ロシア極東地域への「ビザ簡素化」は2017年8月1日スタート。ウラジオストク、サハリンなどが対象に

ロシア極東地域へのビザ簡素化が、2017年8月1日スタートします。出発4日前までに電子ビザを申請すれば、最長8日間の滞在が認められるようになります。

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2015年に初方針

ロシア極東地域のビザ簡素化は、2015年に初めて方針が示されました。いわゆる「アライバルビザ」が創設されるとの情報も流れ、旅行者は大いに期待をしたものです。

その後、なかなか実現しなかったのですが、最近のロシアの報道をみると、2017年8月1日にビザ簡素化が本当に実施されるようです。

英字ニュースサイト「Russia Beyond The Headline」2017年6月8日付によりますと、ロシア外務省報道官が「電子ビザによるウラジオストク自由港訪問は、8月1日にスタートする」と明らかにしたそうです。

ユジノサハリンスク

電子ビザで申請無料

当初報じられた「アライバルビザ」にはならず、電子ビザを事前申請する形になります。ロシア極東地域に入国する外国人旅行者は、入国4日前までに、インターネットの特設サイトで電子ビザの申請書を提出します。申請手数料は無料で、発行から30日間有効、滞在可能期間は8日間です。

電子ビザで訪問可能となる外国人の国籍は、日本のほか、アルジェリア、バーレーン、ブルネイ、インド、イラン、カタール、中国、北朝鮮、クウェート、メキシコ、モロッコ、UAE、オマーン、サウジアラビア、シンガポール、チュニジア、トルコの計18カ国とのことです。

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サハリン、カムチャッカも訪問可能

滞在可能エリアはウラジオストックに限られず、「自由港」のある5つの地域のいずれかに旅行できます。5地域は、沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州、チュクチ自治管区、カムチャッカ地方です。1回のビザにつき、これらのうちの1つの地域に対して有効となる見込みです。

沿海地方はウラジオストクを含むロシア極東南部。ハバロフスク地方はハバロフスクからオホーツク海沿岸北部で、サハリンの対岸付近を含みます。サハリン州はサハリン島とクリル諸島(日本の北方領土も含む)。カムチャッカ地方はカムチャッカ半島とその付け根。チュクチ自治管区はロシア最東部のベーリング海峡へ至る広大なエリアです。

日本からの航空路線は貧弱

現在、これらのエリアへの航空路線は、成田-ウラジオストク(毎日)、ハバロフスク(週2便)、ユジノサハリンスク(週2便)、札幌-ユジノサハリンスク(週3便)の4路線で、いずれもロシアの航空会社による運航です。

全体として日本からロシア極東への航空路線は貧弱で、便利とはいえませんが、ビザ簡素化を機会に、路線・便数の拡大や、日系航空会社の運航も期待したいところです。

とくに、現在定期航空便が設定されていないペトロパブロフスク・カムチャッキーへの定期便は、ぜひ期待したいところ。自然あふれるカムチャッカへエリアは、日本人にとっては旅行先のフロンティアになるでしょう。

サハリン航路や宗谷線にも追い風?

電子ビザの対象が航空路による入国者に限定されるのか、航路も含まれるのかは、現時点でははっきりしません。航路旅行者も対象になるのなら、稚内~コルサコフ間のサハリン航路の存続にもプラスの効果が出そうです。

この航路は、ハートランドフェリーが撤退後、ロシアのサハリン海洋汽船が運航を引き継ぎ、2017年は定員80人の小型船により6月~9月にかけて週2~3便の運航が予定されています。

これまでも、サハリン航路を利用すれば72時間以内のサハリン滞在はビザ不要でしたが、今回のビザ簡素化により滞在条件が緩和されることになります。サハリンを訪問する日本人観光客が増えれば、サハリン航路や宗谷線の利用者増にも貢献しそうです。(鎌倉淳)

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