30分です。新横浜へのアクセスが劇的に改善しますので、相鉄沿線のみならず東急沿線でも利用価値が高い路線です。2022年度待望の大型新線といえそうです。

相鉄新横浜線
画像:相鉄ホームページより
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福岡地下鉄七隈線

同じく2022年度には、福岡市営地下鉄七隈線の博多延伸も開業予定です。天神南から、キャナルシティ博多付近を通り博多に至る1.4kmです。天神南から国体道路を進み、祇園町西交差点ではかた駅前通りに入ります。途中、キャナルシティ博多付近に櫛田神社前駅を設けます。

開業予定時期は当初2020年度とされていましたが、道路陥没事故などの影響で遅れ、2022年度に延期されました。こちらも2023年3月頃の開業が有力です。

七隈線エリアから博多駅へのアクセスが改善する、期待の新線です。

櫛田神社前駅地図
画像:福岡市報道発表

宇都宮ライトレール

2022年度には宇都宮ライトレール(宇都宮LRT)も開業を迎えます。

宇都宮ライトレールは、栃木県宇都宮市と芳賀町が主体となって整備を進めている路線で、宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地の約14.6kmが建設中です。自動車道路との併用区間が約9.4km、鉄道車両のみ走行する専用区間が約5.1kmで、停留所は合計19箇所です。

「LRT」として全線新設される路線としては日本初。「路面電車」という括りでみても、ゼロから新規開業するのは昭和のモータリゼーション以降、初めてのことでしょう。その点で非常に画期的な新路線です。こちらも開業は2023年3月が有力です。

宇都宮ライトレール
画像:宇都宮ライトレール

宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地まで所要時間は約44分、運賃は400円です。朝6時台から夜23時台まで運行し、ピーク時6分間隔、日中10分間隔の予定です。

将来的にはJR線を高架で跨ぎJR宇都宮駅西口から桜通り十文字付近までの延伸を計画しています。その先、大谷観光地付近までの延伸も検討されています。

宇都宮LRT延伸
画像:宇都宮LRTパンフレットより

宇都宮LRT延伸
画像:宇都宮LRTパンフレットより

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東海道線支線地下化

2023年春には、JR西日本の東海道線支線地下化も実現します。大阪市北区豊崎~福島区福島までの2.7kmを地下化し、大阪駅北地区(うめきた)の地下に新駅を設け、おおさか東線などが乗り入れます。

この新駅はJR大阪駅の一部となり、地下道で既存ホームと連絡します。大阪駅では西端部に新たな改札口を開設する予定で、新駅の開業にあわせ2023年春にオープンします。おそらくは、2023年3月ダイヤ改正時にあわせた開業となるでしょう。

関空特急「はるか」や紀勢線特急「くろしお」もうめきた新駅を経由します。「はるか」や「くろしお」の「大阪駅停車」が実現することになり、キタと大阪府南部・和歌山方面を直結します。

うめきた新駅
画像:JR西日本

岡山路面電車

2023年春には、岡山電気軌道の路面電車の延伸も実現します。延伸といってもわずかで、岡山駅前の停留所を岡山駅前広場に移設し、JR線との乗り換え利便性を向上させるものです。

岡山電気軌道の岡山駅前電停は、JR駅ビルから市役所筋を挟んだ東側にあります。ここから軌道を西(駅方向)に約100m延ばし、岡山駅東口駅前広場内に乗り入れさせる形で、駅前広場を整備します。

JRの駅ビル前に、2面3線のホームを備えた電停を新設。JR岡山駅東口を出て電停までの距離は現在の約180mから約40mに短縮します。

岡山駅前広場路面電車乗り入れ
画像:岡山市

岡山市の路面電車に関しては、環状化を含む7ルートの延伸計画もあります。2020年にとりまとめられた「路面電車ネットワーク計画案」によりますと、短期的に整備する路線として挙げられたのが、大雲寺前電停から岡山芸術創造劇場を経て西大寺町電停に至るルート(下図4)です。実現時期などは未定ですが、完成すれば一部で環状(袋状)の運転となりそうです。

岡山路面電車延伸案
画像:岡山市
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北陸新幹線

2023年度には、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業を迎えます。総延長は125km。途中、小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、越前たけふの5駅を設けます。開業後、福井~東京間は2時間53分で結ばれます。

もともとは2022年度の開業予定でしたが、工事の遅延で2023年度末(2024年春)に繰り下がりました。

北陸新幹線地図
画像:鉄道・運輸機構

その先、敦賀~新大阪間もおおまかなルートが決定し、東小浜付近、京都、松井山手付近、新大阪に駅ができます。敦賀~新大阪間は143km。敦賀以南は環境アセスの段階で、着工時期や開業時期は未定です。2022年度に詳細なルート案が公表される見通しです。

