JR東日本「2020年度輸送密度」を分析する。公表区間を細分化した意味は?

新型コロナで深刻に

JR東日本が2020年度の線区別の輸送密度を公表しました。新幹線はおおむね対前年比30%台と低迷。首都圏の通勤路線も60%台にとどまり、新型コロナウイルス感染症の影響で深刻な落ち込みとなっています。また、今回から、公表区間を以前より細分化していますが、その意味も気になるところです。

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JR東日本2020年度輸送密度

JR東日本が、2020年度の線区別の輸送密度(平均通過人員)を公表しました。新型コロナウイルス感染症の影響で、各路線とも利用者が激減。対前年度比の輸送密度は大きく落ち込みました。

まずは、JR東日本の2020年度線区別輸送密度を一覧でご覧いただきましょう。比較のため、2019年度と、対2019年度比を掲載しておきます。

JR東日本2020年度輸送密度(人/日)
路線名 区間 2019年度 2020年度 対前年
度比
東北新幹線 東京~大宮 170,123 59,128 35%
大宮~宇都宮 114,893 41,489 36%
宇都宮~福島 83,291 26,260 32%
福島~仙台 65,550 22,878 35%
仙台~一ノ関 40,355 14,880 37%
一ノ関~盛岡 33,254 12,258 37%
盛岡~八戸 16,608 6,593 40%
八戸~新青森 11,244 4,516 40%
上越新幹線 大宮~高崎 102,386 40,797 40%
高崎~越後湯沢 28,411 8,815 31%
越後湯沢~新潟 21,224 7,312 34%
北陸新幹線 高崎~長野 40,139 15,013 37%
長野~上越妙高 22,260 8,144 37%
山手線 品川~田端(新宿経由) 1,121,254 720,374 64%
埼京線 池袋~赤羽 747,326 514,038 69%
東海道本線 東京~大船、品川~鶴見 など 667,013 452,775 68%
大船~小田原 200,738 140,212 70%
小田原~熱海 43,062 25,301 59%
横浜線 東神奈川~八王子 228,441 158,813 70%
総武本線 東京~千葉、錦糸町~御茶ノ水 427,304 296,659 69%
千葉~佐倉 102,255 65,659 64%
佐倉~成東 18,929 12,986 69%
成東~銚子 6,815 4,683 69%
根岸線 横浜~大船 174,991 132,514 76%
南武線 川崎~立川 204,955 148,630 73%
尻手~浜川崎 8,421 7,730 92%
京葉線 東京~蘇我 市川塩浜~南船橋 179,786 116,090 65%
中央本線 神田~高尾 678,404 448,960 66%
高尾~大月 42,677 20,402 48%
大月~甲府 28,031 11,967 43%
甲府~小淵沢 15,791 7,232 46%
小淵沢~塩尻(みどり湖経由) 13,670 7,239 53%
岡谷~辰野 3,021 2,499 83%
辰野~塩尻 547 362 66%
武蔵野線 府中本町~西船橋 167,516 122,695 73%
高崎線 大宮~熊谷 195,824 133,068 68%
熊谷~高崎 47,033 28,935 62%
東北本線 東京~大宮、
赤羽~大宮(武蔵浦和経由)
636,098 446,909 70%
大宮~古河 155,366 102,717 66%
古河~宇都宮 48,033 29,720 62%
宇都宮~黒磯 16,391 12,845 78%
黒磯~新白河 2,923 2,620 90%
新白河~郡山 7,028 5,837 83%
郡山~福島 11,211 8,711 78%
福島~白石 6,471 4,798 74%
白石~岩沼 15,913 11,851 74%
岩沼~仙台 47,333 35,847 76%
仙台~松島・高城町 26,272 19,629 75%
松島~小牛田 9,908 7,567 76%
小牛田~一ノ関 2,424 2,050 85%
一ノ関~北上 4,581 3,956 86%
北上~盛岡 11,814 9,961 84%
岩切~利府 5,627 4,309 77%
青梅線 立川~拝島 190,704 140,281 74%
拝島~青梅 79,061 59,755 76%
青梅~奥多摩 3,715 2,897 78%
常磐線 日暮里~取手 358,897 249,780 70%
取手~土浦 91,484 53,159 58%
土浦~勝田 46,355 26,382 57%
勝田~高萩 29,977 21,894 73%
高萩~いわき 8,950 6,099 68%
いわき~原ノ町 ※2 – 1,286
原ノ町~岩沼 3,924 3,148 80%
横須賀線 大船~逗子 126,774 89,390 71%
逗子~久里浜 25,049 19,267 77%
川越線 大宮~川越 88,600 64,296 73%
川越~高麗川 19,722 14,306 73%
外房線 千葉~蘇我 207,567 150,323 72%
蘇我~茂原 68,884 49,301 72%
茂原~勝浦 6,791 4,604 68%
勝浦~安房鴨川 1,543 1,017 66%
相模線 茅ヶ崎~橋本 29,412 21,093 72%
五日市線 拝島~武蔵五日市 24,113 18,236 76%
仙石線 あおば通~東塩釜 43,798 33,065 75%
東塩釜~石巻 7,803 5,400 69%
内房線 蘇我~君津 56,624 41,879 74%
君津~館山 3,599 2,711 75%
館山~安房鴨川 1,596 1,245 78%
鶴見線 鶴見~扇町、海芝浦、 大川 14,113 11,555 82%
白新線 新発田~新潟 15,696 11,025 70%
伊東線 熱海~伊東 16,156 9,344 58%
成田線 佐倉~成田 42,894 21,693 51%
成田~佐原 8,517 6,143 72%
佐原~松岸 3,038 2,343 77%
成田~我孫子 17,664 11,701 66%
