明治神宮外苑の再開発がついに始まります。神宮球場と秩父宮ラグビー場を建て替えるほか、高層ビルなどを建設します。詳細をみてみましょう。
神宮球場と秩父宮ラグビー場を入れ替えて
東京都は、明治神宮外苑の再開発事業を2023年2月17日で認可しました。これを受けて、三井不動産などは、再開発事業に着手します。
再開発事業は、老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場を解体し、場所を入れ替えて建て直すのが大きな柱です。
伊藤忠は高層ビルに
現在の神宮第二球場付近に新ラグビー場を建設し、秩父宮ラグビー場付近に新野球場を建設します。
現在の神宮球場付近は複合ビルや文化交流施設などになります。聖徳記念絵画館前の軟式グランドなどがあるエリアは、広場やテニス場として整備します。
さらに、青山通りに面した伊藤忠東京本社ビルと伊藤忠ガーデンを、地上38階建ての高層ビルに建て替えます。
神宮第二球場解体から着手
建て替えは、競技の継続性に配慮して行われます。まず、神宮第二球場を解体し、跡地に新ラグビー場を建設します。そして秩父宮ラグビー場を解体し、その跡地に新野球場を建設します。最後に神宮球場を解体するという手順です。
新球場はホテル併設で、地上14階建て、高さ60メートルです。隣接して地上40階建て、高さ185mの高層ビル(複合棟A)を建設します。
ラグビー場と野球場の間(現神宮球場付近)には地上18階建てのビル(複合棟B)を建て、室内球技場や宿泊施設などが入ります。選手の試合前やオフシーズンの利用、部活動や大会などのイベント利用などを想定します。
いちょう並木は維持
神宮球場の跡地には、約1.5ヘクタールの中央広場を配置します。
地区全体を南北に貫く「みどりの散策路」を設置し、4列のいちょう並木も維持します。
聖徳記念絵画館前の広場の再整備とあわせて、いちょう並木から聖徳記念絵画館を望む景観は継承します。
再開発により、既存の樹木743本を伐採しますが、新たに植樹もおこないます。合計樹木本数は既存1,904 本に対し、開発後は1,998 本となる見込みです。
完成時期は、ラグビー場が2028年、野球場が2032年。再開発全体の完成は2036年を見込みます。明治神宮外苑は、これから十年余に及ぶ、工事の季節に入ります。(鎌倉淳)