妙高杉ノ原スキー場は、2026-27シーズンに単独のシーズン券や早割券、前売券を販売しないと発表しました。駐車場を縮小し、来場者数を絞る方針を示しています。ゲレンデサイドではホテル建設に向けた工事が進んでおり、今シーズンは利用環境が大きく変わります。
シーズン券、早割を販売せず
妙高杉ノ原スキー場は2026年9月17日、2026-27シーズンについて、「より快適なゲレンデ環境を維持するため」販売商品を一部見直すと発表しました。
見直しの対象となるのは、全日、平日、50時間の各シーズン券と、早割リフト・ゴンドラ券、前売リフト・ゴンドラ券です。これらの販売を取りやめます。
2025-26シーズンは、全日シーズン券を大人71,000円、50時間券を54,000円で販売していました。平日シーズン券も早割期間限定で設定していました。

斑尾との共通券も発売
一方、新たに「斑尾&杉ノ原共通 5Days Snow Pass」の販売を予定します。斑尾高原スキー場・タングラムスキーサーカス共通のマウンテンパスと、妙高杉ノ原スキー場を選択して利用できる共通5日券で、詳細は今後発表します。
妙高ツーリズムマネジメントが販売する「Mt.Myokoスーパーシーズン券」は、例年通り杉ノ原でも利用できます。
駐車場は「コンパクトな運営」
妙高杉ノ原では、駐車場についても運営方法を変更します。ゲレンデ付近に第1~第3の駐車場を擁しますが、27年シーズンは「コンパクトな運営」とし、近隣に臨時駐車場を設置する予定です。駐車場の利用には別途料金が必要となります。
妙高杉ノ原スキー場では、駐車場がコンパクトになることで、「ゲレンデでは杉ノ原ならではの広々とした空間とロングクルージングを、これまで以上にゆったり」楽しめると説明しています。
駐車場を縮小し、来場者数を絞ることで、ゲレンデが空くことを見越してのPRといえます。

PCGが買収
妙高杉ノ原スキー場は、2023年にペイシャンス・キャピタル・グループ(PCG)のジャパン・ツーリズム・ファンドに買収されました。PCGは杉ノ原を妙高開発プロジェクトの「中核となる拠点」と位置づけています。
これまで駐車場として使われていた用地では、PCGとIHGホテルズ&リゾーツによる「シックスセンシズ妙高」の建設工事が進んでいます。
下図がシックスセンシズ妙高の建物配置図ですが、3つの駐車場すべてで工事が必要な構成になっています。そのため、27年シーズンは臨時駐車場を設置するわけです。

要するに、妙高杉ノ原では、駐車場用地にホテルを建設中のため、27年シーズンは駐車場が不足し、クルマでの来場者数を抑える必要があります。
シーズン券や早割の利用者は、クルマで来場する日本人が多いため、販売取りやめの背景には、こうした事情が背景にありそうです。
一方、斑尾や妙高エリアの共通券を販売するのは、チケットを利用する多くが、公共交通機関利用のインバウンドだからでしょう。妙高エリア共通券「Mt.Myokoスーパーシーズン券」の購入者の9割は外国人だそうです。
妙高と斑尾で広域展開
PCGは斑尾高原スキー場も所有し、妙高と斑尾の双方でリゾート開発を進めています。斑尾高原ホテルは全面改修中で、アコーの「MGallery Collection」として2027年後半にリニューアルオープンする計画です。
妙高杉ノ原は2025-26シーズンから、世界各地のスキーリゾートを利用できる共通シーズンパス「Ikon Pass」に加盟しました。斑尾高原も2026-27シーズンから加わり、今季は両スキー場がIkon Passの対象になります。
今季新設する斑尾との共通5日券は、こうした流れに沿った商品ともいえます。
インバウンド重視に転換
今回発表した妙高杉ノ原の方針は、見方によっては、インバウンド重視に大きく舵を切った戦略と受け止めることもできます。シーズン券や早割という値引きによる古参の客の囲い込みをやめて、高めの料金を払ってくれる一元客を優先する、ということです。
おそらくそうした側面があるのも事実で、日本人のスキーヤー、スノーボーダーが減っていくなか、スキー場の生き残りを賭けた決断とみることもできるでしょう。
妙高杉ノ原スキー場の2026-27シーズンは、2026年12月19日から2027年3月28日までの営業を予定しています。(鎌倉淳)























