小樽市長が「バス転換を視野」。函館線・余市~小樽間も存続困難に

ニセコ、黒松内も受け入れ

北海道新幹線の並行在来線問題で、小樽市長がバス転換を視野に入れる姿勢を表明しました。小樽市として正式に方針を決定すれば、函館線・余市~小樽間の存続が困難になります。

広告

ニセコ、黒松内もバス転換へ

北海道新幹線は、新函館北斗~札幌間で延伸工事が進められています。延伸にあわせて、並行在来線である函館線・函館~小樽間287.8kmがJR北海道から経営分離される予定で、この区間を鉄道として残すか、バス転換をするかが焦点になっています。

このうち、長万部~小樽間について、沿線9市町のうち、仁木町、共和町、倶知安町、長万部町が2021年12月末までにバス転換受け入れを表明。1月に入り、ニセコ町と黒松内町も、住民説明会を経てバス転換支持の方向が固まりました。余市町は鉄道存続を支持しており、方針が明確でないのは小樽市と蘭越町の2市町となっていました。

函館線H100形

「山線」全面廃止へ

これについて、小樽市の迫俊哉市長は1月31日の定例記者会見で、「バス転換を視野に入れた動きを進めたい」と述べ、バス転換の方向性を示しました。

今後、住民説明会が残っていることもあり、迫市長は「決定ではない」としました。ただ、毎年5億円の赤字が見込まれることなどを理由に存続が難しいことを指摘。国やJRが支援しない状況下で、小樽市と余市町、北海道が主体となって第三セクター鉄道を運営することが困難であるという見解を表明した形です。

小樽市がバス転換受け入れを正式表明した場合、余市~小樽間の鉄道部分存続もきわめて困難になります。他に鉄道存続を主張する自治体もないことから、長万部~小樽間の「山線」全線が、北海道新幹線開業にあわせて廃止となりそうです。(鎌倉淳)

広告
前の記事「京成線ワンデーパス」を2月に発売。成田スカイアクセス線も乗り放題!
次の記事神立スノーリゾートは「超機能的日帰りスキー場」。湯沢エリアで利用者数トップに!【ゲレンデ・レビュー】