根室線・富良野~新得間、2024年3月末で廃止。沿線自治体が正式同意

赤線区が全て廃止に

JR根室線・富良野~新得間の2024年3月末廃止が正式に決まりました。東鹿越~新得間は不通のまま廃線となり、富良野~東鹿越間も運行を終了します。

広告

2024年3月31日最終運行

JR北海道の根室線について話し合う根室本線対策協議会役員会が2023年3月30日に開かれ、沿線自治体の首長が富良野~新得間81.7kmの廃止について正式に同意しました。廃止日は2024年4月1日で、3月31日が最終運行となります。

廃止にあわせて、JR北海道が沿線自治体に計20億9000万円を支払うことも決まりました。内訳は、バス運行支援金が18億1000万円、まちづくり支援金が2億8000万円です。まちづくり支援金は、富良野市、南富良野町、占冠村、新得町の廃止区間の沿線自治体に各7000万円ずつ支払われます。

この日の会議には、根室線沿線の首長とその代理、JR北海道の綿貫泰之社長などが出席。廃止区間となる4市町村とJR北海道が支援の覚書を交わし、滝川市、赤平市、芦別市を含む7市町村が廃止への同意書を提出しました。

根室線富良野駅

広告

赤線区が全て廃止に

廃止となる富良野~新得間のうち、東鹿越~新得間は2016年8月の台風10号で被災し、不通のまま代行バスの運行が続いています。この区間は、復旧しないまま7年半を経て廃止されることになります。

不通区間には、映画『鉄道員』のロケで有名になった「幾寅駅」もあります。映画では廃止を目前に控えた駅という設定でしたが、現実には、災害不通で列車が来ないまま路線図から姿を消すという、映画にもない厳しい終幕を迎えます。

これにより、JR北海道が2016年に「単独で維持するのが困難な線区」として提示した線区のうち、特に利用者が少ない輸送密度200人未満の、いわゆる赤線区の5区間が全て廃止されます。

JR北海道は、北海道新幹線並行在来線の函館線・函館~小樽間についても、北海道新幹線開業時に同社から切り離します。それ以外の線区については廃止方針を示しておらず、現時点では、沿線自治体の支援を得ながら存続する方針です。(鎌倉淳)

広告
前の記事「路線バスで鬼ごっこ!」第8弾が4/5放送。春香、マークパンサーが首都圏で対決!
次の記事大手私鉄、有料着席サービスの拡充続く。京王、京阪が車両増備へ