北陸鉄道が浅野川線、石川線の上下分離を求める。経営の厳しさ訴え

情報開示の必要も

北陸鉄道が上下分離を求める姿勢を示しました。今後、地域公共交通活性化再生法に基づく協議会で議論されます。

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石川中央都市圏地域交通協議会

金沢市と周辺4市2町(金沢市・白山市・かほく市・野々市市・津幡町・内灘町)は、地域公共交通活性化再生法に基づく石川中央都市圏地域交通協議会を結成しました。

この協議会は、赤字が続く北陸鉄道浅野川線と石川線の今後のあり方などについて議論するのが主な目的です。その第1回会合が、5月26日に開催されました。

会合の席上で、北陸鉄道は、新型コロナの影響で高速バスと貸切バス事業の売上げが減少し、その収益で支えてきた鉄道路線を、同社単独で維持することが困難になったと説明。鉄道設備の維持管理と運行を分離する、上下分離への移行を要望しました。

協議会は2023年2月をめどに地域公共交通計画を策定しますが、北陸鉄道の要望を受けて、同鉄道の支援の位置づけを検討します。

北鉄金沢駅

1億円に減資

北陸鉄道の2022年3月期の連結決算は、最終損益が約10億円の赤字(前期は約20億円の赤字)でした。

売上高にあたる営業収益は85億円で、前期比10%増ですが、130億円以上だったコロナ禍前に比べると6~7割程度にとどまります。収入の柱だった高速バスの利用が低迷しているのが響いています。

5月19日には、資本金を約18億円から1億円に減資することも発表。運賃値上げを検討していることも明らかにしています。

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情報不足で

民鉄を上下分離して存続させることを決めた事例としては、近江鉄道があげられます。近江鉄道も法定協議会を開いて議論した結果、沿線自治体が施設を保有して存続することが決まりました。ただ、結論に行き着くまで長い議論があり、近江鉄道側の情報開示不足が指摘される場面もありました。

北陸鉄道も、今後、上下分離に向けた議論が行われますが、やはり情報公開不足が気になります。北陸鉄道のウェブサイトを見ても決算情報などは見当たらず、路線の収支状況や輸送密度などもわかりません。

会議の席上で、「まずは北陸鉄道の自助努力が大切だ」といった意見も出たようですが、これまでの情報開示が不十分であったのならば、各路線の厳しさが地元に伝わっておらず、こうした意見が出るのもやむを得ないのではないか、という気がします。

輸送密度は?

鉄道統計年報を基に筆者が計算したところ、石川線の2019年度の輸送密度は1,882人キロ、浅野川線は3,749人キロです。この数字と、その意味を地元住民に伝えることが、まずは議論の出発点かもしれません。

ちなみに、近江鉄道の同年度の輸送密度は、全線平均で1,790人キロでしたので、それよりは利用状況が良さそうです。

上下分離による鉄道維持は、多額の税金を長年にわたり投入する一大事業です。北鉄が厳しい経営状況を訴えて公的資金の投入を求めるのであれば、納税者たる市民に対しても、きちんと情報開示をしていく必要がありそうです。(鎌倉淳)

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