京成東成田駅が、再び空港の玄関口に返り咲きそうです。成田空港の新たな整備計画で、新設される高架駅と一体化し、新ターミナルに直結する駅として生まれ変わることが明らかになりました。近年は「秘境駅」と称されることもありましたが、空港の玄関口の地位へと復活します。
「成田空港駅」として誕生
東成田駅の開業は1978年。京成電鉄の成田空港アクセスのターミナルとして設置され、当時の駅名は「成田空港駅」でした。
空港ターミナル直下は成田新幹線用のスペースとして確保されたため、京成線はターミナルに乗り入れることができず、少し離れた位置に駅を建設したのです。
それでも、開業後しばらくは、成田空港唯一の鉄道駅として、多くの海外旅行客を迎え入れてきました。

主役の座を失う
転機は1991年です。
空港ターミナル直下の成田新幹線スペースを転用し、京成とJRが乗り入れることになりました。これが新たな「成田空港駅」となり、それまでの成田空港駅は「東成田駅」に改称されました。
新駅開業により、京成スカイライナーをはじめとする主要列車はすべて新駅発着となり、東成田駅は一部の一般列車だけが停車するローカル駅へ転落します。
2面4線のうち、特急ホームの1面2線は閉鎖。かつて空港利用者であふれたコンコースは人影もまばらになり、「秘境駅」とまで称されるようになりました。

乗降客1,269人
2002年に芝山鉄道線が開業し、京成線との接続駅という役割を担うようにはなりましたが、それでも利用者は限られます。
2025年の乗降人員は、成田空港駅・空港第2ターミナル駅をあわせて77,398人ですが、東成田駅は2,157人。芝山線との連絡人員を除けば、わずか1,269人です。
新ターミナルで転機
その東成田駅が、大きな転機を迎えそうです。
国土交通省などがまとめた成田空港の新たな整備計画では、第1・第2・第3ターミナルを集約する新ターミナルを建設。その玄関口として、京成電鉄の高架新駅を、現在の東成田駅付近に整備する方針が示されました。
新駅は3面5線という規模で、スカイライナー専用ホームも設けられます。一方、現在の地下駅である東成田駅も京成本線系統と芝山鉄道線のホームとして存続し、高架駅と一体的に運用されることになりました。
つまり、新しい京成の空港駅は、東成田駅を取り込んで整備されることになります。

なぜ廃止されなかったか
では、京成が成田空港に新ターミナルを作るにあたり、設備の古い東成田駅を廃止せず、取り込んだ理由は何でしょうか。
ひとつには、東成田駅が芝山鉄道線の起点となっているため、廃止できないという事情があるでしょう。
芝山鉄道線を新駅に引き込めば廃止できますが、芝山方面へ新たな線路を作らなければなりません。そのルート取りは難しそうで、費用もかかるため、現駅を維持する判断となったとみられます。
また、東成田駅は、新ターミナルから比較的近く、第2ターミナルとも地下でつながっています。新ターミナル開業後も、当面、第2ターミナルは残るため、両ターミナルに接する絶妙な立地といえます。
そのため、東成田駅を取り込む形で新駅を建設すれば、費用を抑えながら大規模なターミナル駅を作れるという判断に至ったのではないでしょうか。

実質的に「成田空港駅」へ
京成新駅の名称はまだ決まっていません。
しかし、新ターミナルに直結し、京成の空港アクセス列車が発着する駅ですから、「成田空港駅」の名称が採用される可能性は高いでしょう。
東成田駅も、新駅と一体的に運用されるとなれば、同じ「成田空港駅」を名乗ることになるでしょう。
東成田駅の地下ホームのうち、特急用ホームが再活用されることはなさそうで、ローカル列車が1面2線で発着する形は、現状と同じです。
それでも、東成田駅が再び「成田空港駅」の一部として復活することに変わりはありません。

秘境感はいまのうち
新駅開業は、2030年代前半が見込まれています。いまからおよそ7~8年後でしょうか。東成田駅が1991年に主役の座を譲ってから、約42~43年後となりそうです。
駅名変更から半世紀近くを経て、かつて日本の空の玄関口だった駅が、再び脚光を浴びることになります。
新駅開業に向けて、東成田駅周辺は、長い工事の季節に入ります。駅そのものも、リニューアルされるでしょう。秘境感漂う雰囲気を味わえるのは、いまのうちかもしれません。(鎌倉淳)























