「サフィール踊り子」と「185系踊り子」に乗ってみた。令和と昭和を特急列車でつなぐ旅

グリーン車乗り比べ

「サフィール踊り子」と、185系「踊り子」で、伊豆急下田まで往復してきました。令和から昭和へ、タイムスリップの伊豆旅行です。

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全席グリーン車の豪華特急

「サフィール踊り子」は、2020年3月14日ダイヤ改正で登場した新しい特急です。新型車両E261系を投入、新しい座席区分「プレミアムグリーン車」を含む全席グリーン車の豪華特急です。

東京駅9番線に入線。ぴかぴかの令和製。存在感は抜群です。

サフィール踊り子

グリーン車に乗車。JR東日本の最近の在来線特急車両にしては珍しく横3列のシートで、ゆったりしています。E5系グリーン車と似た感じで、座り心地は抜群です。

サフィール踊り子

シートの堅さ、座席のホールド性、リクライニング角度といい、文句がありません。電源もWi-Fiもあり、テーブルも広く、仕事もはかどります。グリーン車の一つの完成形といってもいい座席ではないでしょうか。

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「特急らしい特急」

車内を探検します。この日は個室グリーン車の利用者はいませんでした。

サフィール踊り子

プレミアムグリーン車は、予約時に確認したところ本日は窓側席が満席。時節柄、一人旅が多いようです。

サフィール踊り子

定刻11時に東京駅を発車し、横浜に停車すると、次は熱海まで停まりません。約50分間ノンストップで、特急らしさを感じます。

特急「踊り子」が登場するまで、東海道線の特急は横浜~熱海ノンストップが標準でした。「サフィール踊り子」はそんな往年の「特急らしい特急」の走りっぷりを見せてくれます。国鉄時代の特急「あまぎ」を思い浮かべてしまいました。

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伊豆半島へ

小田原を過ぎ、左手に相模湾の眺望が広がると、「サフィール踊り子」の本領発揮です。広々とした窓から、初夏の海の眺めを楽しめます。ただ、あいにく、天気は今ひとつです。

サフィール踊り子

天井が高く、天窓もあり、リゾート特急らしい開放感にあふれています。旅行の非日常感を楽しめる車内です。

サフィール踊り子

熱海で少し客が降ります。伊豆特急と言えば伊東線内まで利用するのが当然と思っていましたが、熱海で降りる人もいるのか、と驚きました。新幹線のほうが圧倒的に早いとは思いますが、「サフィール踊り子」の魅力に惹かれて選んだ、ということでしょうか。

伊東を出ると、車内はガラガラに。話題のヌードルバーに行ってみます。営業中止中でしたが、アテンダントは乗車しています。ただ、何も売っていないので、手持ちぶさたな様子でした。

サフィール踊り子

伊豆高原駅には、伊豆急行の車庫があります。見かけたのは、伊豆急自慢の「ザ・ロイヤル・エクスプレス」。

ロイヤルレクスプレス

ツアーが中止となっていて、豪華クルーズトレインも手持ちぶさたな様子です。8月に予定されている北海道クルーズが無事行われることを祈ります。

相模湾の車窓を楽しみながら、伊豆半島を南下し、終点・伊豆急下田駅には13時29分着です。

東京駅から約2時間半かかりました。下田って、京都行くより時間的には遠いのね、と改めて認識

しかし、「サフィール踊り子」は非常に快適で、時間を感じさせませんでした。「来年のブルーリボン賞、間違いなし」と勝手に太鼓判を押して、伊豆急下田駅に降り立ちました。

サフィール踊り子

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昭和時代の国鉄型車両

伊豆急下田15時29分発の特急「踊り子16号」で折り返します。185系の10連。堂々とした編成です。今では少なくなった、ヘッドマークがよく似合います。

185系踊り子

185系は1981年に登場した、昭和時代の国鉄型車両。登場当時、特急と言えば赤とクリームの車体色が標準でしたので、185系の白と緑という軽やかなデザインが斬新でした。

185系は近く引退が決まっていて、後継となるE257系リニューアル車の投入が始まっています。そのため、185系「踊り子」の姿を見られるのも、あと少しです。

「サフィール踊り子」との乗り比べのため、こちらもグリーン車を利用。

車内に入った瞬間に、昭和の世界に引き戻されます。デッキに入り、薄クリームの仕切壁に、くもりガラスの客室扉。

185系踊り子

レバーに触れてドアを開けると、懐かしさを感じずにはいられません。重量感のあるモケットシートに簡素な荷物棚。ああ、昭和だ。

185系踊り子

グリーン車とはいうものの、横4列シートで肘掛けすらありません。185系でも普通車には肘掛けがあるのに、なぜ185系グリーン車には肘掛けがないのか、私はその理由を知りません。ちなみに、シートは1990年代後半にリニューアルされたので、昭和時代のものでも国鉄製でもなく、平成JR仕様です。

185系踊り子

座り心地は「サフィール踊り子」のE261系に遠く及びませんが、これも令和と昭和(平成)の時代の違いと楽しめます。肘掛けがないと、どうも手の収まりが悪いなあ、と、文句ばっかり言っていますが、「サフィール」の感覚記憶が残っている最初だけのことで、しばらくすれば落ち着きます。

ちなみに、「踊り子」はB特急料金、「サフィール踊り子」はA特急料金で、「踊り子」のグリーン特急料金は東京~伊豆急下田間で4,390円、「サフィール踊り子」は5,150円です。多少なりとも値段の差があるのが納得できます。

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窓が開く特急

定刻15時07分に伊豆急下田を発車し、つい先ほど下ってきた伊豆急行線を北上します。

185系がE261系よりいいな、と思ったのが、窓が開くことです。

エアコンがあまり効いていない気温でしたし、他に乗客が一人もいなかったので、堅いロックを外して少しの間、窓を開けてみました。伊豆の潮風が顔をなでます。

185系踊り子

窓が開く特急列車なんて、いつ以来でしょうか。残念ながらストッパーが付いていて全開にはできなくなっていましたが、そこにも時代の移り変わりを感じます。

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堂々15両編成に

16時21分熱海着。ここで修善寺発の「踊り子」と連結します。熱海駅では構内に入った後、何度か小刻みに停車と発車を繰り返して連結。ドアは連結後に開きました。

それからホームに降りたので、連結シーンは見られませんでしたが、連結後の作業の様子は見ることができました。

185系踊り子

堂々の15両編成となって夕方の東海道線を北上。現役の国鉄型車両で15連というのも、もはや「踊り子」だけです。国鉄型車両、最後の勇姿といえるかもしれません。

17時48分東京着。伊豆急下田から2時間41分かかりました。

185系踊り子

令和と昭和を特急列車でつなぐ旅。185系の引退は間近に迫っていて、この旅ができる期間もあと少しです。(鎌倉淳)

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