首都高速道路の都心環状線の入口の大半が、2025年度までにETC専用化されます。残る入口も、2028年度までにほぼETC専用となる見込みです。
2028年度までに完全ETC化
首都高速道路株式会社は、2025年度に新たに55箇所の料金所をETC専用にする計画を発表しました。これにより、ETC専用料金所は累計90箇所となります。
ETC専用化は都心部で先行して進められていて、都心環状線では、神田橋、宝町、汐留、芝公園、飯倉が2025年度に対象になります。すでにETC専用化されている霞が関、代官町とあわせて、7箇所がETC専用となります。
都心環状線で有人ブースが残る入口は、銀座、京橋のみとなります。首都高速会社では、2028年春までに本線料金所などの一部を除き、入口料金所のETC専用化をする予定なので、いずれ、銀座、京橋もETC専用化される見通しです。
2025年度にETC専用化される入口
放射状の路線も2025年度にETC専用化が進みます。2025年度にETC専用化される、放射線の入口は、以下の通りです。( )内は実施済みの入口です。
・1号上野線 入谷、上野
・1号羽田線 芝浦、勝島、鈴ヶ森
・2号目黒線 天現寺
・3号渋谷線 高樹町、池尻、三軒茶屋
・4号新宿線 代々木、永福(新宿、初台、幡ヶ谷)
・5号池袋線 西神田、飯田橋、北池袋、板橋本町(一ツ橋、護国寺)
・6号向島線 浜町(駒形、向島、堤通)
・6号三郷線 加平
・9号深川線 福住(木場)
・10号晴海線 豊洲(晴海)
ETCを持たない場合、たとえば3号渋谷線は渋谷と用賀しか使えなくなりますし、4号新宿線は外苑と高井戸しか使えなくなります。
上表には記しませんでしたが、中央環状線や湾岸線、横羽線などでも、一部入口がETC専用化されます。
影響は小さいが
首都高速会社によれば、首都高速のETC利用率は98.4%(2024年11月時点)となっていて、ほとんどのクルマがETCを利用しています。
最近は、レンタカー会社がETCカードのレンタルサービスを実施していますので、旅行者でもETC利用が一般的になっています。訪日外国人も、ETC利用をする人が多いようです。
そのため、出入口をETC専用化しても、影響は限定的でしょう。いま、現金支払をしている人のなかには、クレジットカードを使えない人もいるでしょうが、ETCのみなら、クレジットカードがなくてもETCカードを作れます(パーソナルカード)。
残るは、ETCカードを何らかの事情で「使いたくない人」です。そういう人にとっては、首都高速は利用しづらくなりますので、ご注意を。(鎌倉淳)