京都四条通の地下道を活性化へ。阪急河原町駅から烏丸駅への通路は、今のままではもったいない!

京都市のメインストリート・四条通には、歩行者用の地下道が整備されています。これまでは店舗などはなく殺風景でしたが、新たに観光客へのサービス拠点などを設置する構想が持ち上がっています。うまく活性化できるのでしょうか。

広告

室町通-木屋町間に地下道

京都市の四条通の地下には、阪急京都線が通っています。1963年に同線が開業したとき、同時に地下道も整備され、現在、室町通-木屋町通間の約1kmを歩行者が利用できます。

ただ、地下道には店舗などはなく、薄暗い雰囲気。地上の四条通の混雑とは別世界の静かな空間です。すたすた歩くには便利ですが、もう少し商業的に利用してもいいのでは、と思っていた人も多いのではないでしょうか。

四条通

小規模の店舗や観光客へのサービス拠点

この地下道の活用に向けた動きが、ようやく出てきました。2017年3月14日の京都市議会で、門川大作市長が、京都市と、阪急電鉄、四条繁栄会商店街振興組合の3者で、地下道の活用に向けた協議会を立ち上げることを表明しました。

京都新聞2017年3月14日付によりますと、現在の地下通路は狭いため、店舗がずらりと並ぶ地下商店街を作るのは難しいものの、「小規模の店舗や文化芸術発信の場、観光客へのサービス拠点などの可能性を検討する」そうです。

広告

なぜ地下商店はなかったか

それにしても、いままで、なぜ四条通の地下に商業施設などがなかったのでしょうか。

京都新聞によると、「スペースが少なく、膨大な投資も必要」と阪急側が否定的だったとしています。また、許認可権を持つ京都市も、「通路幅は4~9メートルで通行に支障が出る恐れもあり」、難しいとの姿勢を崩さなかったとも報じています。

それだけではなく、地上の商店街への配慮もあったことでしょう。地下商店街を作ると、地上の商店街の売り上げに影響がでます。そうした判断で、これまで地下は通路のみだったとみられます。

四条通の魅力がさらに高まる

その意味で、今回、市と阪急だけでなく、商店街も加わった3者が協議の場を持つことは、大きな進展です。今後、協議会は1~2年かけて構想をまとめるそうです。

阪急河原町駅から烏丸駅への地下通路は、今のままではもったいないと思っている人は多いことでしょう。上手に活用することは、地元の方にも、旅行者にもメリットがあります。

四条通は歩道の拡幅工事も終わり、地上を歩いているだけで楽しい空間です。さらに地下にも楽しいスペースが拡大されれば、四条通の魅力はさらに高まるのではないでしょうか。(鎌倉淳)

広告
前の記事常磐線の一部区間が2017年4月と10月に相次ぎ復旧へ。残る不通区間は20.8kmに。代行バスも運行拡大
次の記事水島臨海鉄道で「キハ20」が引退。国鉄型気動車の名車は、ひたちなか海浜鉄道の1両のみに