「青春18きっぷ」で東京~大阪を旅行する方法【2024年版】。JR普通・快速で約9時間!

乗り換えは7回程度

「青春18きっぷ」を使った東京~大阪間の旅行法を、2024年3月ダイヤ改正を反映した最新版で解説します。青春18きっぷ1日分2,410円相当で旅行できます。

なお、当記事は初心者向けです。熟練の鉄道ファンには、ご存じのことしか書いてありません。

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JR全線乗り放題

「青春18きっぷ」は、JR全線の普通・快速列車が乗り放題のきっぷです。5日分12,050円で販売しており、1日あたり2,410円です。発売期間は春・夏・冬の学休期のみで、春の利用期間は3月1日~4月10日です。

利用期間内なら1日ずつ使えるので、帰省など、滞在期間を挟んだ往復旅行にも威力を発揮します。東京~大阪間の場合、普通・快速列車を使えば1日の行程に収まるので、青春18きっぷ1日分2,410円相当で旅行できます。

「青春18きっぷ」の基本ルール

・日本全国のJRの普通列車と快速列車(新快速など含む)に乗り放題の切符です。
・新幹線・特急には乗れません。別に特急券を買っても乗れません。
・1枚で1日有効×5回分 12,050円
・1枚2,410円ではありません。5回分セットで、その1回あたりが2,410円です。
・こども用はありません。
・年齢制限 なし。

新快速225系

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東海道本線ルート

東京~大阪間を「青春18きっぷ」で旅行する場合、もっともオーソドックスなルートは東海道本線(東京~熱海~浜松~豊橋~名古屋~大垣~米原~大阪)です。

他にも中央本線ルートや関西本線ルートもありますが、初心者向けではありません。東海道本線ルートは列車本数が多く利用しやすいのがメリットです。1本乗り遅れても、ほとんどトラブルになりませんし、運行障害が生じても復旧が早いです。

普通列車の旅が耐えられなくなったら、別途運賃・料金はかかりますが、新幹線に逃げることもできます。こうした理由で、「青春18きっぷ」初心者の東阪間の旅行には、東海道本線ルートがおすすめなのです。

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「青春18きっぷ」で東京~大阪を旅行する

東海道本線ルートで東京~大阪間を旅行する方法は簡単です。

東京駅から東海道線に乗り、熱海、浜松、豊橋、大垣、米原、大阪方面などと乗り継いでいくだけです。大阪発なら、米原方面行きの「新快速」に乗り、大垣、豊橋、浜松、熱海、東京方面などと乗り継いでいきます。乗換駅は、そのとき乗車した列車により異なりますが、5~7回程度です。

2024年3月ダイヤ改正で熱海~浜松間の直通列車が大幅に増えましたので、青春18きっぷ利用者には使いやすくなりました。

乗換駅での接続は、たいてい数分から十数分です。最短で乗り継ぐ場合、東京~大阪間の所要時間は9時間から9時間半です。

モデルルート

一例として東京駅を朝9時頃に出発した場合の乗り継ぎを、モデルルートとしてご紹介しましょう。

東京09:06→10:48熱海10:51→13:21浜松13:25→13:59豊橋14:02→(快速)→15:32大垣15:37→16:12米原16:17→(新快速)→17:42大阪

このように、大阪を9時過ぎに出発したら、夕方の18時前に到着します。途中の乗り換えは5回です。

じつは、3月ダイヤ改正前の時刻では、東京を09時06分に出発した場合、途中7回の乗り換えで大阪18時13分着でした。ダイヤ改正により、乗り換えが2回減り、到着は約30分早まったことになります。

なお、これはスマホの乗換検索で表示される乗り継ぎです。ちなみに、「ジョルダン」では、「青春18きっぷ」向けの乗換検索ができます。ジョルダンの回し者ではありませんが、「青春18きっぷ」の旅にはとても便利です。

【公式】ジョルダン青春18きっぷ乗換検索

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途中で休憩を入れる

ただ、乗換検索で出てくる乗り継ぎは過酷です。好接続を教えてくれるので、その通りに乗っていたら、休憩をする時間がありません。

乗りっぱなしも疲れますので、3時間ごとくらいに改札口を出て、コンビニなどで買い物をしたり、駅チカで食事をしたりするといいでしょう。そうした余裕時間を考慮すると、たとえば以下のような乗り継ぎになります。

東京09:06→10:48熱海(買い物)11:14→13:43浜松(食事)14:47→15:21豊橋15:32→(新快速)→17:02大垣(買い物)17:37→18:11米原18:17→19:43大阪

熱海と大垣で30分、浜松で小一時間を取っています。こういう乗り継ぎを調べるには、乗換検索よりも紙の時刻表が便利でしょう。「1本遅らせたら、次の乗り継ぎにどのような影響があるか」が、紙の時刻表なら一目でわかります。

ですので、できれば、「青春18きっぷ」の旅には紙の時刻表を持って行くといいでしょう。JTBの『小さな時刻表』が便利です。

と書きましたが、JTBの回し者でもないので、あえて付け加えると、東海道本線ルートなら、紙の時刻表がなくてもまったく問題ありません。どの駅で降りても、次の列車はほぼ30分以内にやってくるからです。

途中で休憩しながらでも、東京~大阪間は10時間程度で到着できます。

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休憩地点の意味

上記の乗り継ぎのうち、熱海、浜松、大垣で休憩を取るのには、それぞれ意味があります。

まず熱海ですが、熱海~浜松間の列車は2時間半かかりますので、絶対に座席を確保したいところ。そのため、列車を1本遅らせて、早めにホームに並ぶことで、着席確率を上げます。遅らせた時間を使って、買い物の時間に充てているわけです。

