神戸市の王子動物園のリニューアル工事が始まります。第一弾として「サバンナゾーン」と「爬虫類館」の概要が公表されました。
8ゾーンで構成
神戸市立王子動物園では、王子公園の再整備にあわせた全面的なリニューアルが予定されています。動物を生息地や種別ごとに「アジアゾーン」「サバンナゾーン」「南米ゾーン」「オーストラリアゾーン」「神戸~日本の自然ゾーン」「世界の霊長類ゾーン」「世界のネコ科ゾーン」「海獣ゾーン」の8ゾーンで展示します。
その第一弾として整備されるのが、「サバンナゾーン」です。現在のプールを取り壊し、跡地に建設します。面積は1.3ヘクタールです。
複数の動物を見渡せる
サバンナゾーンでは、アフリカのサバンナに生息するキリン、シマウマ、カバ、シタツンガ、ヤマアラシを展示する予定です。複数の動物種を見渡せる「通景」をつくり、臨場感のあるエリアとします。
中心となるのは広々とした屋外放飼場です。区画は動物ごとに分けられていますが、隣接して展示されますので、遠景としては、複数の動物が共存しているようにみられます。
ガラス張りのキリン舎
最大の目玉となるのはキリン舎です。屋内からキリンが間近に観覧可能なだけでなく、外壁をガラス張りにし、屋外の自然風景をキリンも観覧者も眺められるよう構成します。
日本動物園水族館協会(JAZA)のガイドラインでは、キリンは屋外に1200平方メートルの放飼スペースを設け、屋内施設は1頭あたり25平方メートルの飼育面積と、6.5m以上の天井高を求めています。
こうした最新のガイドランに沿って、「動物ファースト」の飼育環境を整備します。
カバが好みの場所を選べる
もうひとつの目玉はカバ舎です。こちらも動物ファーストの方針に沿って、広いプールに浅場、深場など多様な場所を設け、カバが好みの場所を選べる計画とします。
観覧スペースも屋内や屋外に複数設けて、カバの生態を観察できるようにします。
爬虫類館は地域別に
爬虫類館もオープンします。世界の爬虫類を、「サバンナ」「熱帯」「アジア」「日本」など、地域別に分けて展示。自然光を取り入れて、自然界の風景を再現します。
サバンナゾーンの東側には、お弁当を広げたり、イベント開催にも利用できる、多目的な「芝生広場」を設けます。広場には高木を植樹し、木陰を充実させます。
アジアゾウ舎の建設も
サバンナゾーンと爬虫類館のオープンは2027年夏の予定です。オープン後、現在のキリン舎などがある北園は閉鎖します。
サバンナゾーンにつづいてアジアゾーンが整備される予定で、アジアゾウ舎が建設されます。
アジアゾウについてもガイドラインに基づくゆとりのある空間を創出することを目指し、生息環境を再現する展示とします。
アジアゾーンは2030年度に一部がオープンする予定です。新たな王子動物園の顔となるメインゲートも、この頃までにできる予定です。
王子動物園全体の園全体のリニューアル完了見込みは2045年度です。