首都高速都心環状線の大改造が始まります。日本橋上空にかかる区間の地下化にくわえ、西銀座~京橋間に新トンネルを建設する方針も固まりました。
西銀座~京橋に新トンネル
国土交通省や首都高速道路、東京都などで構成する「首都高速都心環状線の交通機能確保に関する検討会」は、2020年3月10日に中間取りまとめを発表しました。そのなかで、首都高速八重洲線が東京高速道路(KK線)と接続する西銀座JCT~京橋JCT間に地下トンネルを建設する方向性を明らかにしました。
新トンネル(別線)は、現在のKK線西銀座~京橋間の高架橋のほぼ真下に、長さ800mで建設されます。
西銀座JCT付近で、首都高八重洲線のトンネルを約300mにわたって改築して連結します。京橋JCTでは、首都高が計画している都心環状線の築地川区間の大規模更新にあわせて施工し、掘割部で接続します。
事業区間は約1.2km、地下区間は約1.1kmです。トンネルは外堀通りでJR京葉線の上を通り、中央通りではメトロ銀座線の下、昭和通りでは都営浅草線の下を通ります。最深部は深さ20m以上になります。
日本橋周辺は地下化
首都高都心環状線については、日本橋周辺の地下化が決まっています。竹橋JCT~江戸橋JCT間の2.9kmのうち、日本橋川に架かる鎌倉橋と鎧橋の間にあたる約1.8kmを作り直します。日本橋川を中心とする川沿いの一帯の地下にトンネルを整備し、現状の高架を撤去します。
これにより、都心環状線は竹橋方面から江戸橋JCTを経由して汐留方面に向かうことができなくなります。かわりに八重洲線と新たな地下トンネルをつないで、竹橋方面と汐留方面をつなぐルートを整えます。
つまり、工事完了後、都心環状線は竹橋~八重洲~西銀座~京橋へとつながり、その大部分が地下となります。
八重洲線は現在片側1車線ですが、構造上は2車線で運用が可能で、2車線化される見通しです。西銀座には出入口も整備されます。
KK線の役割低下
事業期間は約10~15年。京橋では高速晴海線との接続も計画しています。竹橋方面から、江戸橋・箱崎JCTなどの渋滞ポイントを避けて、都心と湾岸線の相互アクセスが可能になるという将来像が描かれているわけです。
一方で、KK線は、八重洲線との接続が困難となります。通過交通が新トンネルに移るため、自動車専用道路としての役割が大きく低下することになります。