神戸市の須磨海浜水族園の建て替え・リニューアルが決まりました。新しい施設では、西日本唯一となるシャチの展示が行われます。
海浜リゾートパーク
神戸市は、市立須磨海浜水族園を含む須磨海浜公園一帯を再整備・運営する公募を行い、サンケイビルを代表とする企業グループを優先交渉権者に決めました。提案によると、水族園を建て替え、公園内にホテルやレストランを建設し、「海浜リゾートパーク」を目指します。
中心施設となる新たな水族館は、「つながるエデュテイメント水族館」がキャッチフレーズ。「オルカ(シャチ)スタディアム」「イルカスタディアム」「アクアライブ」の3棟で構成します。
延べ床面積は2万2271平米で現在の1.5倍。総水量は1万4528トンで現在の約5倍となります。総水量ベースでみた規模は名古屋港水族館に次ぐ全国2位となり、海遊館を抜き西日本最大の水族館になります。
目玉はシャチ
新水族館の目玉は、なんといってもシャチの展示とパフォーマンス(ショー)でしょう。国内でシャチを飼育している水族館は鴨川シーワールドと名古屋港水族館のみ。シャチのパフォーマンスは鴨川シーワールドだけです。新水族園でシャチのパフォーマンスが行われれば、西日本唯一となります。
シャチのパフォーマンスは重量感に溢れていて、イルカとは違った魅力があります。しかし、シャチの飼育は難しい上に、動物愛護団体からの批判もあり、展示をしている水族館は世界的にも限られます。
ナショナル・ジオグラフィック(2015.11.13)によれば、世界で飼育下に置かれているシャチは、わずか57頭。パフォーマンスとなるとなおさら少なく、そのスタジアムを新たに建設することは大きな決断でしょう。
鴨川シーワールドと連携
サンケイビルでは、日本唯一のシャチ・パフォーマンスを実施している鴨川シーワールドの運営会社を、2015年に買収しています。そのため、須磨水族園では、鴨川シーワールドと連携してシャチのパフォーマンスを実施する計画です。
両施設では協力してイルカの人工繁殖など調査研究にも力を入れます。提案では、「神戸保全繁殖センター」もあわせて設立して、鯨類の繁殖を推進するそうです。
水族園は2021年4月から水族園本館以外の解体に着手し、2023年5月に本館も含め完全に閉園します。新水族園のオープンは2024年春の開業見通し。現在の年間入園者(約110万人)の約2倍となる、年間200万人の集客を目指します。
「ドルフィンラグーン」ホテルも
水族園に隣接してホテルも新設し、水族館と同時期の2024年3月の開業を目指します。7階建て80室で、全室が海を見渡せる南向きのリゾートホテルです。
日本のホテルとして初めて「ドルフィンラグーン」を併設するのが特徴。現在の市立国民宿舎「シーパル須磨」は2021年3月に営業を終了します。
このほか、須磨海浜公園には多目的広場や、キャンプ体験ができる施設、カフェ、レストランを配置します。須磨海浜公園は、今後5年で、その姿を大きく変えそうです。(鎌倉淳)
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