成田~成田空港 25,144 6,359 25%
両毛線 小山~足利 9,921 6,954 70%
足利~桐生 4,457 2,842 64%
桐生~伊勢崎 9,962 7,190 72%
伊勢崎~新前橋 20,619 14,693 71%
篠ノ井線 塩尻~松本 24,300 15,605 64%
松本~篠ノ井 8,809 5,259 60%
信越本線 篠ノ井~長野 27,079 20,613 76%
直江津~犀潟 3,837 2,892 75%
犀潟~長岡 3,418 2,326 68%
長岡~新津 11,012 8,362 76%
新津~新潟 27,136 21,058 78%
高崎~横川 4,348 3,198 74%
仙山線 仙台~愛子 24,724 17,432 71%
愛子~羽前千歳 3,374 1,917 57%
八高線 八王子~拝島 31,705 22,689 72%
拝島~高麗川 15,275 10,220 67%
高麗川~倉賀野 2,994 1,672 56%
東金線 大網~成東 7,911 5,249 66%
水戸線 小山~友部 6,730 4,679 70%
越後線 柏崎~吉田 719 618 86%
吉田~内野 7,339 5,930 81%
内野~新潟 22,760 16,892 74%
上越線 高崎~新前橋 40,541 26,841 66%
新前橋~渋川 14,107 9,767 69%
渋川~水上 3,746 2,709 72%
水上~越後湯沢 1,010 687 68%
越後湯沢~六日町 2,879 1,610 56%
六日町~宮内 3,615 3,052 84%
越後湯沢~ガーラ湯沢 618 414 67%
日光線 宇都宮~鹿沼 8,314 5,644 68%
鹿沼~日光 4,184 2,595 62%
左沢線 北山形~寒河江 4,697 3,997 85%
寒河江~左沢 875 742 85%
奥羽本線 福島~米沢 8,985 2,701 30%
米沢~山形 10,358 4,740 46%
山形~新庄 5,366 3,603 67%
新庄~湯沢 416 212 51%
湯沢~大曲 1,704 1,171 69%
大曲~秋田 7,578 3,938 52%
秋田~追分 10,340 8,435 82%
追分~東能代 2,916 2,152 74%
東能代~大館 1,485 1,012 68%
大館~弘前 1,165 701 60%
弘前~青森 7,540 5,231 69%
田沢湖線 盛岡~大曲 6,703 2,553 38%
大糸線 松本~豊科 9,229 7,280 79%
豊科~信濃大町 3,777 3,047 81%
信濃大町~白馬 762 511 67%
白馬~南小谷 215 126 59%
弥彦線 弥彦~吉田 521 395 76%
吉田~東三条 2,927 2,436 83%
男鹿線 追分~男鹿 1,781 1,543 87%
吾妻線 渋川~長野原草津口 2,803 1,891 67%
長野原草津口~大前 320 236 74%
羽越本線 新津~新発田 1,300 1,148 88%
新発田~村上 5,367 3,493 65%
村上~鶴岡 1,695 697 41%
鶴岡~酒田 2,109 1,245 59%
酒田~羽後本荘 977 645 66%
羽後本荘~秋田 2,339 1,769 76%
水郡線 水戸~常陸大宮 5,157 4,261 83%
常陸大宮~常陸大子 830 608 73%
常陸大子~磐城塙 152 109 72%
磐城塙~安積永盛 952 796 84%
上菅谷~常陸太田 2,540 2,184 86%
烏山線 宝積寺~烏山 1,430 1,148 80%
磐越西線 郡山~会津若松 2,904 1,638 56%
会津若松~喜多方 1,790 1,509 84%
喜多方~野沢 534 429 80%
野沢~津川 124 69 56%
津川~五泉 528 408 77%
五泉~新津 3,921 3,325 85%
磐越東線 いわき~小野新町 273 196 72%
小野新町~郡山 2,242 1,835 82%
石巻線 小牛田~女川 1,193 953 80%
鹿島線 香取~鹿島サッカースタジアム 1,207 952 79%
小海線 小淵沢~小海 450 283 63%
小海~中込 1,164 978 84%
中込~小諸 3,387 2,880 85%
久留里線 木更津~久留里 1,425 1,023 72%
久留里~上総亀山 85 62 73%
八戸線 八戸~鮫 2,640 2,015 76%
鮫~久慈 454 333 73%
陸羽東線 小牛田~古川 3,714 2,818 76%
古川~鳴子温泉 949 666 70%
鳴子温泉~最上 79 41 52%
最上~新庄 343 289 84%
大船渡線 一ノ関~気仙沼 754 514 68%
飯山線 豊野~飯山 1,696 1,444 85%
飯山~戸狩野沢温泉 503 416 83%
戸狩野沢温泉~津南 106 77 73%
津南~越後川口 405 359 89%
釜石線 花巻~遠野 897 575 64%
遠野~釜石 583 328 56%
五能線 東能代~能代 975 761 78%
能代~深浦 309 177 57%
深浦~五所川原 548 383 70%
五所川原~川部 1,507 1,202 80%
津軽線 青森~中小国 720 604 84%
中小国~三厩 107 107 100%
花輪線 好摩~荒屋新町 418 334 80%
荒屋新町~鹿角花輪 78 60 77%
鹿角花輪~大館 537 524 98%
米坂線 米沢~今泉 776 641 83%
今泉~小国 298 248 83%
小国~坂町 169 121 72%
大湊線 野辺地~大湊 533 288 54%
只見線 会津若松~会津坂下 1,122 1,009 90%
会津坂下~会津川口 179 141 79%
会津川口~只見 27 15 56%
只見~小出 101 82 81%
北上線 北上~ほっとゆだ 435 327 75%
ほっとゆだ~横手 132 72 55%
気仙沼線 前谷地~柳津 ※4 232 189 81%
陸羽西線 新庄~余目 343 163 48%
山田線 盛岡~上米内 358 236 66%
上米内~宮古 154 80 52%

