DeNAが旅行事業から撤退。エボラブルアジアがDeNAトラベルを買収へ

有為転変は世の習いですが

DeNAが同社の旅行部門であるDeNAトラベルを売却します。譲渡先はエボラブルアジア。DeNAは全株式を売却することで、旅行部門から撤退することになります。

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2018年3月期で赤字転落

DeNAトラベルは、1990年代に格安旅行で名を馳せたエアーリンクトラベルが発祥です。創業者の瀧本泰行氏が2006年に全株式をDeNAに売却、その子会社となりました。

2008年にはスカイゲートと合併、地球の歩き方T&Eより海外航空券販売事業を譲り受けるなどして業容を拡大します。2015年に現社名となりました。

オンライン旅行会社として急成長している印象があった同社ですが、最近は業績が低迷していたそうです。2018年3月期の売上高は前年比6.5%減の約56億円で、約19億円の純損失を計上して赤字転落となりました。

DeNAとしては事業整理の一環として、エボラブルアジアからの買収提案に応じ、DeNAトラベルの売却を決断。旅行事業から撤退することになりました。株式譲渡実行日は2018年5月31日の予定で、譲渡金額は12億円です。

DeNAトラベル

旅行業界トップ10入り

エボラブルアジアによると、同社は国内航空券で最大手のオンライン旅行会社で、2018年9月期の連結取扱高は約700億円を見込んでいます。一方のDeNA トラベルは海外航空券・海外旅行分野に強く、2018年3月期の連結取扱高は約700億円となっています。

国内に強いエボラブルアジアが、海外に強いDeNAトラベルを吸収することで、同社は取扱高1,400億円の総合オンライン旅行会社となる見込みです。

ちなみに、2016年度の統計では、取扱高1,400億円というのは、業界9位の東武トップツアーズ(約1,390億円)に近い数字です。これにより、エボラブルアジアは、統計上で、旅行業界のトップ10入りを果たすことになります。

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時代の変化の速いこと

取扱高1,000億円超というのは、旅行会社として準大手規模と表現して差し支えないと思います。オンライン旅行会社首位の楽天トラベル(取扱高5,568億円)には及ばないものの、ネットで予約する旅行会社として、エボラブルアジアは上位企業の地位を固めることになりそうです。

それにしても、エアーリンクやスカイゲートといった、格安旅行系の旅行会社がDeNAに買収され時代の変化を感じたのが、つい最近に思えます。有為転変は世の習いとはいえ、時代が変わるのは早いものです。(鎌倉淳)

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