後志自動車道の倶知安~ニセコ間の延伸事業化が決定しました。完成すれば、新千歳空港~ニセコ間が高速道路で2時間16分で結ばれますが、いつできるのでしょうか。
北海道横断自動車道の計画区間
国土交通省の社会資本整備審議会部会が、北海道横断自動車道のうち、俱知安~ニセコ間について、新規事業化が妥当と判断しました。これにより、2024年度の事業着手が事実上決定しました。
北海道横断自動車道の計画区間のうち、小樽~倶知安間は「後志自動車道」と呼ばれています。現在、小樽JCT~余市IC間が供用済みで、余市IC~共和IC~倶知安IC間37.1kmが事業中です。このうち、余市IC~仁木IC間3.3kmが2024年度に開通予定です。
倶知安~ニセコ11.7kmが事業化
後志道のうち、残る未着手区間は倶知安IC~黒松内IC間となっています。このうち、倶知安~蘭越間約25kmについて、蘭越倶知安道路として計画段階評価が行われてきました。
今回決定したのは、このうち倶知安IC~ニセコIC間11.7kmの事業化です。途中、比羅夫ICが設けられます。
比羅夫ICは、ニセコのリゾートの中心であるヒラフエリアへの最寄りICとなります。
車線は2車線(片側1車線)で、設計最高速度は80km/hです。事業費は640億円で、1日9,100台の交通量を見込みます。
新千歳空港から高速道路で
新規区間を含む事業化区間が全て開通すれば、高速道路が小樽~余市~倶知安~ニセコとつながります。小樽では札樽自動車道に接続し、さらに道央自動車道で新千歳空港ICまでつながります。これにより、新千歳空港~ニセコ間を全て高速道路で乗り通すことが可能になります。
国交省の資料によると、現在、新千歳空港~ニセコ間は161km、2時間48分です。ニセコまで開通すれば、これが158km、2時間16分となり、32分短縮されます。
現在は、新千歳空港からニセコへは、高速道路を通らない453号線の美笛峠経由が一般的です。高速道路が開通しても、453号線経由より大回りなため、所要時間が大きく短縮するわけではなさそうです。しかし、峠越えをしなくて済むため、とくに冬季は高速道路を経由するドライバーが増えるでしょう。
ニセコまでの開通予定は?
後志自動車道は、今後、ニセコ~蘭越間の約13kmと、蘭越~黒松内の約20kmが、未着手区間として残る形となります。両区間の事業着手は見通せませんが、ニセコ~蘭越間は計画段階評価が完了しているので、近い将来に着手する可能性があります。
仁木IC~ニセコICの開通予定は公表されていませんが、一般的に高速道路の事業期間は10年程度が見込まれます。
事業着手は余市から共和までが2014年度、倶知安までが2016年度でした。ニセコまでが2024年度となります。となると、共和・倶知安までの開通は2020年代後半、ニセコまでの開通は2030年代半ばくらいが目安でしょうか。
倶知安ICまで開通すれば、ヒラフエリアまで13分程度なので、新千歳空港~ニセコの高速道路は、ほぼ完成する形です。(鎌倉淳)