※1:期間内に運転を見合わせていた路線・区間、振替バス輸送等を行っている路線・区間は参考値。
※2:一部で運転を見合わせている区間は非開示。(「-」と記載)
※3:振替バス輸送を行っている区間は、定期券及び回数券利用者のみ計上。
※4:前谷地~柳津間は、BRT利用者も一部計上。

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新幹線が大激減

対前年度比が最低となったのは、成田線「成田~成田空港」。2019年度は25,144あった輸送密度が、2020年度は6,359に激減しました。対前年度比は25%となり、7割以上の旅客が消失したことになります。いうまでもなく、新型コロナウイルス感染症で国際線の運航本数が激減したことの影響です。JR東日本の各線区で20%台となったのは「成田~成田空港」のみです。

対前年度比で減少が目立ったのは新幹線。東北新幹線の「東京~大宮」が35%など、多くの区間が30%台に沈みました。新型コロナウイルスの影響で減ったのは、通勤客よりも中長距列車客といわれますが、それが数字にはっきり表れています。

E5系

鶴見線が堅調

在来線では、中央本線が対前年度比40%の区間が多く、低迷しています。こちらも特急「あずさ」をはじめとした中長距離客が多い路線です。同様の特急街道の常磐線は、「取手~勝田」が50%台と低迷したものの、全体的には中央本線より堅調でした。常磐線特急は、中央線特急に比べ、「不急不要」の観光客の割合が低いからかもしれません。

首都圏の通勤路線は、山手線が64%、中央線「神田~高尾」が66%など、おおむね60%~70%程度です。通勤・通学の利用者は、3割程度消失したことがわかります。

ただし、京浜工業地帯への通勤路線である鶴見線は82%、南武線「尻手~浜川崎」は92%と高めの数字で、工場のように在宅勤務に向かない通勤客が多い路線では、比較的踏みとどまったと言えそうです。

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