東南アジアのASEAN加盟全10カ国で、ビザの事前取得なしに旅行できるようになります。10カ国のうち最後まで観光目的の入国にビザの事前取得を求めていたミャンマーが、2018年10月にも観光ビザ免除に転じるためです。
カンボジアとミャンマーのみ
バックパッカー全盛の1990年代、東南アジアを周遊するにはビザ情報の確認は欠かせませんでした。タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピンなどはビザなしで入国できましたが、ベトナムやラオス、ミャンマーなどは事前に大使館を訪れるなどして、ビザを取得して旅をしていたものです。
しかし、少しずつ各国とも、日本人旅行者に対するビザ規制を緩和してきました。最新のASEAN加盟各国の観光目的渡航のビザ要件は以下の通りです。
・タイ 30日以内の滞在はビザ免除
・マレーシア 90日以内の滞在はビザ免除
・シンガポール 14日もしくは30日以内の滞在はビザ免除
・ベトナム 15日以内の滞在はビザ免除
・カンボジア ビザは必要だが、空港などで30日間のアライバルビザ取得可能
・ラオス 15日以内の滞在はビザ免除
・フィリピン 30日以内の滞在はビザ免除
・ブルネイ 14日以内の滞在はビザ免除
・インドネシア 30日以内の滞在はビザ免除
・ミャンマー 入国には観光ビザが必要
※情報は「地球の歩き方」ウェブサイトより。ビザ免除の要件は省略しています。渡航の際はご自身でお確かめください。
ご覧の通り、東南アジア10カ国で入国にビザが必要な国はカンボジアとミャンマーのみ。カンボジアは空港での簡単な手続きでアライバルビザが取得できますので、ビザの事前取得が求められているのは、ミャンマーだけとなっていました。
2018年10月よりビザ免除
そのミャンマーも、ようやく観光ビザを免除する方針を固めたようです。現地報道によりますと、2018年10月より、日本人と韓国人に対し観光ビザを免除することが決まったとのこと。
ただし、詳細は明らかにされていません。すべての入国地点でビザが免除になるのか、ヤンゴン空港のみの措置なのか、滞在期間の長さなど、気になる点は残されています。
ヤンゴン空港に到着した日本人客は、2017年に113万人だそうです。ミャンマーの観光当局は、ビザ免除により30~50%程度の観光客増を見込んでいるとのこと。免除は当面1年間の期間限定だそうですが、問題がなければ延長される可能性が高そうです。
東南アジアは、もともと日本人にとって旅行しやすいエリアですが、ミャンマーのビザ免除が実施されれば、さらに周遊旅行がしやすくなりそうです。これを機会に、ミャンマーの黄金のパゴダを見に行ってはいかがでしょうか。(鎌倉淳)