神立スノーリゾートは「超機能的日帰りスキー場」。湯沢エリアで利用者数トップに!【ゲレンデ・レビュー】

客層も超若い

神立スノーリゾートは新潟県の湯沢地区にあるスキー場です。近年人気が急上昇し、2020-2021年シーズンには、湯沢エリアの利用者数でトップに立ちました。その魅力はどこにあるのでしょうか。ゲレンデを訪れてみました。

広告

人気急上昇

神立スノーリゾートは、越後湯沢駅の南約2kmにあるスキー場です。総面積130ヘクタール、リフト数6本という中規模ゲレンデです。

開業はバブル前夜の1986年。この時期に開業した多くのスキー場と同じく、バブル崩壊後の経営は厳しく、運営者は二転三転。2018年に宇野康秀氏が率いる株式会社MEリゾート湯沢が運営権を取得しました。同社は株式会社神立スノーリゾートと改称し、現在も運営にあたっています。

湯沢町の観光統計によれば、コロナ前の2018-2019年シーズンの利用者数は約21万人。70万人を誇る苗場の足元にも及ばず、30万人クラスのかぐら、GALA湯沢、岩原の後塵を拝す5番手でした。

ところが、新型コロナ禍に襲われた2020-2021年シーズンに約19万人の利用者を集め、かぐら、岩原の約18万人、GALAの約14万人、苗場の約12万人を抑えて、湯沢エリアトップに立ちました。

湯沢町スキー場利用者数(人)
スキー場名 20-21シーズン 18-19シーズン 比率
神立スノーリゾート 199,390 213,290 93%
かぐらスキー場 185,400 355,900 52%
岩原スキー場 180,600 318,500 57%
GALA湯沢スキー場 145,400 335,730 43%
苗場スキー場 122,020 707,950 17%
湯沢中里スノーリゾート 110,520 163,900 67%
NASPAスキーガーデン 60,400 86,020 70%
湯沢高原スキー場 40,030 91,710 44%
中里スノーウッドスキー場 21,230 66,840 32%
湯沢パークスキー場 10,740 36,940 29%
一本杉スキー場 1,680 11,410 15%

出典:湯沢町観光統計

他のスキー場が新型コロナの影響で長期休業に追い込まれたりしたため、神立が相対的に順位を上げた側面はあります。それでも、この厳しい状況で利用者数をコロナ前から微減にとどめたのは驚きといっていいでしょう。

その理由を明らかにする、というわけではありませんが、エリアトップに立った神立スノーリゾートを訪れてみました。

神立スノーリゾート

2020年にリニューアル

1月下旬の平日、11時頃に越後湯沢駅に到着。神立スノーリゾートへのシャトルバスに乗車します。午前遅い時間とはいえ、乗車したのは筆者を含め4名。「ああ、今日はガラガラかな」と思いつつ、センターハウス「グランドベース」に到着しました。

神立スノーリゾート

神立スノーリゾートは、機能的なセンターハウスで知られています。運営がMEリゾートに変わった後、2020年シーズンに大規模リニューアルを実施したので、外観も内装もまだ新しいです。

神立スノーリゾート

1階が更衣室・ロッカー、2階がリフト券売り場、3階がレンタルとなっていて、日帰りの利用者は一つずつ階段を上がってゲレンデに出る仕組み。

更衣室は広く、ロッカーは300円で使える小型から800円の大型まで選択肢が豊富。荷物の総量にあわせてロッカーの大きさを選べるので使いやすいです。

3階のレンタルの横には100円のシューズロッカーもあります。レンタルを済ませたあと、1階更衣室のロッカーに戻る必要がなく、これも便利でしょう。

神立のセンターハウスは、「GALA湯沢に匹敵する日帰り施設」と聞いていましたが、訪れてみると、なるほどと思わせます。GALAと違って同一平面で全てが完了しませんが、利用者動線を重視して機能的に作られています。

デザインも洗練されていて、手入れも行き届き清潔です。

広告

充実した初級コース

神立スノーリゾートのゲレンデは、主に中腹に配置されています。山麓の「グランドベース」からリフトで中腹に上がると、そこがメインゲレンデ。平日なのに利用者は多く、1週間前に訪れたGALA湯沢に引けを取りません。越後湯沢駅からのバスの利用者は少なかったですが、午前11時に新幹線で来る人が珍しいだけのようでした。

中腹のレストハウス「ミッドベース」正面には、幅広のメインコース「ポルックス」が広がります。コース幅は広く、斜面は平均10度となだらかです。全長1,100mと適度な距離で、初級者が腕を磨くのに最適でしょう。中上級者の足慣らしにも良さそうです。

神立スノーリゾート

ポルックスに向かって左手を見上げると、難コースとして知られる「ヘラクレス」。最大40度、平均34度のコブ斜面です。コブ好きな人に大人気だそうですが、筆者は遠慮しました。

