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京成「新型有料特急」の愛称を予想してみた。今回は意外と難しい!

「さくら」ぽい車体ですが

京成電鉄が、押上~成田空港間を結ぶ新型有料特急の愛称募集を始めました。新型車両はピンク色を基調としたデザインで、「日本らしさ」を打ち出すことがコンセプトです。では、どんな愛称が付くのでしょうか。予想してみましょう。

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「日本らしさ」を感じられる名称

京成電鉄は、2028年度に営業運転を開始する新型有料特急の愛称を募集しています。運行区間は押上~成田空港間で、近い将来に都営浅草線や京急線に直通して、羽田空港までの乗り入れを予定しています。

募集要項では、次のような新型特急のコンセプトを示しています。

・都心と成田空港を最高速度160km/h、所要時間最速30分台前半で結ぶ新たな列車
・車両デザインのコンセプトは「日本らしい、やわらかな整いと華やぎ」
・将来的な都営浅草線、京急線への直通運転を目指す

京成電鉄では、こうしたコンセプトにふさわしい愛称を求めています。

京成新型有料特急
画像:京成電鉄プレスリリース

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「さくら」が有力

新型車両はピンク色を基調としたデザインで、日本の四季や花をイメージさせる外観となる予定です。イメージ画像には満開の桜が一面にちりばめられています。そのため、桜をはじめとした、日本文化を連想させる愛称が有力な候補となりそうです。

まず、「日本らしい」という要件や、イラストの画像からみて、思い浮かぶのが「さくら」でしょう。

「Sakura」は海外でもそのまま通じる日本語の一つで、訪日外国人にも認知度が高く、日本のイメージを伝えるブランドとして定着しています。ダイレクトに名付けるなら「さくらライナー」は第一候補といえます。

一方で、九州新幹線には「さくら」がありますし、「さくらライナー」は近畿日本鉄道の特急列車の車両の愛称として使われています。同じ名称を採用できるのか、というハードルがあります。

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「スカイライナー」との関係

また、現在の空港アクセス列車「スカイライナー」との関係も踏まえておく必要があります。

新型有料特急は、スカイライナーとは異なる区間を走りますが、成田空港発着の空港アクセス列車としては同じです。同じ役割の列車を、京成のブランドとしてどう整理するのかが問題になります。

仮にブランドを統一するのであれば、「○○ライナー」のような名称になります。いっぽうで、たとえば新しい列車には「エクスプレス」といった別の名詞をつけて、「ライナー」と使い分ける可能性もあります。

使い分けるメリットとしては、「ライナーは上野系統」「エクスプレスは押上系統」といった形で、乗り間違いを防ぎやすくなることが挙げられます。

スカイライナー

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「エクスプレス」を付けられるか

空港アクセス列車の名称として、世界的にオーソドックスなのは、「エクスプレス」です。そう考えると、「さくらエクスプレス」もオーソドックスな案でしょうか。

定期列車の列車名としては、これまで使われていないようです。「さくらライナー」に比べて、外国人にも発音しやすいでしょう。

一方で、「成田エクスプレス」との混同が起こる可能性があります。また、「さくらエクスプレス」という名称は、鉄道以外でのサービス名には使われていますので、京成のブランドには適さない気もします。

「さくらシャトル」は?

そのほかに、「さくら」を使う名称を考えてみると、たとえば「さくらシャトル」も挙げられます。

語感はいいですし、都心と空港を高頻度で結ぶ軽快感や、スピード感も感じられます。「スカイライナー」「さくらシャトル」と並べたとき、違和感もありません。

「スカイライナー」との統一感を求めるなら、「スカイシャトル」も考えられます。名称としては悪くないものの、空港アクセスの交通機関としては、一般名詞に近い印象もあります。

「日本らしさ」という点でみれば、「富士山」「寿司」「忍者」なども思い浮かびますが、京成の列車には不適でしょう。

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都営・京急乗り入れを考慮する

ここで忘れてはならないポイントは、この新型有料特急は、近い将来に、都営浅草線や京急線に乗り入れて、羽田空港まで直通する計画があるということです。

つまり、この列車は、成田空港アクセスだけでなく、羽田空港アクセスも担います。京成だけでなく、都営・京急にとっても、看板列車になるわけです。京成線内と京急線内で列車名を変えると混乱するので、統一したネーミングが好ましいといえます。

「さくらライナー」「さくらエクスプレス」「さくらシャトル」などは、都営・京急に乗り入れても問題はありません。東京都は都電に「さくらトラム」と名付けるほどですので、都営交通との相性もいいでしょう。

さらにふたつの空港を結ぶという意味を込めれば、「さくらリンク」といった名称も考えられます。ただ、少し座りが悪いですし、空港を連想しません。

「ウィング」を借りる?

