ホーム 航空 大手航空会社

ANA国内線単価、新運賃で伸び悩み。26年度上半期決算、JALとの差が鮮明に

旅客数は維持したものの

ANAの国内線航空券の単価が伸び悩んでいます。2026年度上半期(4~9月)の決算によると、ANAの客単価は前年同期比0.9%増にとどまり、JALの8.2%増を大きく下回りました。ANAは5月に新運賃制度を導入し、単価の引き上げを図ってきましたが、その成果が明確に出ているとはいえないようです。両社の決算を比較してみます。

広告

ANAは客単価4.2%増、JALは9.5%増

ANAが2026年10月29日に発表した上半期決算によると、国内線の第2四半期(7~9月)の客単価は17,323円で、前年同期比4.2%増でした。

一方、JALが11月2日に発表した同期間の客単価は18,313円で、前年同期比9.5%増となりました。上昇率には5.3ポイントの差があります。

イールド(旅客1人を1km運んだ際の収入)はANAが21.5円で、前年同期比4.7%増。JALは23.9円で、同10.0%増でした。

旅客数はANAが1193万2000人で前年同期比3.2%減、JALが986万5000人で同1.8%減でした。旅客数の減少率はANAのほうが大きくなっています。

この結果、国内線旅客収入はANAが2067億円で前年同期比0.9%増にとどまったのに対し、JALは1806億円で同7.6%増となりました。

ANAは旅客数の減少を客単価の上昇で補うのが精一杯で、旅客収入はほぼ横ばいでした。一方、JALも旅客数は減少したものの、客単価を大幅に引き上げ、増収につなげました。

羽田空港JALとANA

広告

新運賃制度で単価下落

ANAは2026年5月19日搭乗分から、国内線の運賃制度を刷新しました。

従来の「ANA FLEX」「ANA VALUE」「ANA SUPER VALUE」などの運賃体系を改め、「シンプル」「スタンダード」「フレックス」の3種類を中心とする体系に変更しました。

新制度では、空席状況などに応じて柔軟に価格を設定できるようにし、客単価の引き上げを目指しました。

しかし、導入直後の第1四半期(4~6月)は、客単価が前年同期比2.7%減、イールドも3.2%減となりました。

ANAは第1四半期の単価下落を受け、新運賃の特徴に合わせてイールドマネジメントを見直しました。こうした取り組みによって、第2四半期で、単価を持ち直すことにはある程度成功した形です。ただ、JALに比べると、上昇率では課題の残る結果となりました。

広告

上半期全体でも単価に大きな差

上半期(4~9月)全体で比較すると、両社の国内線の実績は以下のようになりました。

2026年度上半期の国内線実績(前年同期比)

・客単価:ANA +0.9%、JAL +8.2%
・イールド:ANA +1.0%、JAL +8.2%
・旅客数:ANA +0.0%、JAL -2.2%
・旅客収入:ANA +1.0%、JAL +5.8%

ANAの客単価は16,407円、イールドは20.4円でした。これに対し、JALの客単価は17,098円、イールドは22.4円となりました。

旅客数はANAが2257万4000人で、JALは1869万8000人。旅客収入はANAが3703億円、JALが3197億円です。

ANAは上半期全体で旅客数を維持したものの、単価の引き上げは小幅にとどまりました。一方、JALは旅客数を減らしながらも、単価を引き上げることで大幅な増収を実現しています。

両社は路線構成が異なるため、客単価の水準を単純に比較することはできません。ただ、前年同期からの伸び率を見ると、価格戦略で成果を出したのはJALといえるでしょう。

ANAは新運賃制度への移行期に単価が下落し、第2四半期には持ち直しました。しかし、JALと比べると伸び悩みが鮮明で、単価向上という視点では、新制度の成果は限定的だったといえそうです。(鎌倉淳)

広告