北大阪急行線

2023年度には、北大阪急行線の延伸工事も完成する予定です。千里中央~箕面萱野間の2.5kmで、途中に箕面船場阪大前駅を設けます。当初は2020年度開業予定でしたが、3年延期となり、2024年春の開業が見込まれています。

運行本数は、ピーク時・オフピーク時とも、北大阪急行線の「全数乗り入れ」を想定しています。箕面萱野~梅田間の所要時間は24分です。

北大阪急行延伸
画像:北大阪急行

大阪メトロ中央線

2024年度には、大阪メトロ中央線の夢洲延伸が実現しそうです。コスモスクエア~夢洲間の約3kmが開業します。

2025年の大阪万博決定を受け、そのアクセス鉄道として整備しています。そのため、大阪万博が開催される2025年5月3日より前に開業することが求められています。2024年度末にあたる、2025年春の開業が有力でしょう。

夢洲
画像:大阪メトロ
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広島電鉄駅前大橋線

2024年度末には、広島電鉄の駅前大橋線も開業予定です。広島電鉄の広島駅電停が駅ビル内に入り、そこから高架線で駅前大橋へと伸びる新線ができあがります。

その先、稲荷町交差点を経て比治山町交差点までが、駅前大橋線開業後の新線区間です。新線開業後は、広島駅~駅前大橋線~稲荷町~紙屋町方面が「本線」になります。

また、稲荷町~比治山下が「比治山線」(皆実線)となります。稲荷町~的場町~比治山下は「循環線」に組み込まれます。広島駅~猿猴橋町~的場町間は廃止となります。

2020年10月に工事着手しており、2025年春の開業を予定しています。

広島電鉄駅前大橋ルート
画像:国土交通省

ひたちなか海浜鉄道湊線

同じく2024年度頃に延伸が予定されているものの、遅延が予想されているのが、ひたちなか海浜鉄道湊線です。一時は廃止も議論されたローカル私鉄ですが、第三セクター化されてから経営が持ち直し、阿字ヶ浦~国営ひたち海浜公園間3.1kmの延伸を計画しています。

阿字ケ浦駅から北上し、海浜公園の南側外周に沿って進み、公園中央口を超えて公園西口付近を終点とします。途中駅は、阿字ヶ浦の土地区画整理地付近に1駅が設けられます。

2021年1月に事業許可を取得したものの工事着手は遅れていて、2022年1月とされている工事施工認可の申請期限を2023年3月末に延期すると伝えられています。約1年程度の遅れは不可避となり、早くても2025年度の開業になりそう。実際はもう少し遅くなりそうです。

ひたちなか海浜鉄道延伸
画像:国土交通省
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大阪モノレール

2029年に開業予定とされているのが、大阪モノレールの延伸です。大阪モノレールは、大阪空港~門真市間を結ぶ路線ですが、さらに門真市~瓜生堂間の9.0kmの延伸が計画されています。2020年4月1日に工事施行認可を受け、工事に着手しています。

途中、門真南、鴻池新田、荒本の3駅を設置します。軌道はおおむね中央環状線に沿って建設し、終点瓜生堂の北には、中央環状線の未利用地を使って車庫を設置します。

門真南駅では地下鉄鶴見緑地線と接続。鴻池新田駅ではJR学研都市線と接続。荒本駅では近鉄けいはんな線と接続。瓜生堂駅では近鉄奈良線と接続します。瓜生堂に近鉄の駅はありませんが、モノレール延伸にあわせて設置される予定です。

大阪モノレール
画像:大阪府

羽田空港アクセス線

2029年度には、JR東日本が計画している大型新線・羽田空港アクセス線も開業予定です。

東海道貨物線の一部を旅客化しつつ、新線も建設し、羽田空港から東京駅、上野駅、渋谷駅、新宿駅、新木場駅などに直通列車を運行する構想です。

計画では、羽田空港の国内線第1ターミナルと第2ターミナルの間に「羽田空港新駅」を設け、東京貨物ターミナルまでアクセス新線を建設します。そこから田町駅への「東山手ルート」、大井町駅への「西山手ルート」、東京テレポート駅への「臨海部ルート」の3ルートを建設します。将来的には国際線ターミナルへの延伸も検討します。

このうち「アクセス新線」と「東山手ルート」12.4kmの整備事業について、国土交通省が2021年1月に鉄道事業を許可しました。開業予定は前述のとおり2029年度で、2030年春が有力でしょう。

