東武鉄道は、中堅旅行会社のトップツアーを買収すると発表しました。みずほ証券系の投資ファンドから、トップツアーの持ち株会社の全株式を8月30日付で取得します。買収額は非公表です。
トップツアーは、現在、投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループが設立したティラミスホールディングスの全額出資子会社になっていますが、それを東武が買収することになりました。
東武グループには、東武トラベルという旅行会社があります。2012年度の旅行取扱高は約396億円で、国内の旅行会社で23位。いっぽう、トップツアーの取扱高は約1163億円で11位。単純合算すると、国内10位以内に浮上します。
トップツアーの前身は東急観光。東急グループの会社でした。経営不振で2003年に東証1部上場を廃止し、2004年には親会社の東京急行電鉄がアクティブ・インベストメント・パートナーズ(当時)に保有株の85%を売却しました。この結果、トップツアーは東急グループから離れています。さらに、2007年にポラリスの傘下に入りました。
東急グループを離れて10年近くを経ていますが、「東武が東急子会社を呑み込む」という、珍しい形になったといえます。
トップツアーは団体旅行に強みを持ち、東急沿線以外にも全国に販売網があります。東武鉄道としては、トップツアーをグループに加えることで、東京スカイツリーから日光に至る団体旅行の招致を強化したい、という思惑があるようです。
東武トラベルとトップツアーのブランドは、当面併存していくとのことです。
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