神立スノーリゾート

中腹以上のリフトは4本あり、平日も稼働しているのはDリフトを除く3本。人気なのはCリフトで、ミッドベースとゲレンデ上部をつなぐクワッドです。これに乗ると、主なコースをだいたい滑ることができます。ヘラクレスのような上級コースだけでなく、手頃な中級コースも滑れますし、「プロキオン」という初級コースで滑り降りることもできます。

このプロキオンは、よくある「初級と称した林道コース」と違い、ゲレンデ上部から中腹まで、適度な幅と斜度で滑り降りることができます。ポルックスと合わせて、滑り応えのある初級者コースを構成していますので、スキー、スノボを始めて間もない人も楽しめるゲレンデになっています。

神立スノーリゾート
画像:神立スノーリゾートウェブサイトより
広告

山頂にも難コース

Eリフトに乗ると、標高1,000mの白板山頂に到達できます。山頂からは「オリオン」という、これまた名の知られた難コースがあり、最大45度、平均37度。上級者にとっては、適度な幅と斜度で「練習に最適!」だそうですが、筆者のように腕に自信のない人には絶壁にしか見えません。

神立スノーリゾート

筆者は、中級の「スバル」というコースで降りました。越後の山並みを見下ろす気持ちのよい眺望コースですが、幅の狭い尾根筋で、平均24度という斜度もあり、滑り降りるには注意が必要。一歩間違えると、オリオンに転落してしまいそうでおっかないです。中級なら、中腹からの「シリウス」のほうが楽しめます。

神立スノーリゾート

広告

若者グループに最適

神立スノーリゾートは大規模とまではいえないスキー場ですが、初級、中級、上級がそれぞれのレベルで練習できる、滑り応えのある斜面が揃っています。

Cリフトを使えば、どのレベルでも楽しめるコースが待っているので、腕前の異なる人が集まったグループメンバーが、全員一緒にリフトに乗ることができるでしょう。こうしたリフトを備えたスキー場は案外少ない気がします。

必然的に人気がCリフトに集まりますが、機動力のある高速クワッドですし、土休日はほぼ並行するDリフトも稼働します。レベルのばらつきが大きい若者グループが、仲良く滑るのに適したスキー場と頷かずにはいられません。

神立スノーリゾート

GALAと比べると

実際、客層は際立って若く、スノーボーダー率も高いです。平日に訪れたからかも知れませんが、7~8割はスノーボーダーで、その多くは10~20代の学生と見受けられました。筆者のようなおっさんが一人でスキーで滑っていると、居心地が悪いくらいです。

同じ日帰り主体のスキー場であるGALA湯沢と比較すると、GALAは平日でも社会人と見受けられる利用者が主体で、「若い」利用者でも20代半ば以上が多い印象です。新幹線利用を前提に作られたスキー場なので、時間がないけれど経済力に余裕がある人が選びやすいからでしょう。

対する神立は学生と見受けられる利用者が多く、GALAよりも低年齢の若者で賑わっています。19歳がリフト券無料になる「雪マジ!19」に参加していることも理由かもしれません。

神立は、日帰り客向けの機能的なセンターハウスを備え、GALAにはない仮眠施設も充実させていますので、バスやクルマで訪れ仮眠して、早朝から滑りまくることができます。営業時間も長く、土休日は早朝7時から営業。平日でも8時スタートです。週末には深夜2時までのナイターもあり、まさに体力のある若者向けのスキー場といえます。

広告

フードコート形態の食堂

中腹のレストハウス「ミッドベース」のレストランを訪れてみると、スキー場によくある「大食堂」が見当たりません。

食事メニューごとに店舗が分かれるフードコート形式になっていて、ラーメンの「山小屋あじと」、どんぶりの「山の食堂ひびき」、ピザやパスタの「リ・マーク」、そば・うどんの「リへー」などと分けています。最近の高速道路のサービスエリアを思わせます。

大食堂で「麺コーナー」や「どんぶりコーナー」と掲示されるよりも、専門店の雰囲気を漂わせるほうが、より美味しそうに感じられるという工夫でしょうか。筆者は「リ・マーク」のパスタを食べてみましたが、味はよかったです。もちろん、お値段はスキー場価格ですが。

神立スノーリゾート

広告

集客力高く

現在の神立スノーリゾートを一言でまとめると、若者向けの「超機能的な日帰りスキー場」といったところでしょうか。早朝・深夜営業や、合理的なリフト配置には以前から定評がありましたが、2020年のリニューアルで、機能的かつ清潔なセンターハウスを整えて集客力を高めました。

越後湯沢駅や関越道湯沢インターからも近く、アクセスの利便性が高いことも魅力です。

辛口な評価も付け加えると、中上級レベルには滑れるコースのバリエーションが少なく、半日程度で飽きそうです。何度も回したくなるような気持ちのいいロングコースもありません。この規模のゲレンデに全てを求めるのは無理なので、これらは仕方ないことです。

湯沢地区には、苗場やかぐらといったビッグゲレンデがあるので、神立がコロナ後も地区ナンバーワンを維持するのは、正直なところ難しいでしょう。それでも、日帰り客を重視した機能的なスキー場としての地位は確立しているようで、当分、人気は続きそうです。(鎌倉淳)

広告