運転本数は毎時8本、1日144本(72往復)を予定しています。おおむね15分間隔での運転を想定しています。

羽田空港アクセス線東山手ルート
画像:「羽田空港アクセス線(仮称)整備事業」環境影響評価調査計画書より
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アストラムライン

時期ははっきりしませんが、アストラムライン(広島高速交通)延伸も、2020年代後半に開業しそうです。

アストラムラインの延伸計画は、現在の終点の広域公園前駅から、五月が丘団地、石内東開発地を経由し、己斐中央線という道路を通り、西広島駅に接続するものです。延伸区間の路線延長は約7.1kmで、「新交通西風新都線」と名付けられました。

6駅を新設します。広域公園前~石内東開発地までに3駅、その先2駅を、導入空間となる己斐中央線に設置します。残る1駅は西広島駅です。

広島市では、2020年度までに環境影響評価や都市計画法、軌道法の手続きを終え、測量に着手しています。

事業は広域公園前~石内東間と、石内東~西広島駅間で分けて進めます。石内東までの部分開業予定が令和一桁代後半で、西暦に直せば2024-2027年頃になります。石内東~西広島間の開業は令和10年代初頭で、2028-2030年になると見込まれています。

さらに平和大通りを経て本通に戻る環状線構想もありますが、現時点で事業化が決定しているのは、西広島までです。

アストラムライン延伸
画像:広島市

伊予鉄道松山市内線

同じく時期がはっきりしないものの、2020年代後半に完成しそうなのが伊予鉄道松山市内線の延伸です。市内線の路面電車を、松山駅の西側まで延伸する計画です。JR松山駅前停留所付近から、国道196号線(松山環状線)との交点にあたる南江戸まで新線を建設します。

JR松山駅周辺では、予讃線の高架化を含む「松山駅周辺整備事業」が行われています。これにあわせて、路面電車を駅前広場に引き込み、さらに駅西側の南江戸まで延伸させます。

新路線は、JR松山駅停留所付近から、東西駅前広場を通り、予讃線の高架下を抜けて、駅西側に至ります。駅前広場については、歩行者と自転車、路面電車のみが通行する道路(トランジットモール)となります。一般車両は通行できません。JR松山駅の高架下付近に路面電車の停留所が設けられ、対向式2面2線のホームを備えます。

伊予鉄道松山市内線
画像:松山市

計画の中核となるJR松山駅付近連続立体交差事業は2024年度の完成予定で、松山駅周辺の土地区画整理事業は2026年度の完成予定です。そのため、路面電車の南江戸延伸も、その頃に実現する可能性があります。

松山市内線は、その先、松山空港までの延伸計画もありますが、こちらは構想段階です。

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熊本市電

熊本でも市電の延伸計画があります。現在の市電の終点・健軍町から新市民病院まで約1.5kmを延伸するものです。

健軍町から県道熊本高森線を東へ向かい、自衛隊熊本病院や陸運支局などの横を通り熊本市民病院へ至ります。2021年3月に基本設計が公表され、概算事業費が135億円と明らかにされました。

新型コロナウイルス感染症の影響で設計に遅れが出ていますが、事業期間は7年を見込んでおり、順調にいけば2030年前後には開業できそうです。

熊本市電延伸
画像:熊本市
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リニア中央新幹線

現在進行中の鉄道計画で最大のプロジェクトは、なんといってもリニア中央新幹線です。

品川~名古屋間285.6kmに、途中、神奈川県駅(橋本駅)、山梨県駅(甲府市大津町)、長野県駅(飯田市上郷飯沼)、岐阜県駅(美乃坂本駅)の4駅を設置します。開業後は、品川~名古屋間を約40分で結びます。

開業予定は2027年とされていますが、大井川水源問題などで静岡工区が未着工となっていて、予定通りの開業は絶望的です。JR東海は新たな開業予定を示していませんが、早くても2030年代前半になるでしょう。

その先、名古屋~大阪間に関しては2045年の開業を予定していましたが、財政投融資の活用により最大8年前倒しされ、名古屋開業の10年後となりました。つまり、2027年名古屋開業を前提とすれば2037年に開業ということです。

実際には、名古屋開業の遅延が決定的なので、大阪開業も遅れることになりそうです。

リニア中央新幹線
画像:JR東海

次ページでは、2030年代以降に開業しそうな新線計画をご紹介。北海道新幹線やなにわ筋線、東京メトロ有楽町線、南北線などが目白押しです。

次ページに続きます]

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