航空会社の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が9月以降に値下がりします。JALの欧米往復は10万円となり、これまでより3万円安くなります。一方、直近の燃油価格は高止まりしていて、11月以降は値上がりの兆しもあります。今回の大幅安は狙い目かもしれません。
9月分を発表
国際線旅客が航空券購入時に支払う燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)について、JALは、2026年9~10月発券分で基準金額を引き下げることを発表しました。
燃油サーチャージは、燃油市況価格の直近2か月間の平均に基づき算定されます。
JALによりますと、基準となるシンガポールケロシンは、2026年6月から7月の市況価格の平均が1バレルあたり132.50米ドルでした。また、同期間の為替平均は1ドル161.63円でした。これを乗じた1バレルあたりの基準金額は21,417円となりました。
8月までの発券分を算出した4月から5月の水準は、市況価格178.21米ドル、為替158.85円、基準金額28,308円でしたので、市況価格は26%値下がりし、為替は2%ほど円安に振れています。

15~20%の値上げ
結果として、燃油相場の基準金額が28,000円台から21,000円台に急落しました。そのため、JALでは2026年9月1日発券分からの燃油サーチャージ価格を値下げします。
9-10月発券分のひとり1区間片道あたりの燃油サーチャージは、日本から北米・欧州・オセアニアなどが50,000円、ハワイ・インドなどが30,900円、タイ・シンガポールなどが26,000円となります。
これは片道の金額なので、往復の場合、北米・欧州・オセアニアなどは100,000円、ハワイ・インドなどは61,800円、タイ・シンガポールなどは52,000円です。方面によって多少異なりますが、8月までの発券分に比べて、おおむね25%程度の大幅値下げとなります。
燃油サーチャージの推移
過去1年の燃油サーチャージの推移は下表の通りです。(配信先で表が崩れる場合はこちらをご覧ください)
| 路線 | 25年 10-11月 |
25-26年 12-1月 |
26年 2-3月 |
26年 4月 |
26年 5-6月 |
26年 7-8月 |
26年 7-8月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 北米・欧州・中東・オセアニア | 25,000 | 25,000 | 29,000 | 29,000 | 56,000 | 65,000 | 50,000 |
| ハワイ・インドネシア・インド・スリランカ | 16,000 | 16,000 | 18,500 | 17,800 | 34,700 | 40,400 | 30,900 |
| タイ・マレーシア・シンガポール・ブルネイなど | 13,000 | 13,000 | 15,500 | 15,500 | 29,600 | 35,000 | 26,000 |
| グアム・パラオ・フィリピン・ベトナム・モンゴルなど | 8,200 | 8,200 | 9,500 | 9,500 | 19,500 | 22,500 | 17,500 |
| 東アジア(韓国、モンゴルを除く) | 6,200 | 6,200 | 7,400 | 7,400 | 14,200 | 16,900 | 12,400 |
| 韓国、極東ロシア、沖縄・台湾線 | 2,500 | 2500 | 3,000 | 3,000 | 6,500 | 7,400 | 5,900 |
※片道あたり、発券日基準。
適用条件表の「ゾーンO」に
今回の燃油サーチャージ額は、JALが公表している適用価格表の「ゾーンP」(21,000円基準)に該当します。
しかし、政府による緊急的激変緩和措置の補助があるため、基準金額を20,000円台とみなし、「ゾーンO」を適用します。
最新の北米・欧米向け適用条件表は以下の通りです。(配信先で表が崩れる場合はこちらをご覧ください)
| ゾーン | 基準価格 | サーチャージ額 |
|---|---|---|
| A | 6,000円~7,000円 | 4,500円 |
| B | 7,000円~8,000円 | 8,900円 |
| C | 8,000円~9,000円 | 13,400円 |
| D | 9,000円~10,000円 | 16,000円 |
| E | 10,000円~11,000円 | 18,500円 |
| F | 11,000円~12,000円 | 21,000円 |
| G | 12,000円~13,000円 | 25,000円 |
| H | 13,000円~14,000円 | 29,000円 |
| I | 14,000円~15,000円 | 33,000円 |
| J | 15,000円~16,000円 | 35,000円 |
| K | 16,000円~17,000円 | 38,000円 |
| L | 17,000円~18,000円 | 41,000円 |
| M | 18,000円~19,000円 | 44,000円 |
| N | 19,000円~20,000円 | 47,000円 |
| O | 20,000円~21,000円 | 50,000円 |
| P | 21,000円~22,000円 | 53,000円 |
| Q | 22,000円~23,000円 | 56,000円 |
| R | 23,000円~24,000円 | 59,000円 |
| S | 24,000円~25,000円 | 62,000円 |
| T | 25,000円~26,000円 | 65,000円 |
| U | 26,000円~27,000円 | 68,000円 |
| V | 27,000円~28,000円 | 71,000円 |
| W | 28,000円~29,000円 | 74,000円 |
今後の見通しは?
今回の計算期間の6月から7月は、6月17日のアメリカとイランの休戦発表の期間を挟みます。これにより、燃油価格は落ち着きを取り戻し、基準価格も急落しました。
ただ、その後、燃油価格はじりじりと値を上げています。基準となるシンガポールケロシンの、直近5週間の市況価格は以下の通りです。
~8/14 158.91ドル
~8/7 146.90ドル
~7/31 158.77ドル
~7/24 160.06ドル
~7/17 149.40ドル
対象となる8月に入ってからの平均は153ドル程度で、今回の市況価格平均の132.50ドルより、15%程度、値上がりしています。いっぽう、直近の為替は、7月末に介入がおこなわれたこともあり、1ドル159円台になっています。
このままの状況で推移すれば、次回の11-12月発券分の基準価格は24,000円台になります。その場合、適用条件表の「ゾーンS」に該当し、9月以降の「ゾーンO」より4段階上がります。政府の激変緩和措置で1段階下がるならば、「ゾーンR」です。その場合、欧米片道は59,000円になるでしょう。往復なら11.8万円です。
燃油相場は高止まり
燃油価格高騰の原因となっているアメリカとイランの紛争は袋小路に入り、終わりが見えません。ただ、アメリカの中間選挙を控え、突然和平となっても不思議ではなく、その先行きを予想するのは困難です。
直近の燃油価格は高止まりの様相を呈していて、為替相場もじりじりと円安に振れています。したがって、11月以降のサーチャージは、9-10月より高くなる可能性があります。
すなわち、9-10月の燃油サーチャージは狙い目で、年末年始に旅行の予定があるならば、早めに海外航空券を確保してもよさそうです。(鎌倉淳)





