浜松は中間地点で、駅ビルや周辺に飲食店が豊富なので、昼食を摂るのに適しています。上りの場合は、熱海まで2時間半の列車で着席するための準備にもなります。

大垣では、米原行きの列車の車両の編成数が短く、青春18きっぷ期間は混雑しやすいので、ここでも1本遅らせて、着席確率を上げます。

実際には、3箇所も休憩を取らなくていいという方も多いでしょうから、食事の時間帯にあわせて、休む駅を選べばいいでしょう。たとえば大垣~米原間は30分あまりなので、立っても構わないと判断すれば、1本遅らせたりしないで先を急ぐ手もあります。

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食事しやすい駅

駅ビル内で食事をしやすい乗り換え駅は、静岡駅、浜松駅、豊橋駅、大垣駅あたりです。もっともグルメの楽しみが多いのは名古屋駅ですが、同駅は東海道線の始発列車がほとんどないので、乗り直す際に着席できない可能性があります。

筆者のおすすめは、前述の通り浜松駅です。東京~大阪のほぼ中間に位置し、休憩のタイミングとして適していること、駅ビル内の飲食店が充実していること、始発列車が多いこと、などが理由です。

トイレは?

いまの東海道線の列車の多くにはトイレが付いています。心配な方は、乗車前にトイレ位置を確認して、その近くに席を取るといいでしょう。静岡地区の211系という古い車両にはトイレがありませんが、最近は数が減っています。

車内にあるといっても、列車のトイレは落ち着きませんし、できれば駅で済ませるといいでしょう。仮にトイレのために列車を一本遅らせても、東海道本線は列車本数が多いので、15分~30分くらいのスケジュール後ろ倒しで済みます。

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「編成の長さが違う」問題

東海道本線は、区間により走っている列車の編成の長さが異なります。おおざっぱにわけると、以下のようになります。

・東京~熱海間=10~15両編成のロングシート車両(一部ボックスシート)グリーン車付き。
・熱海~豊橋間=3~6両編成のロングシート車両。
・豊橋~大垣間(快速・新快速)=8両編成のクロスシート車両。
・大垣~米原間=4両編成のクロスシート車両。
・米原~大阪間(新快速)=12両編成のクロスシート車両。

※「ロングシート」は横長の座席。「クロスシート」は前向きに転換できる座席。「ボックスシート」は向かい合わせ固定座席。

短編成の区間(熱海~豊橋、大垣~米原間)では、青春18きっぷシーズンは旅行者で混雑することがあります。そのため、座席確保を狙うなら、乗換駅で列車を1本送らせるといいでしょう。

「立っても構わない」「乗っているうちに空くだろう」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、青春18きっぷシーズンの東海道線の混雑は激しく、意外と途中駅で空席が出づらいです。

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グリーン車に課金する?

「青春18きっぷ」利用者に好評なのは、主に豊橋以西を走るクロスシート車両です。リクライニングはしないものの、ロングシート車両に比べればはるかに快適です。

一方、東京~熱海間はロングシート主体ですが、グリーン車が連結されています。青春18きっぷ利用者でも、グリーン券を別途購入すれば、普通・快速列車のグリーン車を利用できます。

グリーン料金は2024年3月16日より値上げされ、東京~熱海間104.6kmの通常料金は1,810円になりました。節約したいなら、品川~熱海間だけ乗れば100km以内の区分で1,260円です。

また、Suica、PASMOをお持ちの方は、駅ホームなどのSuicaグリーン券売機で購入すれば、Suica料金となり、東京~熱海間が1,550円、品川~熱海間が1,000円となります。Suicaのほか、モバイルSuica、PASMO、Kitaka、TOICAも利用できます。残念ながらICOCAは利用できません。

東京~熱海間は2時間近くかかりますし、快適に過ごす対価として考えれば、1,000円程度なら、それほど高いとはいえません。車内で食事をしても、白い目で見られにくいのもメリットです。

ただ、「青春18きっぷ」でがんばって節約しているのだから、課金してまでグリーン車に乗らなくてもいい、という考え方もあるでしょう。正規料金で1,810円となると、ちょっと高い気もします。

静岡近郊には、朝夕に「ホームライナー」が走っているので、330円でクロスシート車両に着席できます。しかし、東京~大阪間を旅行する場合、時間的にほとんどあいません。

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始発と最終

最後に、東京~大阪間の「始発接続」「最終接続」を示しておきましょう。

◆東京発
始発:東京04:41→14:13大阪
最終:東京15:27→00:45大阪

◆大阪発
始発:大阪05:00→14:47東京
最終:大阪15:30→00:26東京

最終乗り継ぎは、目的地到着が00時を過ぎており、「1日」が終わっていますが、東京・大阪の電車特定区間内では最終電車を過ぎても終電まで青春18きっぷは有効です。

東京発、大阪発のいずれも、始発で出れば15時前には到着できますし、15時半頃に出ればその日のうちに到着できます。早朝に出れば目的地で夕食に間に合いますし、午前中の用事を済ませて出発しても同日着が可能です。そう考えると、青春18きっぷでの移動も「意外と早い」ものです。

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腰をいわす?

なお、1日乗りっぱなので、「尻が痛い」とか「腰いわす」といった感想を漏らす人もいます。

それはリアルな実感なのでしょうが、個人差もあるでしょう。「へっちゃらだった」という人も数多くいます。

いまの列車の座席は、普通列車でもある程度しっかりしています。車内は空調も効いていますし、それなりに快適に過ごせます。

新幹線なら1万4,000円程度かかる区間を2,410円で移動できるのですから、節約できる金額は1万円以上です。着席のアルバイトを9時間していると思えば、耐えられる範囲と捉える人も多いのではないでしょうか。(鎌倉淳)

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