海遊館で1頭だけ飼育されていた、日本最高齢のラッコが永眠しました。これにより、海遊館ではラッコの展示がなくなり、日本の水族館でラッコ展示を行っている施設がまたひとつ減りました。
海遊館で誕生
亡くなったのは、海遊館のラッコの「パタ」(21歳、メス)です。海遊館のウェブサイトによりますと、2017年10月3日頃から体調に変化があり、8日からバックヤードで24時間体制でケアを続けましたが、10月10日に老衰により死亡したとのことです。
パタは1996年に海遊館で誕生し、国内の水族館生まれのラッコでは最高齢でした。一般にラッコの寿命は15~20歳だそうで、パタは天寿を全うしたといえそうです。
パタが亡くなったことで、海遊館ではラッコの展示が行われなくなりました。
7施設11頭に
かつては日本各地の水族館で展示されていたラッコですが、最近ではその姿を見ることは少なくなっています。
ハフィントンポスト2017年05月11日付によりますと、ピーク時に28施設122頭いた国内のラッコは、5月時点で8施設12頭にまで減っているとのこと。パタが亡くなったことで、海遊館では展示が行われなくなり、7施設11頭となりました。
現時点でラッコを飼育している水族館は以下の通りです。
・アクアワールド茨城県大洗水族館
・新潟市水族館マリンピア日本海
・のとじま水族館
・鳥羽水族館
・神戸市立須磨海浜水族園
・アドベンチャーワールド
・マリンワールド海の中道
絶滅危惧種に指定
国内の水族館でラッコの数が減っていることは、これまで折に触れて報じられてきていますので、ご存じの方も多いと思います。とくに、2016年2月に、サンシャイン水族館でラッコの展示が終了したときには、ちょっとした話題になりました。
ラッコが水族館で減っている理由として、朝日新聞2016年2月25日付では、水族館で繁殖させ世代を重ねるうちに、野生の本能がうすれ交尾に消極的になったことと、高齢化が進み、繁殖が難しい15歳以上が半数になったことを上げています。
野生のラッコも数が減っていて、2000年には国際自然保護連合から絶滅危惧種に指定されました。そのため、海外からの輸入も難しくなっているそうです。
まだ若いラッコもいますし、繁殖も続けられているので、日本の水族館からすぐにラッコ姿を消すことはなさそうです。ただ、見られる施設がかなり限られてきているのは間違いありません。(鎌倉淳)