渋谷駅の動線はどう変わるのか
では、2027年の完成時に、渋谷駅がどう変わるかを見てみましょう。
まず、下図が渋谷スクランブルスクエアを中心とした、渋谷駅周辺の再開発の完成予想図です。
手前の「道玄坂一丁目駅前地区」と書かれたあたりの白く描かれた高層ビルが渋谷マークシティです。現在の東急東横店西館あたりは、曲線の屋根のようになっているのがわかります。この屋根の下に、井の頭線とJR線、銀座線をつなぐ通路ができます。
井の頭線、JR線、銀座線の乗り換え
再開発完成時には、マークシティを2階レベルで出た後、旧東急百貨店跡地の一部を使って作られた通路を抜け、エスカレーターでJR改札のある3階につながります。その奥には銀座線改札口があります。下図をご覧ください。
動線をたどっていくと、井の頭線とJR線、銀座線の乗り換えがスムーズになることがわかります。
図がややこしくて理解できない、という方は、以下の動画をみるとわかりやすいです。
東横線・副都心線からJR線への乗り換えは
東横線、副都心線改札からJR線改札口への動線も見てみましょう。東横線・副都心線ヒカリエ前改札口を出て右に向かい、長いエスカレーターを上ると、JR南口の1階改札口に出ます。こちらも、スムーズな乗り換え動線です。
以下の動画もご参考にみてください。
ハチ公前改札は
JR渋谷駅では、ハチ公前改札も閉鎖され、新たなJR改札(北)が設けられます。JR改札(北)は新たに設けられる自由通路(北)に沿う形になり、ハチ公前広場には、自由通路を経由して出ることになります。
JRから半蔵門線・田園都市線改札口へは、JR改札(北)そばに設けられるエスカレーターで接続します。現在のハチ公広場出入口にある大階段・エスカレーターもそのまま存続します。
ハチ公前改札からハチ公広場への参考動画は以下です。
最後に、ハチ公前広場から自由通路(北)を抜けて東口広場に至る動画が下記です。
2027年の渋谷駅構内図
ここまで見てきてわかるように、渋谷駅大改造のポイントは、歩行者デッキや地下広場によるバリアフリーの歩行動線です。
これまでの渋谷駅は、階段が多く、高齢者や子連れには使いにくい駅でした。大改造で、これを解消し、バリアフリーで移動しやすい駅に変身します。
すべての事業が完了し、新たな動線が完全に機能するのは2027年の予定です。2027年完成時の、渋谷駅構内図がこちら。
構内図をぱっと見ると、やはり複雑です。いくら工事しても、「渋谷ダンジョン」が完全に解消するとまではいかないようです。それでも、かつてよりはわかりやすく、歩きやすくなるのは確かでしょう。
渋谷駅周辺の都市計画決定は2013年。完成が2027年とすると、ちょうど折り返し地点の2020年に、JR渋谷駅玉川改札口が閉鎖することになります。事業はこれからが本番で、今後7年にわたり、渋谷駅周辺では工事の季節が続きます。
振り返れば、渋谷駅周辺で大規模な工事が始まったのは、2001年のメトロ副都心線着工からでしょうか。それを渋谷駅大改造の端緒とすれば、実に26年、四半世紀にまたがる大工事です。
気が遠くなるほどの長い時間をかけて、渋谷駅は使いやすい駅に生まれ変わり、次世代に引き継がれることになるのでしょう。(鎌倉淳)