水島臨海鉄道で「キハ20」が引退。国鉄型気動車の名車は、ひたちなか海浜鉄道の1両のみに

岡山県の水島臨海鉄道が保有する旧国鉄型気動車「キハ20」が引退することになりました。2017年3月19日に引退記念の特別運行が実施され、ラストランとなります。これで、キハ20形式の現役車両は、ひたちなか海浜鉄道の1両のみとなります。

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検査期限を迎え引退へ

キハ20は、旧国鉄が1957年に開発した気動車です。幹線からローカル線まで、非電化区間で広く使用されてきた「名車」として愛されましたが、JRではすでに引退し、現役車両としては、水島臨海鉄道とひたちなか海浜鉄道で各1両が残るのみとなっています。

水島臨海鉄道では、1986年から1991年にかけて、国鉄とJR西日本・四国よりキハ20を購入し、主力車両として使用していました。ピーク時には12両が在籍していましたが、2014年に定期運行を終了し、1960年製のキハ205だけがイベント用などに残されています。

産経新聞2017年3月15日付によりますと、3月末に検査期限があり、修理などに最大1000万円の費用がかかることなどから、引退が決まったそうです。

水島臨海鉄道キハ205
画像:水島臨海鉄道

「さよなら運転」は片道3便

最終運行となる3月19日には、水島臨海鉄道水島駅2番ホームで、8時45分から「さよならキハ205記念式典」が開催されます。

当日は、倉敷市駅発9時40分、水島駅発10時11分、倉敷市駅発10時40分の片道3便の列車を運転。これが営業運転としてのラストランになります。なお、3列車の乗車券は事前抽選済みで、乗車券のない人が当日行っても乗れません。

これで、現役のキハ20系は、ひたちなか海浜鉄道の1両のみとなります。ひたちなか海浜鉄道のキハ20(205)は、週末などに営業運転を続けています。そのほか、同系列に分類されるキハ52がいすみ鉄道で運行されています。

旧国鉄型車両が消えゆくのは寂しいですが、時の流れゆえ仕方ありません。最後に残ったひたちなか海浜鉄道の車両が、できるだけ長く活躍することを願いたいところです。国鉄時代を懐かしみたい方は、茨城県へ足を運びましょう。(鎌倉淳)

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