日高線で大幅減。JR北海道 輸送密度ランキング2021年度版

札幌圏は回復

JR北海道が2021年度の区間別の輸送密度と収支状況を発表しました。新型コロナウイルス感染症の影響から回復傾向がみられ、全体的に輸送密度、収支とも改善しましたが、日高線では利用者が大きく減少しています。

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24区間の輸送密度と収支状況

JR北海道は経営危機が表面化した2014年度から、区間別輸送密度や収支状況を公表しています。その2021年度分を公表しました。新幹線を含めたJR北海道の全路線を24区間に分けたものです。

2021年度も道内の全線区が営業赤字です。全線区が営業赤字となるのは、線区別収支の公表を始めた2014年度から8年連続です。合計の赤字額は約790億円となりましたが、過去最悪だった前年度の約841億円よりは改善しました。

まずは、その数字を最新の輸送密度順にランキングしてみましょう。黒字路線が一つもないので、営業損益は「営業赤字」としてマイナス表記を省略しました。

JR北海道輸送密度ランキング2021年度版
線名 区間 輸送密度
(人/日)
営業赤字
(百万円)
営業係数
(2021)
2021 2020 2021 2020
根室線 富良野~新得 50 57 661 734 3,287
留萌線 深川~留萌 90 90 606 627 2,183
宗谷線 名寄~稚内 174 165 2,775 2,641 1,242
根室線 釧路~根室 174 150 1,160 1,194 1,002
根室線 滝川~富良野 201 190 1,105 972 1,980
釧網線 東釧路~網走 245 236 1,752 1,689 1,067
室蘭線 沼ノ端~岩見沢 300 305 1,082 1,161 1,287
函館線 長万部~小樽 340 349 2,789 2,806 1,287
日高線 苫小牧~鵡川 387 476 378 292 1,185
石北線 上川~網走 420 404 3,707 3,491 864
石北線 新旭川~上川 567 600 1,112 1,043 845
根室線 帯広~釧路 798 897 4,309 4,485 609
宗谷線 旭川~名寄 845 827 3,249 3,126 911
富良野線 富良野~旭川 960 1,027 1,101 986 557
新幹線 新青森~新函館北斗 1,635 1,453 14,858 14,429 426
函館線 函館~長万部 1,636 1,443 7,174 7,934 421
石勝・根室線 南千歳~帯広 1,902 1,570 5,000 5,623 274
室蘭線 長万部~東室蘭 2,197 1,924 2,786 2,910 300
室蘭線 室蘭~苫小牧 3,467 3,166 3,400 3,721 293
函館線 岩見沢~旭川 4,180 3,739 5,141 5,777 287
札沼線 桑園~医療大学 13,307 12,555 14,859 17,878 154
函館線 札幌~岩見沢 26,985 26,472
千歳・室蘭線 白石~苫小牧 27,780 24,422
函館線 小樽~札幌 29,584 28,615
全線 3,001 2,767 79,006 84,159 272

※営業係数は管理費を含んだ数字。

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日高線で利用者減

2020年度は新型コロナウイルスの影響を強く受けたので、それに比べると2021年度は全体に回復傾向にあります。ただ、輸送密度が減少した線区もいくつかあり、日高線苫小牧~鵡川間は476から387へ約18%も減少しました。

日高線の利用者が2割近くも減った理由ははっきりしませんが、2021年4月に正式に鵡川以南がバス転換され、静内方面から苫小牧方面への直通バスが強化されたことが理由かもしれません。鵡川以南の利用者で苫小牧~鵡川間のみ鉄道を使っていた旅客の一部が、バスに移ったのでしょう。

そのほか、富良野線や根室線帯広~釧路間などで、輸送密度の減少が目立ちました。

輸送密度200を下回ったのは、根室線富良野~新得間と釧路~根室間、留萌線深川~留萌間、宗谷線名寄~稚内間の4区間です。

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千歳線は大きく回復

輸送密度の回復が大きかったのは、千歳・室蘭線の白石~苫小牧間です。輸送密度24,422から27,780に、約13%増えました。新千歳空港の利用者の回復を反映したものとみられます。

それ以外も札幌圏は全体に堅調な回復で、赤字も約178億円から約148億円に縮小しました。とはいえ、札幌圏の赤字が依然として非常に大きいことも事実です。ここを黒字にしなければ、JR北海道の鉄道事業の厳しさは変わらないでしょう。

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宗谷線で減価償却費増

収支面では、宗谷線旭川~名寄の赤字も拡大しています。JR北海道によると、車両の減価償却費が増加したことが大きな要因だそうです。新型車両のH100形を投入したことが影響しているとみられます。

北海道新幹線は輸送密度が回復する一方、赤字は拡大し、約148億円にも達しました。線路や電気設備の修繕費用が増加したためです。増大した修繕費用の具体的な内容は明らかにされていませんが、青函トンネルの保守費用が上がっているのかもしれません。

JR北海道全体の営業赤字は約790億円、輸送密度は3,001です。前年度よりは回復したものの、2019年度はそれぞれ約551億円、4,926でしたので、コロナ前にはまだ遠く及びません。(鎌倉淳)

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