宗谷線歌内駅が22年春で廃止見通し。自治体管理は1年で幕

宗谷線の歌内駅が2022年春で廃止される見通しとなりました。JR北海道から地元自治体である中川町に管理が移管されたばかりですが、自治体管理は1年で幕を閉じることになります。

広告

年間100万円で維持

JR北海道は宗谷線の利用者の極端に少ない駅を、2021年3月のダイヤ改正で整理しました。12駅を廃止し、17駅を自治体管理に移行しています。

自治体管理は、JRが廃止方針を示したうち、自治体が必要と判断した駅について、地元負担で駅を維持するというもの。歌内駅はその一つで、地元の中川町が年間約100万円を負担して存続していました。

北海道新聞2021年8月28日付によりますと、中川町は歌内駅について、2022年春のダイヤ改正を機会に自治体負担による管理を取りやめる方針を決めました。「歌内駅を利用する数人の高齢者らについて、隣の天塩中川駅まで町が助成しタクシーで送迎できるめどが立ったため」と理由を説明しています。

歌内駅

タクシーで代替

同紙によると、歌内駅の利用者は、旭川への通院などで使う数人のみ。今後は、「隣の天塩中川駅まで送迎するタクシー代金(約3,000円)の大半を町が賄う助成制度を設ける予定」とのことです。それでも、100万円の維持費用に比べると、町の負担は数分の一に減ります。

JR北海道から自治体管理に移行した駅のうち、現時点では歌内駅以外に、廃止方針が示された駅はありません。ただ、利用者が1日数人の駅に、年間100万円程度の維持費を支出し続けるのは自治体の負担が大きく、代替措置が見つかったり、利用者がさらに減ったりした場合、今後も廃止に転じる駅が出てくる可能性はありそうです。

一方で、過疎地ではバスやタクシー運転手が不足している状況もあり、代替措置に移行したとして、維持し続けることができるのかについては、不安が残ります。(鎌倉淳)

広告
前の記事ニセコ花園にオークラ系列の新ホテルが開業。日本人も使いやすそう
次の記事最も海から離れた駅は「海瀬駅」。小海線の新名所になるか