京急と京成を直通する優等列車と考えれば、京急の「ウィング号」と京成の「スカイライナー」をあわせて、「ウィングライナー」はどうでしょうか。あるいは、京急側に軸足を置いて、「ウィングシャトル」も軽やかな語感です。

当然のことながら、「ウィング号」と紛らわしいという問題があります。いっぽうで、京急が有料着席サービスを「ウィング」というブランドで統一するのであれば、着席サービスを羽田方面にも広げるという考え方で、この命名も受け入れられるかもしれません。

合わせ技でいえば、「スカイウィング」も考えられます。「ウィング」と「さくら」をあわせれば「さくらウィング」もアリでしょうか。

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都心直結を強調するなら

単純に都心と空港を直結すると考えれば、「エアポートライナー」「セントラルライナー」「シティライナー」もあり得ます。ただし、すでに他路線でも使われた一般的な名称で、個性が弱いです。

また、「スカイライナー」と並べた場合「ウィングライナー」「エアポートライナー」「セントラルライナー」は印象が似ていて、違う名前ですが紛らわしいです。

沿線名を冠するなら

沿線の地名を冠するとすれば、「すみだライナー」「すみだエクスプレス」「すみだシャトル」は一つの案でしょうか。隅田公園は桜の名所なので、列車のイメージにも合致します。

ただ、将来的に都心に乗り入れるのであれば、「すみだ」はやや局地的な印象もあります。

沿線出身の人物として、海外での知名度が高い人物と言えば、葛飾北斎も思い浮かびます。ならば「北斎ライナー」も悪くありません。列車名に人物を冠するのは国内では珍しく、斬新感もあります。

ただ、ピンク色の車体とはギャップがあります。いまのスカイライナーの車両なら、似合うかもしれませんが。

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二大空港を結ぶ

東京の二大空港をむすぶというのであれば、「東京エアポートライナー」というシンプルな名称も考えられます。ただ「TAL」と略すと、商標にひっかかりそうです。

少し略して「東京エアライナー」にする考え方もあるでしょうか。もっと略して「東京ライナー」でもよさそうですが、同名の運輸企業があるのがネックになります。

軽快感を出すなら「東京シャトル」でもいいでしょう。過去に京成系列の格安バスのネーミングとして使われていましたが、現在は異なる名称になっています。

京成バスが運行していたバスの名称なので、京成電車への転用に問題はなさそうです。ただ、格安バスの名称を転用することに対する抵抗感はあるかもしれません。

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列車名称と種別の問題

今回の新型有料特急の愛称で難しいところは、列車名称がそのまま列車種別になる可能性が高い、ということです。

現在の京成には、特急、快速といった一般列車の種別がありますが、スカイライナーは、こうした種別の枠外にあるようです。つまり、スカイライナーは特急ではなく、「スカイライナー」が種別です。

では、「新型有料特急」はどうなるのでしょうか。京成自らが「新型有料特急」と称しているので、「特急」という列車種別で扱うのかもしれません。

仮に特急という列車種別を使うのであれば、特急「さくら」でも落ち着きます。特急を冠につけるなら、愛称の候補を考えやすく、「つばめ」でも「はと」でも「ふじ」でもいいわけです。

しかし、列車名を種別とすると「さくら」という一般名詞の愛称は落ち着きません。「つばめ」「はと」「ふじ」も難しいでしょう。

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選択肢が限られて

種別の扱いについて、京成は明確にしていません。おそらくは「スカイライナー」と同じ扱いで、一般列車の種別とは別格になるのでしょう。

そうなると、愛称の前に「特急」の冠は付けられないことになります。すると、「愛称」は「種別」を兼ねる固有名詞であるべきでしょう。

そこへ、「日本らしい、やわらかな整いと華やぎ」を連想させるという制限までつけると、既存の言葉を組み合わせるだけでは、選択肢が限られてしまいます。

できることなら、「スカイライナー」と釣り合うような、全く新しい名称がふさわしいでしょう。それを考えられればいいのですが、簡単な話ではなく、ネーミングセンスが必要になります。

それゆえに、京成としても、広く意見を集めるべく、公募に踏み切ったのかもしれません。

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筆者予想

ということで、長々と書きましたが、今回の命名は難しいです。いちおう、筆者なりの予想を書いておきます。

本命:さくらシャトル
対抗:東京シャトル
対抗:ウィングシャトル
穴馬:さくらエクスプレス
穴馬:さくらライナー
穴馬:東京ライナー
大穴:すみだライナー
大穴:北斎ライナー

筆者のネーミングセンスは乏しいので、新たな固有名詞は思いつきませんでした。既存の言葉の組み合わせでは「さくらシャトル」か「東京シャトル」でしょうか。車両の雰囲気を踏まえて、「さくらシャトル」を本命に挙げておきます。

京急線直通を前提にすれば、「ウィングシャトル」も、空の旅を予感させる軽快感があり悪くないので、対抗に挙げておきました。

さくらライナー」や「東京ライナー」もよさそうですが、同名の列車名や会社名があると選びづらいので、ダークホースとしておきます。承諾が得られるのであれば、これらも本命・対抗になります。

個人的には「北斎ライナー」がおすすめですが、京急の羽田空港アクセス列車のイメージには合わないかもしれません。ピンクの車体に「北斎」と命名するわけにもいかない気がします。

ということで、今回は8つも予想を挙げてしまいました。なお、いつものことですが、筆者の予想はたいてい外れます。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。