長崎恐竜博物館が2021年にオープン。ティラノザウルスの化石も

国内3つめの恐竜博物館

長崎市が恐竜博物館を開設します。市内で大型恐竜の化石が見つかったことなどを受けて、資料の管理や調査をする施設を建設するものです。恐竜をテーマにした博物館は、福井、熊本につづき全国で3館目です。

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日本有数の恐竜化石の産地

白亜紀後期、長崎は大陸と地続きで、恐竜を初めとした動物が渡ってきていました。長崎半島の西岸には、白亜紀後期の地層「三ツ瀬層」が分布しており、2004年5月に大型草食恐竜のハドロサウルス科の膝部分の骨の化石が発見されています。

2013年度には、長崎市と福井県立恐竜博物館が共同で発掘調査を開始。2015年にティラノサウルス科の大型恐竜の歯の化石が国内で初めて発見されています。これまでに、約20点の恐竜の歯や骨の化石が見つかっており、長崎半島は日本有数の恐竜化石の産地として知られるようになりました。

これを受けて、長崎市は化石を保管、展示し、調査する博物館の設置を検討。このほど、野母崎総合運動公園水泳プール跡地に博物館の建設を決めたものです。長崎市の西南に延びる長崎半島の先っぽあたりで、軍艦島(端島)を望む場所です。

長崎恐竜博物館
画像:長崎市

見学施設も充実

建設される博物館の仮称は「長崎恐竜博物館」。「長崎恐竜博物館基本構想」によりますと、博物館には650平米の常設展示室や、500平米の企画展示室を設置。行動や研修室、図書閲覧室も備えます。

展示内容の詳細は未発表ですが、常設展示のテーマは、以下のように定められました。

1. 長崎の大地:地球の成り立ちや長崎の岩石などを紹介
2. 生命の記録:生命史の大きな流れを紹介
3. 恐竜の時代:長崎市の恐竜を中心に紹介
4. 燃える石の時代:長崎市の石炭を中心に紹介
5. 現代の恐竜:恐竜の子孫である鳥類を中心に紹介

研究・保管設備はオープンラボとして、来館者が見学できるようにします。さらに、野外調査地を整備し、体験イベントなどを実施するとしています。

長崎恐竜博物館の総工費は約17億4000万円。2019年度に建設に着手し、開館予定は2021年10月です。

建設予定地の野母崎総合運動公園は、長崎駅から約24km。クルマで約40分、バスでは1時間近くかかります。交通至便な場所ではありませんが、2022年度に予定されている長崎新幹線開業後の人気観光施設の一つになるかもしれません。(鎌倉淳)

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