燃油サーチャージ、1年ぶり値上げ。急激な円安が航空チケットを直撃

1段階引き上げ

2023年8月19日

航空会社の燃油特別付加運賃（燃油サーチャージ）が値上がりに転じました。今後の見通しとあわせて見てみましょう。

基準価格が13,000円台に

国際線旅客が航空券購入時に支払う燃油特別付加運賃（燃油サーチャージ）について、JALは2023年10～11月発券分で、価格を引き上げることを発表しました。

燃油サーチャージは、燃油市況価格の直近2か月間の平均に基づき算定されます。

JALによりますと、10-11月発券分の基準となるシンガポールケロシンは、直近2ヶ月の市況価格が94.59米ドルでした。また、同期間の為替平均は1ドル141.20円でした。これを乗じた1バレルあたりの基準金額は13,357円となりました。

8-9月発券分は、市況価格93.12米ドル、為替135.35円で、基準価格が12,604円でした。この2ヶ月で、燃油価格は若干の値上がりにとどまりましたが、円相場が円安に振れたわけです。結果として、基準価格は約6%値上がりしました。

これにより、JALでは10月1日発券分から燃油サーチャージの価格を一段階引き上げます。ひとり1区間片道あたりの燃油サーチャージは、日本から北米・欧州・オセアニアなどが33,400円に、ハワイ・インドなどが21,300円に、タイ・シンガポールなどが17,900円になります。

これは片道の金額なので、往復で北米・欧州・オセアニアなどが66,800円に、ハワイ・インドなどが42,600円に、タイ・シンガポールなどが35,800円となります。

燃油サーチャージは、2022年10-11月発券分がピークで、以降1年間は値下がり傾向でした。今回は、ピーク以来、1年ぶりの値上げとなります。

過去1年の燃油サーチャージの変化は下表の通りです。

2022-23年のJALの燃油サーチャージ（円）
路線	8-9月	10 -11月	12-3月	4-5月	6-7月	8-9月	10-11月
北米・欧州・中東・オセアニア	47,000	57,200	47,000	36,800	33,400	28,800	33,400
ハワイ・インドネシア・インド・スリランカ	30,500	37,400	30,500	23,600	21,300	18,400	21,300
タイ・マレーシア・シンガポール・ブルネイ	24,700	29,800	24,700	19,600	17,900	15,000	17,900
グアム・パラオ・フィリピン・ベトナム・モンゴル	17,800	22,900	17,800	12,700	11,000	9,200	11,000
東アジア（韓国、モンゴルを除く）	11,400	12,900	11,400	9,900	8,400	7,100	8,400
韓国	5,900	7,700	5,900	4,100	3,500	2,900	3,500

※片道あたり、発券日基準。

今回の燃油サーチャージ額は、JALが公表している適用価格表の「ゾーンH」に該当します。前回の「G」より1ランク上です。最高値だった2022年10-11月の「O」に比べると7ランク下になりました。