東京・渋谷二丁目の宮益坂上近くに、高速バスターミナルを新設します。空港リムジンバスや高速バスなどが発着します。
渋谷二丁目西地区
渋谷駅周辺では大規模な再開発が行われていますが、宮益坂上付近の渋谷二丁目西地区でも再開発計画があり、このほど、環境影響評価書案の縦覧が開始されました。
これは、宮益坂上から渋谷クロスタワー周辺にかけておこなわれる再開発です。
渋谷ヒカリエの東、宮益坂と青山通りに挟まれた三角地帯をA街区、青山通りと六本木通りに挟まれたクロスタワーに隣接する区域をB街区、区道931号を挟んだ位置をC街区とし、それぞれ高層ビルなどを建設します。
41階建て高層ビル
都市計画素案によりますと、最大規模となるのはB街区で、地上41階、地下4階の高層ビルを建設します。敷地面積1万2800平方メートル、延床面積25万5000平方メートルで、主な用途は事務所。そのほか、ホテル、店舗、バスターミナルなどを設置します。
C街区にも地上41階、地下2階の高層ビルを建設。敷地面積4,300平方メートル、延床面積6万3000平方メートルで、主な用途は住宅。生活支援施設なども設置します。
ヒカリエと隣接するA街区には、地上5階、地下1階のビルを建設します。敷地面積1,700平方メートル、延床面積は4,200平方メートルで、主に店舗が入ります。
首都高出入口に近接
旅行者にとって気になるのは、バスターミナルでしょう。計画によると、約5,000平方メートルの敷地に、5バースのバスターミナルを設置し、空港リムジンバス、高速乗合バス、貸切観光バスなどの発着場とします。
渋谷マークシティや渋谷フクラスにも空港バスや高速バスの停留所はありますが、それぞれ2バース、1バースなので、渋谷二丁目西地区のバスターミナルは、渋谷最大規模の高速バスターミナルとなります。
渋谷二丁目西地区は、首都高速渋谷出入口に近く、大橋ジャンクションを経て中央環状線に出入りができます。そのため、空港リムジンバスの場合、羽田空港まで20分程度で到着できそうです。
名古屋や大阪といった東名方面の高速バスの発着にも適していて、東京の高速バスの西の玄関口の役割を担いそうです。
駅からはやや遠い
一方で、利用者の視点でみると、新しいバスターミナルは渋谷駅からはやや離れています。しかも駅からみると宮益坂の上にありますので、不便に感じるかもしれません。
ただ、渋谷駅周辺の再開発は歩行者デッキの整備に力を入れていて、渋谷駅から宮益坂上へも、ヒカリエデッキが設置されています。バリアフリーにも配慮されていますので、距離や標高差の割には、移動しやすい形になりそうです。
バスターミナルには、待合スペースやパウダールームを備え、高速バス利用者の需要に応えたものになります。
バスターミナルが入るビルの着工は、2025年度、完成は2029年度の予定です。まだ先の話ですが、渋谷からの高速バス利用が便利になりそうです。(鎌倉淳)