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JR北海道「黄8線区」、国の関与で再協議へ。上下分離を正式撤回

資産譲渡や駅業務移管は継続

JR北海道は「黄8線区」について、上下分離方式を沿線自治体との協議テーマから撤回すると正式に表明しました。国の主体的な関与のもとで新たな協議会を設け、8線区別のWGで2027年3月末までに改善策をまとめます。

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上下分離を正式に撤回

JR北海道は2026年9月16日、「黄8線区の協議について」を発表しました。

黄8線区は、JR北海道が単独では維持することが困難としている線区のうち、輸送密度が200人以上2,000人未満の区間です。対象は以下の8線区です。

・釧網線(東釧路~網走)
・花咲線(釧路~根室)
・石北線(新旭川~網走)
・宗谷線(名寄~稚内)
・富良野線(富良野~旭川)
・根室線(滝川~富良野)
・室蘭線(沼ノ端~岩見沢)
・日高線(苫小牧~鵡川)

黄色8線区
画像:JR北海道

 
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赤字額は拡大

2025年度の8線区合計の赤字額は約156億円で、2024年度の約148億円から約8億円拡大しました。厳しい収支が続くなか、国はJR北海道に対し、2026年度末までに線区ごとの「抜本的な改善方策」をまとめるよう求めています。

JR北海道は2026年4月、黄8線区を維持するしくみとして、利用状況に応じた輸送体系の見直し、踏切除雪や駅業務などの担い手確保、鉄道資産の自治体への譲渡、上下分離方式の4項目を示しました。

このうち上下分離については、JR北海道が列車を運行し、鉄道資産を別の法人などが保有する方式を想定していました。自治体側の負担につながることから、沿線では反発や慎重論が相次ぎ、協議は進みませんでした。

JR北海道は今回、上下分離を協議テーマとしたことで厳しい意見を受けたとして謝罪。沿線市町村との協議テーマから上下分離を撤回すると正式に表明しました。

花咲線

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北海道運輸局が事務局に

上下分離の撤回にあわせて、協議の枠組みも組み直します。

新たに「黄線区の持続可能な運営の在り方に関する協議会」(仮称)を設置します。国土交通省北海道運輸局が事務局を務め、各線区の沿線市町村とJR北海道が参加します。北海道にも参画を要請します。

国土交通省本省鉄道局とJR貨物もオブザーバーとして参加し、全体会には鉄道局審議官もオブザーバーとして加わります。JR北海道は、新たな枠組みを「国の主体的な関与のもと」で設置するとしています。

協議会は、8線区に共通する内容を扱う「全体会」と、線区ごとの「WG(ワーキンググループ)」の二段構えです。

各WGは2026年度末までに概ね3回開催し、それぞれの線区について具体的な対策と関係者が果たす役割を整理します。新たな協議会の初会合は10月にも開かれる見通しです。

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資産譲渡や駅業務移管は残る

今回の見直しで協議テーマから外れるのは、上下分離方式です。

4月にJR北海道が示した4項目のうち、残る3項目にあたる内容については、新しい協議でも引き続き取り扱います。

具体的には、利用状況に応じた輸送体系のさらなる見直し、踏切除雪や駅業務の自治体への移管などによる担い手の確保、鉄道資産の自治体への譲渡による税負担の軽減です。4月の資料では、資産譲渡によってJR北海道の固定資産税負担を軽減する考えが示されていました。

したがって、上下分離を撤回したことで、自治体との役割分担に関する議論まで取り下げたわけではありません。駅業務や踏切除雪、鉄道資産の保有については、引き続き線区ごとに協議することになります。

一方、これまで地域と進めてきた利用促進や利便性向上策についても、成果や効果を分析します。JR北海道は具体例として、「赤い星」「青い星」などの観光列車を活用した線区・沿線全体の価値向上策を挙げています。

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2027年3月までにとりまとめ

黄8線区をめぐっては、国が2024年3月にJR北海道へ出した監督命令で、2026年度末までに線区ごとの「事業の抜本的な改善方策」をまとめることが求められています。

4月時点では、2026年9月末をめどに改善方策の中間とりまとめを行い、年度末に最終的な方策をまとめる予定でした。ところが、上下分離をめぐって沿線自治体との協議が進まず、新たな枠組みで仕切り直すことになりました。

監督命令の期限は変わりません。新たなWGを各線区で概ね3回開催し、2027年3月末をめどに8線区それぞれの具体策をまとめることになります。

残された期間は約半年。新たな協議体を立ち上げたうえで、8線区について、実行性のある改善方策をとりまとめることができるのでしょうか。(鎌倉淳)

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